あれっ、これ庵野秀明臭がしない!
日本アニメ(ーター)見本市で、エヴァンゲリオンの新作動画「evangelion:Another Impact(Confidential)」が公開されました。

舞台は第3新東京市ではなく、全く別の場所、別の時。
起動実験が行われていたのは「Another No.=無号機」。
整備していた人間たちの制御を阻止し、地上に出て暴走を始めるショートムービーです。

監督・脚本・絵コンテは荒牧伸志。
上映されたばかりの「アップルシードアルファ」で、フォトリアルCG映像の技術を披露した監督です。
劇場版エヴァとは今のところ関係なし。

なるほど、実写化したらエヴァってこんなふうになるんだろうな、と感じさせる今回の映像。エヴァのテカテカな質感、触りたくなります。作業員が働く場所も含め、金属の表現にとことんこだわっているのが荒牧監督らしい。
エヴァが暴走する街は、「アップルシードアルファ」の廃墟化ニューヨークを彷彿とさせます。

カメラマンエヴァを撮影している」という描写も、今までのエヴァではありませんでした。クレーンに乗ったカメラマンによる手ブレやノイズなど、こだわりが見られるシーンです。
その後カメラマンがどうなったのかはあえて描かない。演出として切り捨てます。

暴走したエヴァが、ビルをぶっ壊しまくっていくシーン。
従来のエヴァでも街が破壊されることはありました。しかし「壊す」ことに重点はおかれてはいなかった。
今回は、むちゃくちゃな形でビルが破壊される面白さに焦点を当てています。
「盲目エヴァ」という設定が生かされているのも、ビルに突っ込む部分だけです。
映像美を重視する作家、荒牧伸志の作品として咀嚼され、作られた映像です。

「アニメ(ーター)見本市」という映像博覧会ならではの、エンタテイメント企画。
ここまで荒牧伸志の個性あふれるエヴァが見られるのなら、今後さらにいろんな映像作家にエヴァ競作してもらいたいところ。ギレルモ・デル・トロエヴァとかどうですか。
ちょうど今、USJでもエヴァのイベントやってますしね。
ガンダム正史と、Gガンダムくらい違う「エヴァ」が出てきてもいいんじゃないかな
2月9日には解説生放送が行われます。

(たまごまご)

「evangelion:Another Impact(Confidential)」は、新たに公開された、別の世界別の時間のエヴァンゲリオン。今までのエヴァと全く異なるエヴァを、荒牧伸志が作った、ということに意義のある映像です。