災害時に中の飲料が取り出し可能な「災害支援型自販機」などと呼ばれる自販機が、学校や企業などに設置されています。こうした自販機は「災害救援ベンダー」「緊急時飲料提供ベンダー」などと表示されているのが特徴です。

 一方、報道によると、1月1日に発生した能登半島地震の被災地では、飲料確保のために、災害支援型自販機が破壊された事例が発生したということで、このタイプの自販機の機能や使い方に注目が集まっています。災害支援型自販機には、どのような機能があるのでしょうか。清涼飲料水などを販売する、ダイドードリンコ大阪市北区)コーポレートコミュニケーション部の担当者に聞きました。

災害時にインフラとして機能

Q.「災害救援ベンダー」と記載された、災害支援型自販機の主な機能や役割について、教えてください。

担当者「当社の災害救援ベンダー(災害救援自販機)は、バッテリー機能などを搭載しており、災害などで停電になった際に、人的操作で自販機内の商品を取り出すことができるのが特徴です。災害の発生によりライフラインが寸断されてしまった際に、ライフラインが復旧するまでの間や支援物資が届くまでの間、災害救援ベンダーは、一時的に飲料を提供するインフラとしての役割を果たします。

当社の災害救援ベンダーの設置台数は約1万1000台で、主に役場などの公共施設のほか、学校や企業などに設置されています。通常時は一般的な自販機と同様、飲料を販売しています」

Q.災害時に「災害救援ベンダー」の飲料を取り出すには、どうしたらよいのでしょうか。

担当者「災害救援ベンダーは、『充電式』『ハンドル充電式』『ワイヤ式』の3種類で、充電式が主流となっています。いずれのタイプも、自販機のオーナーさまが管理している専用の鍵を使うことで、内部の飲料を取り出すことが可能です。飲料を取り出す方法は次の通りです」

■充電式
自販機に蓄電バッテリーを搭載したタイプ。停電時に専用の鍵で非常用電源に切り替えることで、庫内の商品を取り出すことができます。自販機の大きさによって異なりますが、停電後48時間以内であれば、最大で約500本の商品を取り出し可能です。

■ハンドル充電式
自販機に充電用ハンドルを内蔵したタイプ。停電時は専用の鍵で充電用ハンドルのカバーを開けた後、ハンドルを回して発電すれば、庫内の商品を取り出すことができます。このタイプの自販機は、携帯電話やラジオなどの非常用電源としてもご利用いただけます。

■ワイヤ式
自販機内にワイヤが付属されているタイプ。停電時に専用の鍵で扉を開け、内部のワイヤを引っ張ることで、庫内の商品を取り出すことができます。

オトナンサー編集部

災害支援型自販機とは?