3月10日午後3時から、井上貴博TBSアナウンサーとホラン千秋がMCを務める報道特別番組『東日本大震災13年Nスタ つなぐ、つながる
SP ~いのち~』(TBS系)が放送される。
■東北から北陸へ“いのち”を支える恩返し
今年の元日、再び大きな震災が日本を襲った。東日本大震災の際に東北で被災した子供が「かつて助けてくれた人たちへの“恩返し”のために」と、能登半島へ向かった。
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■戦地と被災地・釜石の絆をホランが取材
いまも多くの市民が犠牲となり続けているパレスチナ自治区ガザ。じつはガザでは東日本大震災の翌年から、震災の犠牲者への追悼と復興への願いを込めた“凧揚げ”が子供たちによって行われてきた。その感謝とガザ地区の平和を願い、岩手県釜石市でも2015年以降“お返し”の凧揚げが行われている。
被災地の復興が進む一方、子供たちの願いとは裏腹に、ガザ地区の和平状況は悪化の一途を辿る。凧揚げを通じてガザから勇気をもらった釜石の小中学生たちと、当時中学生だったガザの女性のオンラインでの交流にホランが密着した。画面越しに果たされた、あの日の子供たちの再会。交わされた言葉にホランが感じたこととは。
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■福島の若手漁師が始めた挑戦
福島第一原発の事故から12年が経過した2023年、原発処理水の海洋放出がはじまり、東北の漁業者たちは再び苦境に立たされている。
そんな東北の漁業を未来ある産業にするために“幻のエビ”のブランド化に力を入れ、新たな名物を生み出そうと挑戦する若い漁師と、その姿を見守る小学生の息子を井上が密着取材。
また井上アナは、約10年ぶりに福島第一原発に入り、原発処理水の現状や海洋放出など福島で感じた変化を伝える。
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■教訓を未来へつなぐ
東日本大震災から13年。2度と同じ犠牲、悲しみや苦しみを繰り返さないために、教訓を未来につなごうとする最新の防災研究を追う。東北大学の研究者らは東日本大震災で味わった無力感を糧に、浸水域のシミュレーションや被害予測を地震発生から数分後には可視化できるシステムの開発を目指している。
南海トラフ地震では空からの観測で被害を把握するには数日以上かかると見込まれている中、このシステムによってより迅速な救援活動が可能になる。
また、能登半島地震で注目された予想より早く到達する津波。その原因となった可能性のある海底地滑りによる津波の発生メカニズムを探るため、番組では専門家と大規模な実験を実施。そこで判明した新事実とは。
そして、能登半島地震で多くの犠牲者を生んでしまった建物の倒壊。専門家が指摘した耐震基準の“ある落とし穴”とは…。
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■井上アナ・ホラン両キャスターが出演
東日本大震災から13年となる3月11日当日は、『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』でMC・石井亮次が被災地の宮城県南三陸町を取材したVTRを展開し、『Nスタ』の井上アナ・ホラン両キャスターは福島県内から中継で出演。そして地震発生時刻の午後2時46分には、各地の慰霊の様子を生中継でつなぐ。
また、10日の特番の放送に先立ち、『Nスタ』『news23』『報道特集』『サンデーモーニング』などの各報道番組で、3月4日から1週間にわたって防災や震災に関する様々な企画を放送する「つなぐ、つながる WEEK」が展開される。
■震災にまつわる物語を取材
『Nスタ』では岩手県大槌町の復興を見守ってきた「スバル製サンバー」が“動く震災遺構”として復活を果たす物語、津波と原発事故を乗り越えてついに世界へと羽ばたき始めた“浪江の酒”の蔵元の想い、そして津波で家も船も失った青年が1度は諦めた漁師の夢へ向かって奮闘する日々を取材。
『news23』では次の大地震に備える最新のAI防災技術や、福島の少年が見た能登半島地震などを取材。さらにJNN各局からも、全国各地の防災の取り組みや震災を経験した若い世代の新たな挑戦などを伝えていく。
■「言外に滲む表情や“間”にこそ…」
井上アナからコメントが到着。
井上アナ:今年は元日に能登半島地震が発生。珠洲市や金沢市で取材をさせていただいた際、福島や熊本からいらっしゃった方にも出会いました。災害からの復興は北陸、東北、熊本だけの問題ではなく、日本全体の問題です。
インターネットからの情報だけでは汲み取れない言外に滲む表情や“間”にこそ、心の揺れ動きが表れると取材を通して感じています。その1つ1つを丁寧にお伝えしたい。スタッフ一同そんな想いでいます。
■「心の中を流れるときの尺度は千差万別」
MCを務めるホランからもコメントが。
ホラン:2011年3月11日。突然日常が失われてしまった日から今日まで、カレンダーは皆平等にめくられてきましたが、心の中を流れるときの尺度は千差万別です。
また、東日本大震災が記憶にない若い世代も増えてきました。どんな時代でも、地震はやってくる可能性がどこにでもある。そう胸に刻みながら、被災者の皆さまから大切にお預かりした言葉や思いを、多くの皆さまに繋げられるような番組にしたいと思っています。
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