◆デビュー発表の場所で原点に立ち返るコンサート

 アイドルグループ・Kis-My-Ft2が15日、全国ツアー「Kis-My-Ft2-For dear life-」の最終日公演を東京・代々木第一体育館で開催し、約5か月に及ぶツアーを完走した。昨年8月には、北山宏光がグループから卒業。この代々木第一体育館は、13年前にKis-My-Ft2がデビューをサプライズ発表された場所ということで、6人体制の新生Kis-My-Ft2にとって原点に立ち返るコンサートとなった。

 ツアータイトルへの思いを聞かれた宮田俊哉は、「『全力』や『命を懸ける』という意味合いが込められている。ひと公演ひと公演に対して、全力で(ステージに)立とうと6人で決めて、このタイトルを背負ってやってます」と話した。

 オープニング曲の「Rebirth Stage」から激しいパフォーマンスでギアを上げていくと、「HANDS UP」「Edge of Days」「Smokin’Hot」とアグレッシブなダンスナンバーを立て続けに披露。まさにタイトル通り“全力を尽くす”をライブ序盤から体現して会場を盛り上げた。

◆「(コンサートを)作っているときはキスマイじゃなくなってるんです」

 今回のツアーでは新たな挑戦も盛り込まれた。コンサートの演出を担当した二階堂高嗣は、「(コンサートを)作っているときはキスマイじゃなくなってるんです。いちファンとして、『キスマイのこういう画がみたい』という視点で考えている」とコメント。大人の色気が漂うナンバー「CHUDOKU」で椅子に座ったままフライングされたメンバーがサビに合わせて、空中で逆さまになったり、回転したりと観客を驚かせた。

 ただ、横尾渉に「リハで『誰が最初にやる?』っていう話になったら全然いこうとしない。自分で提案したのに一番怖がってた」と、暴露されるとメンバーから笑いが起きた。

 また中盤に披露した楽曲「Lemon Pie」ではレモンの香り、「想花」で金木犀の香りが会場を包むなど、ニオイの演出にもこだわった。「この演出は何年も前からスタッフさんと話して、今回ようやくできる会社を見つけられた」と二階堂が話すと、藤ケ谷太輔が「(やりたい演出のために)会社ごと探すんですね。さすが、世界の高嗣(笑)」と絶賛していた。

◆三大ドームツアーの開催も決定

 ほかにも最新シングル「C’monova」や「Luv Bias」などを盛り込んだ全32曲を披露。アンコールでは、Kis-My-Ft2の代名詞でもあるローラスケートを履いたメンバーがステージに登場してデビュー曲「Everybody Go」をパフォーマンス。花道を颯爽と移動しながら各ステージを回ってファンの声援に応えていく。

 そして、大トリには全国のファンからの応援メッセージが印刷された金テープがステージに発射されて、Kis-My-Ft2のメンバーに降り注ぐというサプライズ。そのメッセージを読みながら、玉森裕太は「たくさんの愛を受け取りました!」と号泣。千賀健永も、「こうやってファンのみんなの思いを言葉で受け取ることってなかなかないから嬉しい」と笑顔を見せた。

 新たな一歩を踏み出したKis-My-Ft2は、初夏に新アルバムをリリース。それを引っ提げて、東京・名古屋・大阪の三大ドームツアーの開催も決定した。今回のツアーは、4年ぶりとなる声出し解禁だったということで、二階堂は「みなさんの声と僕らのパフォーマンスが重なって、ステージができるんだなって感じる瞬間が本当に多かった」と振り返る。藤ヶ谷も「やっぱり我々の人生に歓声は必要ですね。生きる源です」と噛みしめていた。

取材・文/吉岡俊 撮影/後藤巧