2024明治安田J1リーグ第1節が25日に行われ、東京ヴェルディ横浜F・マリノスが対戦し、後半アディショナルタイムの松原健による劇的逆転弾で横浜FMが2-1で勝利した。

 試合後、横浜FMを率いるハリーキューウェル監督は、「簡単な試合にはならないだろうと思っていた」と話し、21日に120分を戦った末に勝利したAFCチャンピオンズリーグバンコク・ユナイテッド戦から中3日、さらには昇格組で勢いを持った相手のホームゲームということもあって、「自分たちのやりたいサッカーをあまり見せられず、正直ベストの状態ではなかった」と、特に前半は東京Vにいい形を作られ続けた試合を振り返りつつ、「選手の姿勢、最後まであきらめないことに感銘を受け、結果をしっかり残してくれた」と、選手たちを称えた。

 この試合では喜田拓也をアンカー、渡辺皓太と山根陸をインサイドハーフに置く4-3-3で試合に入ったが、相手の圧力にペースをつかめず、30分過ぎには喜田と渡辺のダブルボランチ、後半に入ってからも選手交代を交えて最後は4-2-4のような形で勝利をもぎ取った。「前半は自分たちで難しい状況にしてしまった。ほんの少しの変化をつけたが、大きくは変わらなかった」としつつ、「交代した選手たちが違いを見せてくれた。交代選手へもチームへの底上げを求めている。ヤン(マテウス)、宮市(亮)が入り、パワーや前方向への姿勢が増え、チャンスも増えた。自分たちがやりたいことをやった中で結果、勝利につながった」と、時間の経過とともに出力を上げることができたと話した。

 今季から横浜FM指揮官に就任したキューウェル監督。「友人」と語るアンジェ・ポステコグルー(現トッテナム監督)、ケヴィン・マスカット(現上海海港監督)から引き継いで、Jリーグ初戦を勝利で飾った。「日本行きが決まった時、アンジェJリーグにいた時のことを話してくれた。彼は勝つのが簡単ではなく、タフで、フィジカル的にも難しいリーグと言っていた。そして何よりも素晴らしい選手がそろっているとも言っていた。ケヴィンも同じように本当に難しいリーグだと言っていた。一方で情熱のあるリーグとも言っていたし、ファン・サポーターがサッカーには必要で、どれだけの方が来てくれて、応援しているチームに後押ししてくれているか。その雰囲気や情熱は素晴らしいと自分も感じていたし、大事な要素だと思っている」と、改めて日本サッカーの良さ、難しさ、情熱に言及。「タフな試合が毎試合続くし、どんな試合でも良い準備をして臨まないといけない。気を抜けば足元をすくわれる。しっかり準備して、一試合一試合タフな試合があるが、やっていきたい」と、初戦の勝利にも気を引き締め、次戦へと目を向けている。

【動画】松原健の鮮やかな劇的逆転弾

東京ヴェルディとの開幕戦で逆転勝利を飾った横浜F・マリノス [写真]=兼子愼一郎