ゲラのピッチング内容に佐藤氏も満足していた(C)産経新聞社

 昨季、日本一に登り詰めた阪神は、シーズンを通して盤石のリリーフ陣が躍進の原動力となった。岩貞祐太鍛冶屋蓮、島本浩也などのセットアッパーが試合中盤でマウンドに登り、最多セーブタイトルを獲得した岩崎優が締め括るというパターンを確立。クローザーとして期待されながらも、不振が続いた湯浅京己の穴を感じさせないほど、それぞれのパフォーマンスが光った。

【動画】2024 阪神春季キャンプレポート

 そして今オフ、阪神に新外国人として加わったハビー・ゲラも救援陣を支える存在として期待が寄せられている。メジャーではパドレス、ブリュワーズ、レイズプレーし、昨年はパナマ代表としてWBCにも出場した。

 現時点で唯一となる今季の新助っ人は、メジャーリーガーとなってから打者から投手へ転向するという異色の経歴の持ち主。それでも剛速球が武器と伝えられており、新戦力の中でも注目を集める1人だ。さらに、その他のスキルも高いレベルで持ち合わせていると語る、球界OBの声もあるようだ。

 現役時、通算165勝を記録し、指導者として阪神や楽天、日本ハムなどで数多くの投手を育て日本一の投手コーチと称された佐藤義則氏が、自身のYouTubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』の中で、助っ人右腕の印象を語っている。

 2月22日に配信となった「2024 阪神春季キャンプレポート」において、佐藤氏は「(実際に球を受けた)ブルペンキャッチャーから話を聞いた」と前置きしながら、ゲラのピッチングについて、「この時期で155キロが出ており、変化球でのストライク、ボールを使い分けがブルペンで出来ていた。投げる面での賢さがすごいあると、みんなが感心していた」と振り返っている。

 また、「去年なんかは獲っても活躍できなかったピッチャーがいっぱいいた」と苦笑いを浮かべながら、「(ゲラは)キャンプ初日から、しっかり投げられている」とコメント。さらに「四球で自滅するような感じでは無く、バランスも良い」と指摘しながら、「もともと野手だったんでテイクバックが小さい。それでも、腕の振り以上にボールが来る」と評している。

 佐藤氏は「スピードガンで『157』の表示が何度か出た」と球速も強調し、その一方で「変化球のコントロールも良く、それでストライクがとれるというプラスアルファが大きい。真っすぐよりも(変化球が)安定している」として、全体的な投球スタイルにポジティブな言葉を並べた。

 また、リリーフでの期待が大きいゲラの起用法については、「(クローザーは)岩崎で行くと思うんだけど、年々、年を重ねてきている」などと述べるなど、守護神としての役割もあると示唆している。

 佐藤氏によるゲラに対する、スピードや変化球、コントロールとそれぞれのクオリティを絶賛する言葉は、ファンの胸を高鳴らせるに十分だろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「投げる面での賢さがすごい」阪神新助っ人のゲラを”日本一の投手コーチ”が絶賛!速球に加え変化球やコントロールの質も強調「バランスも良い」