山梨県静岡県にまたがるような形でそびえ立つのが、「富士山」です。両県が富士山の自然や歴史などを後世に引き継ぐ目的で、2月23日を「富士山の日」とそれぞれ条例で定めています。

 ところで、富士山の頂上の住所は、山梨県なのでしょうか。それとも、静岡県なのでしょうか。両県の担当者のほか、毎年、夏の登山シーズンに富士山で「富士山郵便局」を営業している、日本郵便東京都千代田区)の担当者にそれぞれ聞きました。

山頂の県境は未確定

 山梨県に問い合わせると、担当者は「富士山の頂上の県境は決まっていません」と回答。過去に富士山の県境を巡り、山梨県静岡県が対立することがあったようですが、「富士山が2013年に世界文化遺産に登録されたのを機に、2014年、山梨県静岡県の当時の知事が『県境を定めず、富士山の保全に互いに協力していく』などと明言しています」と述べています。

 静岡県の担当者も「富士山の頂上は、県境未定の土地です」と回答したほか、「最高裁1974年富士山の8合目以上の土地について、富士山本宮浅間大社の所有とする判決を出しました」と教えてくれました。

 なお、富士山の山頂にある富士山頂上浅間大社奥宮の敷地内には、富士山郵便局があります。日本郵便によると、この郵便局は1909年7月に「富士山郵便局」として開設され、1949年7月に現在の名前に改称したということです。

 毎年、7月から8月の登山シーズンに営業しており、はがきや手紙を受け付けているほか、登頂証明書などの記念品を販売。毎年、多くの登山者が利用するといいます。

 日本郵政グループの公式サイトでは、富士山郵便局の住所は「静岡県富士宮市粟倉地先」と記載されています。そこで、日本郵便の広報部にこの郵便局の住所が静岡県とされている理由を聞きましたが、「歴史的な経緯は不明です」とのことでした。

オトナンサー編集部

富士山の頂上の住所は山梨県? 静岡県?