人気がゆえの悩み「トヨタ車の納期遅延」がいよいよ解消へ! 一方「受注停止車種」が多数存在する理由とは?

この記事をまとめると

■2024年に入り、2023年の事業年度締めに伴う決算セールが活発化してきた

■最近のトヨタでは新規受注停止となっているモデルが多い

■納期遅延は解消されつつあり、改良などのタイミングを伴い納車が早まってきている

トヨタの納期遅延が解消しつつあるが……

 2024年に入り、いよいよ2023事業年度締め(2023年4月~2024年3月)での、事業年度末決算セールが本格化しようとしている。2022年がとくにひどかったとされる半導体不足などによる納期遅延。とはいってもコロナ禍前より、一部の新車については納車までに時間がかかる傾向が目立っており、年明け直後の1月が事業年度末決算セールがメインとして展開されるようにもなってきていた。

 そこで事情通に2024年の年明け直後の様子を聞くと、「納期遅延は一部車種を除けば解消に向かっているようです。人気車も多く納期遅延車種の多かったトヨタでも、人気車の納期が際立って短くなっていたのですが……、じつはいまは納期遅延ではなく『新規受注停止』車両が多く、販売現場では『売るクルマがない』とか、『開店休業状態だ』といった声をよく聞くようになりました」と話してくれた。

それでも喜べない裏には「新規受注停止」があった

 筆者が情報を探ると、本稿執筆時点で全グレードが新規受注停止になっているモデルは、カローラシリーズ(カローラクロスを除く全車[アクシオとフィールダー含む])、アクア、ルーミー、シエンタアルファードヴェルファイア、ライズ、ランドクルーザー70、ランドクルーザー(300)、プロボックスタウンエースバン、タウンエーストラック、コースターピクシスシリーズ(エポック、バン、トラック)などとなっている(一部車種はKINTO[トヨタの個人向けカーリース]を利用すれば手に入れることができるようだ)。

それでも喜べない裏には「新規受注停止」があった

 それでは、現状でかかる納期は別として、発注可能な車種を調べてみると、ヤリスプリウスクラウンセダン燃料電池車)、ミライ、グランエース、ハイエースワゴン、ヤリスクロス、カローラクロス、RAV4ハイブリッド車プラグインハイブリッド車)、ハリアークラウンクロスオーバー(2.5リッター車)、ハイラックス、bZ4X、GR86GRスープラなどとなっている。

それでも喜べない裏には「新規受注停止」があった

 前述した「売るクルマがない」とか、「開店休業状態」といった販売現場の反応は少々話を盛っているようにも思える。ルーミーやライズはダイハツからのOEM(相手先ブランド)供給モデルとなるので、ダイハツの認証不正問題が影響したものなのでトヨタ側ではどうしようもない話となる。

 カローラクロスを除くカローラシリーズでは改良を控え、改良実施日から逆算してバックオーダー消化のため現行モデルの新規受注停止を早めているとのこと。

それでも喜べない裏には「新規受注停止」があった

納期遅延はようやく解消しつつある

 本稿執筆時点ではガソリン車(FF)のみオーダー可能だったノア&ヴォクシーも、今年秋に改良を控え、すでにバックオーダー消化のため、ハイブリッド車4WDは新規受注停止となっているので、間もなくガソリン(FF)も新規受注停止になるだろうとの情報も入っている。このように早めに新規受注停止になるのも、今後の納期改善のためには致し方ないことなのかもしれない。

それでも喜べない裏には「新規受注停止」があった

 また、アルファードヴェルファイアは新型となっても高い人気が続いており、このようなモデルではオーダーが殺到することでの納期遅延ははるか以前から新車販売の世界では起きており、深刻な納期遅延を発生させないための「調整手段」として新規受注停止を行う一方で、KINTOを利用すれば手に入るものとしているようである。

それでも喜べない裏には「新規受注停止」があった

 すでに、一時納車時期が2026年に入るのではないかとされていたプリウスは、2リッターハイブリッド車については、本稿執筆時点で発注しても早ければ2024年秋ぐらいには納車される予定で、1.8リッターハイブリッド車では、早ければ2024年7月には納車予定となっていた。プラグインハイブリッド車にいたっては、2024年のゴールデンウィーク明けには納車予定となっており、納期が大幅改善されている。

それでも喜べない裏には「新規受注停止」があった

 2023年10月に改良を行ったハリアーも、現行モデルデビュー以来、人気グレードを中心に納期がかかる状況が続いていたが、改良後は人気の高いハイブリッドZやZレザーパッケージのほうがほかのグレードより納期が早めとなっており、2024年7月以降には納車予定で、かなり納期が改善されている。

それでも喜べない裏には「新規受注停止」があった

 クラウンクロスオーバーも、2.4リッター車は新規受注停止となっているが、2.5リッター車ならば2024年5月以降が納車予定となっているようである。2023年10月に改良を行ったカローラクロスも改良前は深刻な納期遅延や新規受注停止が目立っていたが、改良後は人気のハイブリッド車では、E-four(4WD)で2024年9月以降が納車予定となっており、以前よりは状況は改善されている。

それでも喜べない裏には「新規受注停止」があった

 極端に人気の高いアルファードヴェルファイアや、供給台数が少ないが人気の高いランドクルーザー70などの一部車種を除けば、改良を実施さえすれば納期改善が期待できるので、繰り返して述べるが、現状の新規受注停止はその過渡期にあるともいえるのだ。

それでも喜べない裏には「新規受注停止」があった

 ただ、その過渡期が事業年度末決算セールとかぶってしまったので、販売現場では思い切り販売促進活動ができないことにストレスが溜まっているようなのである。

それでも喜べない裏には「新規受注停止」があった

人気がゆえの悩み「トヨタ車の納期遅延」がいよいよ解消へ! 一方「受注停止車種」が多数存在する理由とは?