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生活に浸透してきた「中国製」 英国人の肌感

筆者(英国人)の自宅には、Fosi Audioという中国製ステレオアンプがある。

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これまでは英国ブランドの古いアンプスピーカーを使っていたが、とうとう壊れてしまったので、安い代替品としてアマゾンで見つけてきたのだ。自慢できるような品物ではないし、自分自身も最初はあまり期待していなかった。

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欧州新車販売での中国車の市場シェアはまだまだ小さいが、順調に伸ばしてきている。

もともとの計画としては、子供たちが出て行ったあとの家の整理をする間、このアンプは1か月ほどリビングに置いておくつもりだった。その後、ちゃんとした「本命」を買うためのお金が貯まったら物置にしまおうと考えていた。

オーディオ専門誌では、Fosi Audioのアンプのレビューを見つけることができなかった。しかし、非常にコンパクトで表面に通気口がなく、見た目はかなりすっきりしている。それに、家電製品は自動車産業とある程度リンクしているので、中国製がどんなものなのか興味をそそられた。「研究」とでも言おうか。価格は70ポンド(約1万3000円)。

半年以上経ち、自宅の整理もほぼ終わったが、アンプはまだリビングに置いたまま。というのも、これがなかなか良いのだ。

YouTubeやブログではいくつかレビューが上がっているが、分解して測定器でつついて反応を調べるというマニアックなものが多い。その評価も非常に高かったが、肝心の「音」はどうかというと、個人的には満足である。

もっといいものが欲しいという誘惑に負けるまで、当分の間は使い続けるつもりだ。

さて、今週からスイスでジュネーブ・モーターショー(一般公開:2月27日3月3日)がはじまる。先日、何人かの同業者と話をしたところ、口々に「主要メーカー」の出展はルノーくらいしかないと言う。多くの自動車を販売する中国のMGや、年間300万台以上を誇るBYDが「大手」でないなら、どこを大手と呼べばいいのか。

そんな折、あるエンジニアが最近中国を訪れた際に撮影した動画を見せてくれた。現地でいろいろなクルマに乗ったそうだが、その技術力と品質に圧倒されている様子だった。

20世紀後半に日本の自動車産業が台頭してきたとき、英国人の筆者はまだ若く、当時の欧州メーカーがどのように反応したかを覚えていない。しかし、日本人の生産技術と精度に恐れをなしたという記事を読んだ記憶がある。

日本が欧米の自動車産業を壊滅させたわけではないが、「ビッグ3」と呼ばれる米国の自動車メーカーはかつての栄光を失い、他の多くのメーカーにも大打撃を与えた。その後、韓国車オーストラリアの自動車産業を終わらせた。

しかし、結局のところ、日本や韓国の企業は欧米企業と同じようにルールを守り、現地に工場を建設し、雇用を生み、誰もが問題なく働いている。今回(中国企業)もそうなるかどうかはわからないが。

自分の誕生日にMG 4という中国製EVを買った知り合いがいる。かつてのMGBのような本当に個性的なクルマではないかもしれないが、4万ポンド(約760万円)以下というEVとしては比較的手頃な価格で快適、かつ加速力もある。

フォルクスワーゲンでもオペルでもなく、MGを選んだのは、筆者がFosi Audioのアンプを気に入ったのと同じだ。世界には、我々のような人があと何百万、何千万人もいるのだろう。


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