リアル脱出ゲーム」や「人狼ゲーム」に続く次世代の体験型ゲームとして注目を集めている「マーダーミステリー」。参加者は物語の登場人物となって犯人を推理し、犯人役は逃げ切ることを目的として、アドリブで会話をしながら進行していく、新感覚のミステリーだ。

【写真】「妖艶な色香を漂わせる後妻」を演じた文音

そのマーダーミステリーをベースにドラマ化した「マーダー★ミステリー 探偵・班目瑞男の事件簿」シリーズの最新作が、劇場版となって2024年2月16日から公開中。今回は、作中の8人の登場人物のうちの2人を演じる文音(あやね)さんと松村沙友理さんにインタビュー!前代未聞の即興劇ムービーの見どころや裏話を聞いた(※2024年2月2日取材)。

■関西人は精神力が強い?文音が抱く“関西”のイメージ

――今日(2月2日)は大阪でのキャンペーンですが、東京出身の文音さん、大阪(関西)に対するイメージは?

文音「私はニューヨークに留学していたことがあるんですけど、大阪の方は精神力が強い印象があります。心が折れて、日本に帰って行く人が多かったんですけど、関西の方たちは残っていました」

――一方で、大阪出身の松村沙友理さんは、“関西人は精神力が強い”と思いますか?

松村「思います!東京で暮らしていても『関西人は根性があるな』と感じることが多いので、なんかうれしいです(笑)」

――もし松村さんが文音さんを大阪案内するなら、どこに連れて行きたいですか?

松村「定番ですけど、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンです。『アトラクションはこの順番で乗ってください』って、アテンドできるくらい詳しいので。文音さん、行かれたことはありますか?」

文音「1回だけあります。まだハリー・ポッターのエリアがなかったころですね」

――その後もどんどん新しいエリアがオープンしているので、今行くと印象が変わるかもしれないですね!

■2人のバレンタインの思い出

――ここからは、私がおふたりに聞きたいトークテーマを用意しましたので、くじ引き形式で1枚ずつ選んでいただいて、そのテーマに関する話をそれぞれ聞かせてください。文音さんからお願いします。

文音「『海外でのエピソード』を引きました!先ほどもお話したんですけど、ニューヨークには関西の人が多かったです。歩くスピードも速くて、みんな(精神力が)強いなと思いました。ニューヨークに移住したりするのも関西の人が多かったので、大阪とニューヨークは相性がいいのかなと思います」

――ニューヨークでは関西弁が飛び交っているんですね(笑)。松村さんの海外でのエピソードは?

松村「中国の上海に行く機会が多かったんですけど、上海の料理には“関西料理み”を感じていました」

――“関西料理み”?

松村「関西の料理って、甘い味付けのものが多いじゃないですか。角煮とか。上海の料理も甘いんですよ。そこが似ているなぁと思って、親近感を覚えていました」

――まとめると、「関西とニューヨークと上海は似ている」と(笑)。では、松村さんにもトークテーマを選んでいただきましょう。

松村「『バレンタインの思い出』!」

――子どものころの話でも、最近の話でもOKです。文音さんからどうぞ!

文音「毎年、友達のチョコレート作りを手伝っていたんです。友達は彼氏に渡すために。私は友人や家族に渡すために作っていたんですけど、2年前からその行事がなくなりました。なぜなら、彼女がその彼氏と結婚したから。それがバレンタインの思い出です(笑)」

松村「結婚すると渡さなくなるんですか?」

文音「その子はそういう感じでしたね」

――結婚後も渡し続ける方も多いと思いますけどね。文音さんは、日ごろお世話になっているスタッフさんや共演者の方にチョコレートを渡したりすることはありますか?

文音「手作りはしないですけど、小さいチョコとかを渡したりすることはあります。でも、あまりバレンタインを意識したことはないです(笑)」

――松村さんは?

松村「子どものころから父と弟にあげるために、母と一緒にクッキーを作るのが恒例の行事でした。松村家のクッキーはレシピの3倍の砂糖を入れるので、すごく甘くて、歯が折れるんちゃうかと思うくらい硬いんです。家族みんなそれが大好きなので(笑)」

――ちなみに、今年の予定は?

松村「全くないです。でも最近、無印良品に行くと手作りキットがあって、それを見るたびに『作りたいな』という衝動に駆られます」

文音「沙友理ちゃん、かわいい!でも、毎年バレンタインは盛り上がって、女性たちはすごく努力しているのに、ホワイトデーに何も返って来ないことが多すぎる!世の男性たちに言いたいです。『ちゃんと返しなさいよ』って(笑)」

■すれ違うことすらNG⁉キャストもドキドキの撮影裏話

――「劇場版 マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血」が2月16日から公開されます。キャストのみなさんに与えられるのはキャラクター設定と行動指示のみで、各シーンのセリフはほぼアドリブという特殊な作品ですが、オファーが来たときはどう思いましたか?

文音「怖かったです。マネージャーさんとも真剣に話し合って、『本当にやる?』っていう感じにもなったんですけど、こんな企画はほかにないですし、挑戦してみようと思いました。お化け屋敷に行くような感覚ですね」

――怖いけど、体感してみたいと。松村さんは?

松村「私は、『楽しそう!おもしろそう!』って思いました(笑)」

文音「えーっ!?」

松村「その気持ちで撮影現場に行ったら、大先輩の共演者のみなさんが『怖いんだけど…』とおっしゃっているのを聞いて、『これはやばい作品だ…』って初めて気づいて、そこから緊張し始めました」

文音「ファーストカットの撮影のとき、沙友理ちゃんの目に涙が溜まっていたように見えたから、すごく緊張しているんだなぁとは思っていました」

――文音さんは「妖艶な色香を漂わせる後妻」、松村さんは「幼さが残る屋敷のメイド」という役柄でしたが、撮影が始まるまでに準備したことや、心掛けたことはありますか?

文音「台本がないので、準備することがほとんどなかったです。とにかく設定書を読み込んで、時系列とか、自分が守らないといけない秘密をちゃんと把握しておかないとおかしなことになってしまうから、そこだけは気をつけました」

松村「私は普段から関西弁なので、関西弁が出ないように、1週間ぐらい前から関西弁禁止にしました。イントネーションも間違えないように、日常生活から意識していました」

――文音さんにお聞きしたいのですが、冒頭のシーンでキャストのみなさんがそれぞれ自己紹介をする順番は決まっていたんですか?

文音「劇団ひとりさんが最初、とだけ決まっていたのかなぁ?どこからどこまでが設定だったのか、うろ覚えで…。本当に記憶がなくて、それぐらい緊張していたんです(笑)。でも設定を考えたら、私はみんなのことを知っているし、『じゃあ誰から』と言える役なのはたぶん私だけなんですよね」

――松村さん、いざ撮影がスタートしたときの心境は?

松村「『本当にこんなに何も知らないのは私だけなんじゃないか』って、ずっと疑っていました(笑)。みなさんがすごすぎて」

――劇団ひとりさんのお芝居に対して、おふたりが笑いをこらえているようなシーンが見受けられましたね(笑)。

文音「笑っていましたよ(笑)。でも、ここで笑ったら自分の役柄的にはおかしい!っていうところもあったので、目の前で行われていることがおもしろくて笑いたかったけど、抑えてはいました」

松村「私もけっこう笑っていたと思います。劇団ひとりさんもそうですけど、犬飼貴丈くんも変なことばっかり言うんです。ほとんどカットされていましたけど(笑)」

――撮影の本番以外はキャスト同士の会話はNGというルールがあったそうですが…。

文音「隔離されていました。それぞれ待機用の車が用意されていて、スタッフさんに監視されているんですよ(笑)。休憩のときに何かを食べるとかもなかったですし…」

松村「お手洗いに行くときも、『今、〇〇さんが行かれているので待ってください』とか…」

文音「キャスト同士がすれ違わないようにとか、本当に徹底されていました」

――特殊な撮影現場ですね。共演者のなかで、「この人は特にどう演じてくるのか予想できない」という意味で、ミステリーだった方は誰ですか?

文音「全員ミステリーでしたよ(笑)」

松村「全員そうですけど、高橋克典さんは絶対台本を持っていたんじゃないかと、いまだに疑っています(笑)」

文音「歌い出したとき、びっくりしたよね?」

松村「びっくりしました!タイミングも完璧だったじゃないですか」

文音「あれはすごかったですね」

――最後に、読者のみなさんに映画の見どころを含めてメッセージをお願いします。

文音「8人のキャストが、役なのか本人なのか、その間を行ったり来たりしていると思うので、そこがこの映画の一番の見どころです」

松村「見どころがたくさんありすぎて、1回観ただけじゃ理解できないと思うので、1回目はサラッと観て、2回目からはそれぞれの登場人物の目線で楽しんでくださいね」

文音「私も2回観ました!」

取材・文=ポッター平井

<ポッター平井・プロフィール>

構成作家・ライター。MBSラジオNMB48のTEPPENラジオ』などを担当。松田聖子さんの“輝き”に魅せられて以来、30年以上アイドルを応援し続けるアイドル・サポーター。

「劇場版マーダー★ミステリー 探偵・班目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血」に出演中の松村沙友理さんと文音さん