メッシエスカレートするバッシング。本人は騒動を収めるべく釈明したが……。(C)Getty Images

 世界を賑わせた騒動に、あらためて重い口を開いたリオネル・メッシ。それでもなお、彼に対するバッシングはエスカレートした。

 事の発端は、現地2月4日に香港で行なわれたプレシーズンマッチだった。メッシは今年1月末からクラブが実施したサウジアラビア、香港、日本を巡るアジアツアーに参加。8日間で6試合と各種イベントを平行する“過密スケジュール”のなかで、アルゼンチン代表の偉才は香港での同国リーグ選抜との試合を「内転筋の違和感」を理由に欠場していた。

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 日程的にも必然的な欠場ではあった。しかし、チケットが高額だったこともあり、香港および中国のファンは激怒。さらに香港での一戦から中3日で実施されたヴィッセル神戸戦(国立競技場)で30分間プレーすると、まさに火に油の状態に。メッシに対するバッシングは異様なほどに増大していった。

 中国国内でのバッシングは凄まじく、一部政治家が苦言を呈する事態にまで発展すると、今月9日には中国サッカー協会が3月に北京と杭州で開催予定だったアルゼンチン代表の親善試合(ナイジェリアコートジボワール)の中止を決定。一方的なキャンセルであったために、アルゼンチン側を呆然とさせた。

 そうした騒動に終止符を打つべく、メッシは現地2月18日に自身のウェイボー公式アカウントを更新。「中国版のX(旧ツイッター)」と言われるSNSを使い、「どうか誤った情報を信じないでほしい」と釈明。反発を招いた欠場理由について「最後の最後まで内転筋に違和感があってプレーできなかったし、最悪の事態に陥るリスクもあったんだ」と新シーズンに向けた決断であったと説明した。

 しかし、これにも中国側は反発。ポータルサイト『捜狐』は「明確な謝罪はなく、根本的な問題を無視し、誠意も欠けている」と断じた。

 もはや何を言っても許されない状況となっている。そんな英雄に対する批判の声に、アルゼンチンでは驚きの声が上がる。サンタフェに拠点を置く地方ラジオ局『AIRE de Santafe』は、メッシのウェイボーにおける釈明について「異例だ。メッシは親善試合の欠場を謝罪しなければならなかった」と指摘。怪我を理由に大事を取った判断を非難される状況を、次のように嘆いている。

リオネル・メッシは、インテル・マイアミとともに、アメリカに戻るまでに3万8000キロを移動するという、前代未聞のプレシーズンツアーを行った。単に移動だけでなく、多くの親善試合を行ったために体力の消耗も激しく、アルゼンチン代表のキャプテンはそのうちの1試合、香港での試合を欠場した。彼自身、『筋肉の違和感のためにプレーしなかった』と理由を公言していたにもかかわらず、ふたたび香港と中国のファンに謝罪をしなければならない事態となった」

 中国で広まる反発に、メッシの母国ではもはや呆れるような声が強まっている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

メッシへ続く中国の反発にアルゼンチン局が困惑 “再釈明”に「異例だ」と嘆き「彼は欠場理由を公言していた」