新たな階級で真価を発揮した中谷。その強さには海外の識者たちも驚きを隠さなかった。(C)Getty Images
新たに臨んだ階級でも、特大の可能性を存分に見せつけた。
2月24日に東京・両国国技館で行われたWBC世界バンタム級タイトルマッチで、挑戦者で同級1位の中谷潤人（M・T）が、王者のアレハンドロ・サンティアゴ（メキシコ）に6回TKO勝ち。日本男子7人目の世界3階級制覇を達成した。
【画像】「倒れない男」が倒れた瞬間！中谷潤人のKOを収めた決定的写真
相手はプロキャリアでダウン経験すらなかった強敵。しかし、26歳の“チャレンジャー”は「想像以上だった」（元WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太談）。13センチも低く、リーチ差もある王者サンティアゴを苦にせず、序盤から右ジャブから左ストレートを顔面に打ち込んだ中谷はクレバーに試合を進めると、6回に勝負を決めた。左ストレートで1度目のダウンを奪取すると、再開直後に猛ラッシュ。怒涛の連打でふたたびリングに沈めた。
相手を一切寄せ付けなかったパーフェクトゲーム。減量苦に悩まされたスーパーフライ級時代からの変化を見せつけた中谷の圧倒的な強さには、海外の識者たちからも賛辞が集まっている。
国内で最大級のネットワークを誇る米スポーツ専門局『ESPN』のマイク・コッピンジャー記者は自身のX（旧ツイッター）で「ナカタニがまたも熱狂的なパフォーマンスを披露した」と絶賛。「バンタム級でナカタニに勝てる選手はいないだろう」と断言した。
さらに英スポーツ専門ラジオ局『talk SPORT』のマイケル・ベンソン記者も「偉大」や「お見事」を意味する「Magnificent」という言葉を用いて「ナカタニは26歳で3階級王者となった」と称えた。
また、米ボクシング専門サイト『Boxing Scene』によれば、この試合の解説を務めていた元WBO世界スーパーライト級王者のクリス・アルギエリは「サンティアゴは迷っていた」と指摘。そして「ナカタニはとても優れていて、特別だ。この試合もほとんど完璧だった」と褒めちぎった。
バンタム級でさっそく異能ぶりを示した中谷。WBA王者の井上拓真（大橋）ら猛者がひしめく同階級で、いかなる戦いぶりを見せるかに興味は尽きない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
コメント