法人会員向け与信管理クラウドサービスを提供する「リスクモンスター」は、第7回「若手社員の仕事・会社に対する満足度」調査結果を発表しました。

 

リスクモンスター 第7回「若手社員の仕事・会社に対する満足度」調査

 

 

・調査名称 : 第7回「若手社員の仕事・会社に対する満足度」調査

・調査方法 : インターネット調査

・調査エリア: 全国

・期間   : 2023年12月4日(月)~12月6日(水)

・調査対象者: 新卒入社1~3年目の男女個人

・有効回収数: 600サンプル

 

第7回となる本調査では、若手社員のおよそ2人に1人が3年以内に退職、4人に1人が1年以内での早期退職を考えていることが明らかとなりました。

「男性」、「新卒入社1年目」、「売上高10億円以上の企業」の若手社員において勤続意欲が高い傾向にあることや、勤続理由として「福利厚生」や「給料」などの待遇、「勤務時間・休日」などの勤務条件が重視されている点は、過去の調査と同様の結果となっています。

他方、退職意向に着目すると、「3年以内に退職」の意向がある人の半数以上が「1年以内に退職」を考えており、中でも「新卒入社1年目」における「1年以内に退職」は、すべてのセグメントで最も高い回答率となっています。

「新卒入社1年目」においては、「3年後も勤続」が多い半面、退職意向がある場合には、より短期での退職意向が強い様子が表れており、二極化の傾向がうかがえます。

入社前のイメージと入社後の実態にギャップがあるかどうかを聞いた設問では、7割超がギャップはないと回答している一方で、ギャップを感じている若手社員では、勤続意欲が低下しやすい傾向がみられました。

企業にとって、若手社員は自社の将来を担う重要な経営資源であり、新入社員の早期離職は大きな損失といえます。

新入社員を受け入れる企業では、入社前後のイメージギャップが起こらないような採用活動の工夫や、入社後のバックアップ体制の重要性が増しているといえるのではないでしょうか。

 

(1) 「売上規模10億円未満」、「女性」は、転職希望割合が高い結果に

 

 

新卒入社1~3年目の男女600名に「当面3年間に対する仕事・会社に対する勤続意欲」を聞いたところ、「3年後も勤務し続けていると思う(以下、3年後も勤続)」(回答率55.0%)が「3年後は勤務し続けていないと思う(以下、3年以内に退職)」(同45.0%)を上回り、前回(同52.5%)から2.5ポイント増加しました。

「3年後も勤続」については、男女別では、「男性」(同60.0%)の方が「女性」(同50.0%)よりも勤続意欲が高く、入社年次別では、過去の傾向と同様に「新卒入社1年目」(同60.0%)が最も勤続意欲が高い結果となりました。

売上高規模別においては、「10億円未満」(同51.2%)よりも「10億円以上」「100億円以上」(同59.0%、58.7%)の方が高く、売上高規模が勤続意欲と関連している様子が表れています。

 

 

「3年以内に退職」と回答した若手社員へ今後1年間の勤続意欲を聞いたところ、「1年後は勤務し続けていないと思う(以下、1年以内に退職)」(同54.8%)が前回(同54.0%)に引き続き過半数となりました。

特に、「新卒入社1年目」においては、「3年以内に退職」の割合が低かった半面、退職意向がある場合には、「1年以内に退職」(同58.8%)の意向が高いことが特徴として挙げられます。

 

(2) 勤続理由は「福利厚生」、退職理由は「給与」が1位

 

 

「3年後も勤続」と回答した理由を聞いたところ、1位「福利厚生が充実している」(回答率30.9%)、2位「勤務時間や休日が自分に合っている」(同27.3%)、3位「給料が良い」(同24.5%)となりました。

前回調査では調査開始以来、初めて「給料が良い」が1位となりましたが、今回は第2回から第5回まで1位であった「福利厚生が充実している」が再び1位となりました。

 

 

反対に「3年以内に退職」と回答した理由について聞いたところ、1位「給料が低い」(同36.7%)、2位「仕事にやりがいを感じない」(同17.4%)、3位「転職を前提として入社した」(同16.3%)となりました。

1位の「給料が低い」は、2位に20ポイント近い差をつけ、すべてのセグメントで1位となっていることから、給与面の不満は退職に直結しやすい様子が表れています。

 

(3) 入社イメージと入社後のギャップが退職意向につながる

 

 

現在の勤務先を就職先に決めた理由(以下、入社理由)を聞いたところ、1位「福利厚生が充実している」(回答率34.3%)、2位「給料が良い」(同29.3%)、3位「勤務時間や休日が自分に合っている」(同24.4%)となりました。

(2)における勤続希望理由の上位3項目と入社理由が一致していることから、入社時の期待が現状において満たされていることが、勤続意欲の維持に影響していると考えられます。

 

 

入社前の良いイメージ(入社理由)が入社後に悪化した(以下、入社後ギャップ)人の割合を調査したところ、およそ4人に1人が「入社後にイメージが悪化した」(同27.0%)と捉えており、中でも「男性」(同29.9%)、「新卒入社1、2年目」(同28.5%、同29.8%)、「売上高10億円以上、100億円以上」(同30.2%、31.4%)における回答率が高く、入社からの時間経過や会社の規模によって、入社後ギャップの感じ方が異なっていることが明らかとなりました。

 

 

勤続意向と入社後ギャップの関連性について集計したところ、「入社後ギャップを感じている人の3年以内に退職」(同47.6%)は、全体(同40.9%)よりも6.7ポイント高くなっていることから、入社後ギャップが退職意向につながりやすいことがうかがえます。

 

(4) 退職希望者では、改善体質や人事制度への不満も垣間見える

 

 

勤務先の「働き方への取り組み」について調査したところ、時代遅れと思う項目としては、「サービス残業」(同32.8%)が1位となり、2位「有給休暇が取得しにくい」(同26.8%)、3位「業務効率化が図られない」(同21.8%)と続きました。

上位3項目は、前回調査と同じ項目であり、特に「サービス残業」や「休暇の取りにくさ」に対して時代遅れと感じている若手社員が多い様子が表れています。

また、「業務効率化が図られない」、「賃金格差が埋まらない」、「人事制度が年功序列型」は、「3年以内に退職」における回答率が全体数値よりも高いことから、勤続意欲の低下につながりやすい項目であることがうかがえます。

 

総評

 

2023年10月に厚生労働省が発表した新規学卒就職者の離職状況調査によると、新卒社員の3人に1人が入社後3年以内に退職しており、近年の傾向に大幅な変化はみられません。

かかる中、本調査は、早期退職に至る若手社員の仕事のモチベーションや勤続意欲に関する考えを明らかにすべく、新卒入社1年目から3年目の若手社員を対象に仕事や会社の満足度を調査したものです。

第7回となる本調査においては、およそ2人に1人が3年以内に退職する意向であり、およそ4人に1人が1年以内での早期退職を考えていることが明らかとなりました。

前回調査との比較では、若手社員の勤続意欲に若干の上昇がみられる中、「男性」や「新卒入社1年目」、「売上高10億円以上の企業の社員」において勤続意欲が高い傾向が続いており、勤め続けたい理由として「福利厚生」や「給料」などの待遇、「勤務時間・休日」などの勤務条件が重視されている点は、過去の調査と同様の傾向がみられました。

他方、退職意向に着目すると、「3年以内に退職」の意向がある人の半数以上が「1年以内に退職」を考えており、中でも「新卒入社1年目」における「1年以内に退職」は、すべてのセグメントで最も高い回答率となっています。

「新卒入社1年目」においては、「3年後も勤続」が多い半面、退職意向がある場合には、より短期での退職意向が強い様子が表れており、二極化の傾向がうかがえます。

また、入社前イメージと入社後の実態とのギャップを調査したところ、7割超は「ギャップはない」と回答しており、多くの若手社員は、入社前後のギャップを感じていないことが分かりました。

また、ギャップを感じている若手社員は、勤続意欲が低下しやすい傾向がみられることから、企業としては、採用活動において実態と乖離しないような伝え方に努めるべきといえるでしょう。

 

企業にとって、若手社員は自社の将来を担う重要な経営資源であり、新入社員の早期離職は大きな損失といえます。

本調査の結果によれば、待遇や勤務条件が若手社員の勤続意欲に大きく影響していることが明らかとなっており、さらに入社前イメージと入社後実態のギャップが勤続意欲に影響する傾向も読み取れます。

仕事や会社に夢と希望を抱き入社してきた若手社員にとって、現実の仕事は思い描いていたものよりも辛く厳しいことが少なくないと考えられますが、それらを乗り越え将来活躍してくれることを期待して、企業はバックアップしていく必要があるといえるでしょう。

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