一生お金に困らない脳の使い方があるなら、知りたい人は多いのではないでしょうか? お金持ちの脳というのは、お金がうまく回っていく仕組みを考えることが多いと、脳科学者である茂木健一郎氏は言います。著書『一生お金に困らない脳の使い方』より、茂木氏が解説します。

攻めの貯蓄でお金持ちになる可能性が高まる

お金持ちとまではいかなくても、日々の生活にそれなりの余裕があり、将来への備えもできるくらいにはお金が欲しいと考えている人は多いはずです。

実際、世間ではごく普通のサラリーマンでありながらも、お金を上手に稼いだり貯めたりできる人がいます。

そのような人は自分と向き合うことで、現在から未来に向けてどれだけのお金を必要としていて、将来どうなりたいかをしっかりと考えている人です。

例えば、貯蓄にしても「守りの貯蓄」なのか、それとも「攻めの貯蓄」なのかということを考えなくてはいけません。

自分は守りの安定志向タイプで貯金をしているのか、それとも攻めの上昇志向タイプなのか、さらにはお金とどうやってつきあうタイプなのかを知るということです。

もちろん、一生サラリーマンでいればお金持ちにはなかなか到達することができません。そのとき「攻めの貯蓄」をすることで、お金持ちの道が開ける可能性が増していくわけです。その方法としては、起業、投資、副業などいくつかあるわけです。

社会や人に役立つものを考えればうまくいく

しかし、そういった、今まで経験したことがないことを想像すると、「自分にはできない」と脳がブレーキをかけてしまいがちです。

そこは、今の自分の延長線上で、好きなことで稼ぐことを考えていけばいいわけです。これがお金持ちの人に共通する脳の使い方の特徴でもあります。

お金持ちの脳というのは、お金がうまく回っていく仕組みを考えることが多いものです。そのとき、自分の好きなことといっても、誰かにとって何かプラスになるようなものを考えるのです。

つまり、お金持ちになれない脳は、せっかく自分の好きなことが社会や人の役に立っているのに、それをお金に変えられないものだということです。

例えば、料理が好きな人は、さまざまな料理についてメルマガで配信するなどの方法があります。

また、ITの発展によって会社に所属しなくても分業ができるようになったことで、無料のブログサービスやアマゾンのようなマーケットサイトを個人がアウトソースできるようになってきました。

つまり、これまでは大きな仕事をするためには企業に入らなければいけなかったのが、小さなベンチャーでも外部のネットサービスを使えば収益を獲得できるという、新しい可能性が出てきたわけです。

このように、何らかの社会との接点がないとお金は生まれません。

これを逆に捉えれば、社会との接点さえ見つけ出してしまえば、どんなところにもお金を生み出すチャンスは転がっているといえます。

脳科学者  

茂木 健一郎

(※写真はイメージです/PIXTA)