K-POP第2世代ボーイズグループ・SHINeeのコンサート「SHINee WORLD VI [PERFECT ILLUMINATION] JAPAN FINAL LIVE in TOKYO DOME」が、2月24日、25日の2日間に渡って開催された。

【写真】曲調に合わせて色が変わっていく照明とペンライトの光が美しかったSHINeeのコンサート

■6年ぶりの東京ドーム

彼らにとって、東京ドームでの公演は6年ぶり。軍白期(兵役で活動を中断している期間)を経て、昨年秋に行った全国4ヶ所のツアーのファイナルとなる公演で、「東京ドーム」という会場は、メンバーにとってもファンにとっても特別。全国から駆け付けた超満員のファンは、開演前から流れるSHINeeの曲に合わせてペンライトを振り、会場が高揚感で満たされていた。

そして遂に開幕。純白に金の刺繍が入ったスーツで登場した3人は、「Clue」のイントロの「SHINee is back!」の声に合わせてのコール&レスポンスで盛り上げ、会場の温度は既に沸点超え。そして、ファンの「イ・テミン!イ・ジンギ!キム・ジョンヒョン!キム・キボム!チェ・ミノ!」とメンバーの名前を順番に呼ぶ掛け声が沸き起こる。

「Clue」から「Sherlock(JPN VER.)」に曲が移り、歌い終えた後、KEYが「みんな、もっともっと盛り上げてー!」と叫び、「Picasso」のイントロが。昨年秋のツアーでは披露しなかった楽曲で、会場から歓喜の声が上がった。そして、「Stranger」「君のせいで」「Get The Treasure」と、今ツアー初の楽曲が続き、今日の公演はやはり特別なのだと実感。そして、全員が30歳を超えた現在もアイドルとしてのキラキラ感を保ったまま、成熟したオトナの男性の一面も加わり、ドキドキが止まらない。

■「今日は最高の日曜日になると思います!」

ムービングステージで会場中央へ移動した3人は、スタンドマイクで「Dream Girl(JPN VER.)」を歌った後、MCに。「東京ドーム!」と何度も呼びかけた後、「SHINeeただいまー!」と叫ぶと、会場から大きな「おかえりー!」の声。1人ずつ挨拶した後、WOWOWの生中継で楽しんでいるファンにも語りかける気遣いを見せた。

ドーム公演に合わせて、セットリストや曲のアレンジ、ダンスも変更した事をKEYが説明していると、いきなりテミンが仕切り始め、KEYに「吉本から来たテミンです」とツッコまれる一幕も。久々に披露した「Picasso」は、懐かしさでいっぱいになりながら練習していたが、[90%振付を忘れていた]とKEYが告白。すると、ミンホは「僕は99%…」と言って笑わせる。懐かしい思い出話で盛り上がった後、KEYが「アリーナツアーとは何が変わったか、楽しみにして」と、この後のパフォーマンスに期待を高める。続けてテミンが「今日は最高の日曜日になると思います!」と力強く宣言し、「Like it」へ。

そして大きな掛け声の中、「Good Evening(JPN VER.)」を。宇宙を思わせるCGのLEDをバックに「キミを迎えに行く」と歌う姿は、彼らが“SHINee World”に連れていってくれるようで、幸せな気持ちになった。

■筋肉美を見せつけたハードゾーン

ダンサーのパフォーマンスを挟み、先程までの王子感溢れたスーツから一転、ハードなイメージの衣装にチェンジして登場し、ロックアレンジの「HARD」を。曲中、テミンがクロップド丈のトップスをめくって6packが露わになると、会場は「ギャーッ!」と大騒ぎ。負けじとミンホも「Body Rhythm」でジャケットを脱いでノースリーブになり、鍛えられた体を見せつけてファンを沸かせる。続く「JUICE」でもテミンは何度も6packを見せ、セクシー爆発。KEYは曲のエンディングでウインクをして、ファンを喜ばせた。

■テミンの天然炸裂MC

2度目のMCでは、スタンド席にも「楽しんでますか!?」と声をかけ、「僕らも最高の日曜になってます」と、心から楽しそうな笑顔を見せた3人。KEYがここまでのセットリストを紹介した後、テミンが同じ説明を繰り返し、「アレ?ボクが言ったけど?」とKEYにツッコまれて会場も大笑い。そして、今回、早めに来日して行ったリハーサルのエピソードを振られたのに、1日あった休日にミンホと買い物に行った話を始めて、更に天然炸裂。“愛されマンネ(末っ子)”ぶりを発揮していた。ちなみに、テミンはミンホに靴を買ってもらったんだそう。

話が盛り上がり10分以上MCが続いた後、ミンホが「そろそろもうコンサートしましょうか!」と締めくくり、「ボクたちSHINeeの一番パワフルな曲です」と紹介して「Everybody」を。ここからはヒット曲連発ゾーンで、ボルテージは最高潮に。続く「Lucifer」では、ジョンヒョンの見せ場とも言えるハイトーンのロングブレスのパートをテミンが見事にこなし、どよめきを伴った大歓声が上がった。そして、ムービングステージでバックステージに移動して「View」。「Dazzling Girl」では、上手にKEY、下手にミンホとテミンと別れてトロッコに乗り、1人でも多くのファンとコミュニケーションを取ろうと目を合わせてハンドサインを返しながらメインステージまで移動した。

■ロマンティックに歌い、MCで笑わせる

彼らが去ったステージでは、「1 of 1」に合わせてシルエットの5人が踊る映像が。今日この場にジョンヒョンとオニュは居ないけど「SHINeeは5人」という当たり前の事に改めて気付かされ、胸が熱くなった。

VTRが終わり、大きな拍手が起きる中、3度目の衣装チェンジをした彼らが現れ、「Replay(JPN VER.)」を。ロマンティックに3曲を歌った後、「Your Number」の最後のKEYの「Hey,Can you get your number?」というセリフをテミンが言ってみる事に。「ちょっと!携帯番号、ちょーだい!」とカッコつけて言った後、「ダメ?何で?…あっそうか…わかった…」とフラれる一人芝居で笑わせた。そして、ミンホも挑戦。流ちょうな英語の発音でシブめにキメて、ファンは大歓喜!だが、本家のKEYは「3.5(点)。フツー…」と厳しい評価だった。

他にも、ミンホとKEYがLE SSERAFIMのダンスをしたり、ミンホが「反対側」と言うところを「へんたい側」と言い間違えて大笑いになった後、テミンが「SHINeeも好きで、皆さんも好きな曲だと思います」と「Keeping Love Again」を。コンサートは終盤に向かっていく。

「Fire」で、再びムービングステージに乗ってバックステージに行った後、会場中のペンライトが白になり、まるでダイヤモンドの海のような雰囲気の中で「Diamond Sky」を。そして、客席に“LOVE”の文字が浮かび上がる中での「LOVE」。会場が感動に包まれて本編が終了した。

■感動の連続のアンコール

アンコールを待つファンは「君がいる世界」の大合唱SHINeeの登場を待つ。客席を映すLEDにファンの1人が掲げていた「5HINee is Forever」という“S”を“5”にしたボードが大写しになり、歓声と大きな拍手が沸き起こった。そして、「SHINee!」「Fuh Fuh!」という彼らのコンサートでおなじみの掛け合いがしばらく続いた後、下手にトロッコに乗った3人が登場。アンコール1曲目は、コンサートでは初披露となる「Super Star」。客席にサイン入りの円盤を投げたりファンサービスをしながら、バックステージへ。

続く「Runaway」では、ジョンヒョンの歌う時のクセをマネしながらミンホが歌い、それを見てKEYとテミンが微笑む。こちらも、シンクロ率に笑うと同時に、彼らは哀しみから一歩前に進めたんだな、と胸がいっぱいになった。

「The Feeling」で再びトロッコに乗り、今度は上手から移動。曲に合わせて楽しそうに踊るミンホに合わせてテミンも踊る。メインステージに戻った3人は、アンコール前にファンが歌ってくれた「君がいる世界」に感謝して歌い出す。すると、またファンも大合唱。この曲は、今回のツアーで歌いたかったのだが他に歌いたい曲が多くて、残念ながら漏れてしまったんだそう。

「もっと近づいて話しましょう」と、ムービングステージで会場の後ろまで移動した3人。今回、彼らは何度もセンターステージやバックステージにやって来た。遠くの席でも寂しい想いをさせないように気遣ってくれる優しさが嬉しい。

SHINeeは昔も今もこれからも「5人」

そして、何年も歌ってなかったが、SHINeeにとって思い出と特別な意味がある「Colors Of The Season」を。ジョンヒョンの歌声が聞こえ、KEYは涙が止まらなくなった。我慢しようとするが溢れる涙…。彼は声をふり絞るように自分のパートを歌っていた。今回、合間のVTRもだが、ジョンヒョンとオニュを感じさせる場面が何度もあった。SHINeeは「5人だった」のではなく、昔も今も変わらず「5人」なのだ。そしてこれからも、何があっても、居る場所が違っても「5人でSHINee」。そんな想いを強く感じさせてくれるコンサートだった。

■ファンからのサプライズに号泣

SHINeeにとってもファンにとっても「最高の日曜日」となったこのツアーファイナルのラストソングは「1000年、ずっとそばにいて」。歌い終わるタイミングで、ファンが色とりどりのボードを掲げた。その光景を見て、ミンホは顔を覆って泣き出し、顔が上げられない。KEYとテミンも涙をこらえながら会場を見渡す。ステージから見ると客席いっぱいに「SHAWOL(ファンの名称)♡SHINee」の文字が浮かんでいたのだ。「SHINee」コールの大合唱の中、「本当にキレイ」と感謝の言葉を述べる3人。

客席をバックに記念撮影した後、テミンが「これからもボクたちが歩んでいくのを見守ってください。今まで本当にありがとうございました。そしてこれからもお世話になります」と言い、ミンホは「SHINeeは、今からスタートです!永遠に応援よろしくお願いします!」と叫んだ。そしてKEYは「(過去の曲を)いつか“懐かしい”と言いながら、歌う事、踊る事ができる日が来るのかな、って思った瞬間もあったんですが、それが美しく事実になって嬉しいです」と、ファンにお礼を。続けて、「この次のライブで、昨日会ったみたいに自然な雰囲気で会いましょう!」と、また会える日を約束してくれた。

ステージを去るのが名残惜しいように、彼らは上手から下手の端まで移動し、ファンに挨拶。テミンが「いつの間にか、ミンホさんまでファンの前で泣く事ができるようになりましたよね」とからかうと、すかさずKEYが「歳だよ、歳!」とイジって笑わせる。何度も「絶対、歳!」と言うKEYに、「そうか、これが絆か」とおかしな納得をするテミン。そして、「歳か?どっちだろう…」と混乱する末っ子(笑)。笑いに包まれたまま、「せーの!ありがとうございました!また会いましょう!」と元気いっぱいに挨拶し、「TOKYOサイコー!」とサムズアップして、3時間の公演が終了。SHINeeが新たなフェーズに入った事を確信させた今回のステージだった。

◆取材・文=鳥居美保

(写真左から)ミンホ、テミン、KEY/(C)石井亜希(田中聖太郎写真事務所)