ヨーロッパリーグ(EL)・決勝トーナメントプレーオフのセカンドレグが22日に行われ、フライブルク(ドイツ)とRCランスフランス)が対戦した。

 2シーズン連続のELを戦うフライブルクは、グループAをウェストハムに次ぐ2位でフィニッシュ。決勝トーナメントプレーオフでは、21シーズンぶりに参戦したチャンピオンズリーグ(CL)でグループBを3位で終えたRCランスとの対戦が決まった。1週間前にRCランスのホームで行われたファーストレグはスコアレスドローで終了。この試合で再三フライブルクのチャンスを演出していた堂安律は、セカンドレグでもスターティングメンバーに入った。

 フライブルクのホームに移ったセカンドレグも序盤から拮抗した戦いが繰り広げられたが、28分にRCランスがセットプレーで均衡を破る。敵陣中央で得たフリーキックをプジェミスワフ・フランコフスキが右足で放り込むと、フライブルクのGKノア・アトゥボルが飛び出して先に触ったものの、まさかのファンブルセカンドボールに反応したダヴィド・ペレイラ・ダ・コスタが左足で押し込み、ホームチームが一歩前に出た。

 このままRCランスの1点リードで前半も終盤に突入すると、アディショナルタイムには、敵陣右サイドでロングフィードを受けたエリー・ワヒが、うまく体を使ってマヌエル・グルデと入れ替わる。自らボックス内まで持ち運ぶと、GKアトゥボルの位置を見てループシュートを沈め、RCランスが2点をリードして前半を終えた。

 フライブルクとしてはホームで追い込まれた前半だったが、後半に入った67分には、堂安の左足が流れを変える。敵陣左サイドフリーキックを獲得すると、堂安が左足で鋭いボールを供給。ゴール前で混戦が生まれると、セカンドボールをロランド・シャライが蹴り込み、フライブルクが1点を返した。

 この1点をきっかけにフライブルクは試合の流れを引き寄せたものの、決定的な2点目を挙げるには至らない。このままRCランスの1点リードで後半アディショナルタイムに突入したものの、フライブルクは最後まで諦めなかった。ボックス内で浮き球のボールを繋ぐと、シャライからのパスをミハエルグレゴリチュがダイレクト折り返し、最後は堂安が左足でシュート。ここはブロックされたものの、こぼれ球を拾ったシャライが右足を振る。シュートはディフレクションしてゴールに吸い込まれ、土壇場でフライブルクが試合を振り出しに戻した。

 最終的に90分間では決着がつかず、試合は延長戦に突入。後半の勢いそのままに延長戦に入ったフライブルクは、延長前半の99分、GKアトゥボルが右足でロングフィードを蹴り込む。前線で競り勝ったルーカスヘーラーが頭で繋ぐと、グレゴリチュもヘッドでボールを残し、シャライがゴール前へ侵入。ここは相手に寄せられてフィニッシュまで持ち込めなかったものの、ルーズボールを拾ったグレゴリチュがGKブライス・サンバをかわし、無人のゴールに流し込む。フライブルクが遂に試合をひっくり返した。

 試合はこのままタイムアップ。一時は2点差をつけられながらも、怒涛の攻撃で逆転に成功したフライブルクが、2シーズン連続のラウンド16進出を決めた。堂安は120分間フル出場を果たしている。

 なお、EL・ラウンド16の組み合わせ抽選会は現地時間23日に行われる。

【スコア】
フライブルク 3-2 RCランス

【得点者】
0-1 28分 ダヴィド・ペレイラ・ダ・コスタ(RCランス
0-2 45+2分 エリー・ワヒ(RCランス
1-2 67分 ロランド・シャライ(フライブルク)
2-2 90+2分 ロランド・シャライ(フライブルク)
3-2 99分 ミハエルグレゴリチュ(フライブルク)

フライブルクを劇的逆転勝利へ導いたシャライ [写真]=Getty Images