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スイス生まれの超小型車 通勤やセカンドカーに

スイスの小型EVメーカーであるマイクロリーノ社は、電動四輪車の「マイクロリーノ(Microlino)」を英国に導入すると発表した。かつてのBMWイセッタの現代版とも言える2人乗りの超小型車だ。

【画像】欧州で注目、軽自動車よりも小さい「マイクロカー」【マイクロリーノやルノー・トゥイージーなど超小型車を写真で見る】 全38枚

マイクロリーノ社が英国で四輪車を発売するのは今回が初めて。共同設立者のオリバー・アウボーター氏は取材で、現地のディーラー・フランチャイズと提携することで小売網を立ち上げ、「夏前」の販売開始を目指していると語った。

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マイクロリーノ    マイクロリーノ社

小型EVのマイクロリーノは、2016年のジュネーブ・モーターショーで初公開された後、2020年に生産が開始された。2023年6月には累計販売1000台を達成した。欧州向けの価格は1万7990ユーロ(約290万円)から。

EU離脱により英国導入は遅れたが、2024年末までに現地で300台を納車するのが目標だという。

「(300台の目標は)まずまずのスタートだと考えています。小さな会社なので、マーケティング予算は潤沢ではありません。英国では数千台を販売できると思いますが、もちろん一歩一歩、段階を踏んでいくことになります」とアウボーター氏。

個人消費者や中小企業ターゲットに、通勤用やセカンドカーとして売り込む。

iPad的な「ちょうどよさ」 独自のユースケース

マイクロリーノは一般的な乗用車と異なり、小型軽量の「L7e(Heavy Quadricycle L7e)」というカテゴリーに分類される。L7eは乗員とバッテリーを除いて最大重量400kg以下のカテゴリーで、ルノー・トゥイージーと同じだ。

マイクロリーノは最高出力17psのモーターを搭載し、最高速度は90km/h。バッテリーは3種類あり、5.5kWh(航続距離93km)、10.5kWh(同177km)、15.0kWh(同228km)から選択できる。

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マイクロリーノ    マイクロリーノ社

BMWイセッタを模したフロントドアを採用しているが、リバースギアを備えているため、壁に向かって駐車しても出庫できなくなるということはない。

英国仕様でも左ハンドルのみの設定となるが、これは右ハンドル車の開発・生産コストを抑えるためだ。アウボーター氏は、車幅の狭さとベンチシートのため、右ハンドルは不要だとした。「駐車券を取るのも簡単です」

欧州には日本のような軽自動車規格はないが、マイクロリーノのような小型四輪車が数多く発売されている。近いモデルにシトロエン・アミがあるが、そちらはL6eという最大重量350kg以下のカテゴリーのため、最高速度が45km/hに制限される。

アウボーター氏はこのL7eに勝機を見出している。

「わたし達が主に注力したいのは、最高90km/hまで出せるL7eカテゴリーです。45km/hに制限されたL6eよりも、乗用車の代わりになれると考えています」

マイクロリーノはiPadに似ています。iPadはスマートフォンでもノートパソコンでもなく、その中間にあり、独自のユースケースを持っています」

「通勤や、1人は2人で乗るときなど、日常的な距離の移動に最適です。このような観点から見れば、マイクロリーノはこのようなユースケースにとって超実用的なのです」


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