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 高齢化の波は犯罪にも及んでいるようだ。イタリアで、60代と70代の高齢者による武装強盗団のニュースが伝えられた。

 この6人組の武装集団の最高年齢は77歳で、ローマの複数の郵便局で銃を突き付けて現金を強奪した罪で逮捕された。

【画像】 高齢者6人組の武装強盗集団

 去年5月、イタリアローマで、前科持ちの60代と70代の高齢者6人組が複数の郵便局を襲撃する事件が発生した。

 6人組のうちの3人はマスク、帽子、サングラスを着用し、郵便局職員に銃を突きつけ、19万5000ユーロ(約3200万円)を強奪して逃げ去った。

 ギャング集団とみられるグループについて調査を開始した捜査当局は、彼らが少なくともあと2件の強盗を計画していたことを知ったが、いずれも様々な要因により最終的には中止された。

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 イタリア紙『ラ・レプブリカ』によると、去年8月30日郵便局を襲う予定だった一味は、警備員がATMに少額の金しか装填していないことに気づき、潜在的な報酬がリスクに見合わなくなったことから襲撃を中止したという。

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 そして9月6日、狙いを定めていた装甲トラックが襲撃を予定していたローマ郵便局に到着しないという不運に見舞われ、またしても強盗は取りやめとなった。

 さらには、一味の66歳の鍵職人が失禁の問題を抱えていて前立腺の手術を受ける必要があったため、別の武装強盗も中止を余儀なくされた。

 11月6日、カルプルニオ・ピゾーネ通りの郵便局に強盗に入ろうとしたとき、警察の監視下にあることに気づかなかった6人組はついに捕まった。

 この日もいつものように一味のレンガ職人たちが壁に穴を開けベニヤ板で隠した。

 こうして3人の強盗犯が郵便局に侵入したが、15万2000ユーロ(約2500万円)を奪って逃走しようとしたところで、警察に逮捕されたのだった。

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下は51歳から上は77歳までの前科者集団

 イタリアの検察当局は、彼らがローマ郵便局を専門に狙う冷酷な武装強盗団のリーダーだったと主張している。

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 「ドイツ人」というニックネームを持つ70歳のイタロ・デ・ウィット、68歳のサンドロ・バルッツォ、77歳のラニエロ・プラは、一見して犯罪とは無縁の無害なおじいちゃんのように見えたそうだ。

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 しかし、一味は非常に明確な犯罪役割を担っていて、3人の老紳士(に見える強盗犯)を頂点に、さまざまな錠前を破る66歳の鍵職人、一味が郵便局に侵入する「穴」を扱う51歳と56歳の2人のレンガ職人という専門職で構成されていた。

 メンバー全員に犯罪歴があり、特にリーダーたちには1970年代までさかのぼる複数の前科があった。

 デ・ウィットの最初の逮捕は1971年で、その後、何十件もの犯罪が記録されていたという。

 過去に犯した行為を顧みることなく、どうやら彼らは同じ道を歩き続けていたようだ。

 検察は捜査の過程で、デ・ウィット、プーラ、バルッツォの3人の高齢リーダーたちは、犯罪歴が多いせいか警察の古い知り合いであり、警察が盗聴している可能性を疑って電話では互いにほとんど話していなかったことを知った。

 その代わり、彼らはよく無名のバーに集まって次の作戦の計画を練っていたそうだ。

 まるで映画のような事件だ。だが、どのストーリーにも終わりがある。

 最終的に6人は武装強盗容疑で逮捕され、短い裁判の後、3人のリーダーには4年の禁固刑が言い渡されたということだ。

References:Gang of Senior Armed Robbers in Their 60s and 70s Arrested in Italy/ written by Scarlet / edited by parumo

 
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イタリアで高齢者6人の武装集団が郵便局を襲撃するという仰天ニュース