中国の神話や伝説に出てくるドラゴンそっくりな(海洋性爬虫類)の化石を見れば、大昔の地球はファンタジーの世界だったに違いないと確信するはずだ。
この2億4000万年前の三畳紀の化石は、「ディノケファロサウルス・オリエンタリス(Dinocephalosaurus orientalis)」という爬虫類の一群である原始竜類のもので、中国貴州省で発見され命名されたのは2003年。もう20年も前のことだ。
だが最近になって、スコットランド国立博物館などの研究チームによって化石がつなぎ合わされ、その全貌があらわになり、全長5mもの伝説の竜のような姿が明らかとなった。
【画像】 まさに伝説のドラゴン、2億4000万年前の全身化石
全身をつなぎ合わせて復元した、ディノケファロサウルスの化石は、中国の神話や伝説に出てくるドラゴン(竜)の形にとてもよく似ているという。
全長5mの長い体は8の字を描いており、もっとも印象的なのは、その長い首だ。
2.3mの首は32個の脊椎骨によって構成されている。その凄さがわかりにくいのなら、現代の首長チャンピオンであるキリンの首の骨は7個と言っておこう(それでも長さは2mある)。
まるで蛇のような形をした首の関節は、おそらくディノケファロサウルスが獲物に忍び寄るとき大いに役に立っただろう。
水の中で暮らしていた海洋性爬虫類
空高く舞い上がる姿が目に浮かんでくるが、実際は海洋性爬虫類で、水がある環境に適応しており、浅瀬で待ち伏せし、獲物を捕食していたと考えられている。
ヒレのついた手足で距離をつめ、長い首を伸ばして音もなく獲物に襲いかかる。実際、そのお腹からは大昔に餌食となった魚が見つかっているのだ。
同じ三畳紀を生きたサウリクティスと一緒に泳ぐディノセファロサウルス・オリエンタリスを描いた予想図/ image credit:c Marlene Donelly
首の長いドラゴンといえば、中世代ジュラ紀の首長竜「プレシオサウルス」(その生き残りがネス湖のネッシーの正体という説もある)もいるが、この中国の竜とプレシオサウルスはそれほど近い関係にはないようだ。
スコットランド国立博物館のニック・フレイザー氏は、「蛇のように長い首など、神話に登場する中国のドラゴンを彷彿とさせるその印象的な姿は、世界中の想像力をかき立てることでしょう」と、プレスリリースで語っている。
この研究は『Earth and Environmental Science Transactions of the Royal Society of Edinburgh』(2024年2月23日付)で発表された。
References:Palaeontologists reveal a 240-million-year-old ‘Chinese Dragon’ / Stunning 240 million-year-old 'Chinese dragon' fossil unveiled by scientists | Live Science / written by hiroching / edited by / parumo
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