かつてイングランドプレミアリーグエヴァートンでもプレーした元中国代表監督のリー・ティエ(李鉄)氏に、裁判で終身刑が言い渡されたという。

先日から大きな話題となっている中国サッカー界の汚職事件。その中心で動いていたとされる人物の1人が李鉄氏だった。

2011年に現役引退したあと、広州恒大や中国代表、河北華夏幸福、武漢卓爾でアシスタントコーチや監督を務めた李鉄氏。2022年に「重大な違反行為の恐れがある」として当局から捜査を受け、昨年8月に逮捕された。

彼は2015年から2部の河北華夏幸福でアシスタントコーチから監督に昇格した際、残りの9試合で8勝をあげるという素晴らしい成績を残して1部に昇格したものの、それはクラブが巨額の資金を投じての買収工作による結果であった。

それをきっかけに賄賂や買収に依存するようになった李鉄氏は、武漢卓爾で監督、ジェネラルマネージャー、スポーツディレクターを兼任して権限を独占し、汚職に手を染めていったそうだ。

クラブから1200万元(およそ2億5000万円)の年俸を受け取りつつ、多くの試合で相手の選手や審判を買収し、2部から1部への昇格に成功している。

さらに2019年に中国代表監督に就任した際にも中国サッカー協会の会長であった陳雪源氏に200万元(およそ4000万円)を支払い、事務局長の劉毅氏に100万元(およそ2000万円)を支払い、そのポストを手にしたという。

そして武漢卓爾の親会社である卓爾グループと6000万元(およそ12億円)の契約を結び、チームの若手選手を優先的に代表へと招集していたとされている。

『微博』に掲載された記事によれば、今回の予備裁判において李鉄氏にはなんと終身刑(無期懲役)が言い渡されたとのこと。

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しかしながら、李鉄氏とその弁護団はその判決に不服を申し立てており、控訴審に臨む意向を示しているという。

なお、陳雪源(元中国サッカー協会会長)は立場を利用して8000万元(およそ17億円)以上を訃報に受け取ったとされており、15年間の懲役刑が言い渡されたとのこと。

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