2024年1~3月に放送中の冬エンタメは、男女間の激しい愛憎劇をテーマにした作品が集まっており、見る者をドキドキさせ、かつ、その激しさでゾクゾクさせている。今回は、不倫やだまし合いで本性を露わにし相手を翻弄させている“悪女”や“小悪魔”たちの活躍にスポットを当て、話題の作品を紹介していく。自分に正直で、欲望を貫くために容赦ない行動と表情で魅了していく彼女たちはどこか潔い。他人に気遣ってばかりでお疲れな現代人は、“悪女”の大胆さから学ぶところもあるのでは。

【写真】恋の相手がお金目当ての“マネーキャッチャー”かもしれない「LOVE CATCHER Japan」に出演した男女10名

■「離婚しない男」篠田麻里子演じる“悪嫁”がコミカルエロスで絶好調

伊藤淳史主演のドラマ「離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―」(毎週土曜夜11:30-0:00、テレビ朝日系)ではサブタイトルにも入っている“悪嫁(およめ)”が暴走中だ。

大竹玲二による人気漫画「離婚しない男」(講談社ヤングマガジンKC)を原作に、鈴木おさむが脚本を担当。妻の不倫に気付かぬ振りをしながら不倫の証拠を日々収集し、父親が親権を獲得するという困難な壁に立ち向かう男の姿を描くリコン・ブラックコメディー。不倫されてしまう“サレ夫”が大手新聞社の社会部エース記者・岡谷渉(伊藤)で、渉の妻が綾香(篠田麻里子)である。

綾香の“悪嫁”ぶりがすごい。一人娘の心寧(磯村アメリ)を有名子役にさせようと熱心にステージママをしている綾香は、かつてはアイドルとして活動していた美ぼうの持ち主。心寧の所属する大手芸能事務所の統括マネージャー・マサト小池徹平)と不倫関係にあり、渉に愛の裏切りを繰り返していく。

篠田の大胆で振り切った演技がSNSでも話題沸騰。綾香は鈴付きの首輪を着けて今やマサトの忠犬状態であるゆえ、その濃厚なラブシーンは「地上波OKなの?」「ツッコミどころ満載で忙しい」と視聴者から心配の声が挙がるほど。ABEMA・TVerをはじめとする第1話の見逃し配信は、テレビ朝日歴代全番組で最速の、26日間で680万再生を突破し、第1~4話再生数合計は1700万再生超えを記録している。2月17日放送の第5話で綾香はマサトに「お仕置き」と称して下着を脱がされ、商店街へと買い物へ行かされていた。渉の複雑な思いとは裏腹に綾香のプレイは今後もヒートアップしていくだろう。

■「恋愛はゲーム」と言い切る“あざとさ”MAXのみさきが圧勝「LOVE CATCHER Japan」

自分の"正体"を隠して恋愛ゲームに参加した男女10人が、最後に「愛」か「金」のどちらを手にするのかを予想しながら楽しむのが恋愛エンターテイメントショー「LOVE CATCHER Japan」(ABEMAにて全話配信中)。1月27日に最終回を迎えた後も、ABEMA内の恋愛番組ランキングに入り続けており、その人気ぶりが伺える。

視聴者は、参加者が真実の愛を探しに来た“ラブキャッチャー”なのか、賞金500万円を獲得すべくラブキャッチャーのフリをして相手を誘惑する“マネーキャッチャー”か観察しながら、恋愛の行方を見守っていく。

この恋愛ゲーム中に、小悪魔のような雰囲気で男性をトリコにしていったのがSサイズモデルのみさき。番組開始当初から「好きの一撃より100のあざとさ」「恋愛は人生のスパイスであり、ゲーム」と言い切って自信を見せていたが、駆け引きの展開に合わせて涙を自由に流せたり、みさきと恋を繰り広げていたともきの手を車の後部座席でサラッと繋ぐなど拍手モノの恋愛テクニックを見せた。

男女の顔合わせが済み、夜に行われた飲み会で、テキーラで盛り上げようとしたかいせいの軽いノリが女性陣たちに大不評となったことがあった。しかし、放送後に配信された旅のウラ側をぶっちゃける座談会「NGなし!旅の裏側大暴露スペシャル」(ABEMAにて配信中)にてみさきが「実はテキーラ持ってきたのは私」と暴露。かいせいパリピという印象付けをしたのはみさきだったことが明かされ、さらに視聴者を震え上がらせた。

■復讐に燃える妻が恐ろしい「夫を社会的に抹殺する5つの方法 Season2」

「夫を社会的に抹殺する5つの方法 Season2」(毎週火曜夜0:30、テレ東系)は、主人公・美咲(高梨臨)の夫への復讐心が容赦ない。

専業主婦の美咲は、敏腕マンガ編集者の夫・透(柳俊太郎)と重度の小麦アレルギーを抱えた息子・優斗の3人で幸せに暮らしていたが、ある事故を機に幸せが崩壊。透の不倫が原因で愛する息子を失った美咲は復讐という修羅の道を選んでいくというストーリー。

透への憎しみは悲しみから生まれているため、美咲は根っからの“悪女”というわけではない。ただ、夫の「肉体ではなく心を殺そう」と動き、夫に生き地獄を味合わせるためにと動く美咲の静かなる復讐は何よりも怖いだろう。

今作は2023年1月期に放送され、2024年2月24日(土)よりNetflixで配信開始される第1弾が好調だった。メインキャストは馬場ふみか野村周平で、見逃し配信の再生数(1週間)が全話100万回(※ビデオリサーチ社調べ)を超え、放送時、テレ東の番組エピソード別再生数が歴代TOP10に6本ランクインするなど、配信を中心に話題を集めた。前作の脚本・監督を務めた上村奈帆をはじめ、Season1のスタッフが再集結し、別の家庭の別の夫に対する“社会的な復讐”を描いている。

■登場人物全員が裏の顔を持つ「夫婦の秘密」がドロドロ展開で話題

臼田あさ美主演の木曜ドラマ23「夫婦の秘密」(毎週木曜夜11:00-11:54、BS-TBSTVerNetflixにて配信) は、登場人物全員が裏の顔を持つ欺瞞(ぎまん)に満ちた”愛憎・闇堕ち“ミステリー。予想できないストーリー展開が反響を呼び、第1話の見逃し配信の再生回数は、BS-TBSのコンテンツとして初の150万回超えを記録した。

花屋「リリアス」を経営する穂花(臼田)と夫・雅道(豊田裕大)と幸せな生活を送っていたが、宛名のない一通の手紙をきっかけに夫婦の秘密が次第に暴かれていく。「あなたの夫の秘密を知っています」と書かれた手紙を見て穂花は近所のカフェで働く友人の翠(剛力彩芽)に相談。雅道の浮気を疑う穂花はアルバイトの朱音(桃月なしこ)がヒソヒソ話す姿を見て様々なことが信じられなくなっていく。

ドラマ「サワコ~それは果てなき復讐」を手掛けた武井彩、蓼内健太によるオリジナル脚本で、人間同士が疑い合う怖さを描いている。愛する者の裏の顔や友人と思っていた人物の裏切り等、本当の“悪”はすぐ近くにいるのかもしれないと思わせるスリリングな作品だ。

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