充実の戦力を新庄監督がどう起用していくかも注目となる(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 日本ハム2月25日、沖縄キャンプの締めくくりとなる広島とのオープン戦に臨み、3-2とサヨナラ勝ちを収めた。9回一死一、二塁の好機に石井一成サヨナラ適時二塁打をマーク。これで対外試合は8戦無敗(7勝1分け)と1か月間にわたっての充実した内容を象徴するような試合となった。

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 新庄剛志監督就任3年目を迎える今季は、勝負の年。2年連続最下位に沈んでいるだけに、期待も高まる。オフには積極補強に打って出たことも話題を呼んだが、特に『大渋滞』と言ってもいいほど層の厚さがうかがえるのが、先発投手陣だ。

 昨シーズンにローテーションの軸となった加藤貴之侍ジャパンメンバーの伊藤大海に加え、このオフFAでオリックスから加入した山﨑福也。加えて、昨年中盤以降に安定感をみせた上原健太や、北山亘基、根本悠楓、金村尚真ら昨シーズン台頭した若手たちも含め好アピールを続けている。25日の試合に先発した上原は4回1安打無失点、同じく3番手に登板した根本も3回2安打無失点と着々と結果を積み上げている。

 これらの投手陣に加え、今季3年ぶりに古巣復帰となるドリュー・バーヘイゲンや新助っ人のパトリックマーフィーなど外国人投手たちも含め、先発ローテ枠を求める人材がひしめいている。

 この中で、開幕ローテーション入りが確実視されているのは、開幕投手内定の伊藤、そして実績のある加藤と山﨑の3名。今季、日本ハムは開幕直後の1か月は5連戦が続く日程となっているため、実質開幕ローテーション枠は残り2枠だ。

 さらに外国人投手のアピールも続く中、あまりの投手陣の充実ぶりには新庄監督も嬉しい悲鳴をあげている。ただ、このままでいくと現在アピールを続けている投手陣たちの多くが開幕ローテ入りからは漏れることになる。

 すでに1軍ローテーションが2つ組めるともいわれるほど他球団垂涎の先発投手陣の充実ぶりとあって、今後どのように新庄監督が起用していくかも注目となる。いずれにせよ、駒が足りないという悩みとは無縁とあって、仮に調子が悪い投手がいた場合も我慢せずに思い切った起用ができそうだ。結果を残さなければすぐに下に落とされるとなれば、選手たちの危機感も高まり、チーム力の底上げにもつながる。

 今季から指揮を執る稲葉篤紀2軍監督とのタッグも注目を集める。現役時代から盟友で知られ、新庄監督の考えを熟知している指揮官が2軍にいることで、1、2軍の選手の行き来もよりスムーズに運びそうだ。

 貴重な戦力をいかに勝ち星に結び付けていくかは、指揮官の腕の見せ所となる。ぶ厚さを増した投手陣をストロングポイントとし、上位浮上なるか。開幕までの道のり、各選手の調整も注目となる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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