これまでの目撃談により、その姿形がネス湖のネッシーにソックリなことから、「アルゼンチンネッシー」と呼ばれるのが「ナウエリート」というUMAだ。

 ナウエリートは、南米アルゼンチンにあるナウエル・アピ湖でたびたび目撃されている、体長5メートルから40メートルという大小幅がある生き物。頭部は小さく、細長い首にはコブのようなものがあるため、首長竜ではないかとも言われている。

 ナウエリートが地元住民に初めて目撃されたのは、1800年代後半だとされるが、一躍クローズアップされることになったのは1922年。カナダの新聞に、ジョージ・ギャレットという男性の目撃証言が掲載された。世界のUMAに詳しい専門家の話を聞こう。

「ギャレット氏が湖畔から数百メートル離れた場所でこの謎の生物を目撃したのは10年以上前のことなのですが、その生き物は水面から首だけ出して泳いでいて、高さは2メートルほど。体長はおそらく5メートルから7メートルだったようだ、と証言しています。実はナウエル・アピ湖に謎の生物が棲んでいるという言い伝えは、先住民であるマプチェ族の間でも古くから伝承されていたもので、ついに出現かと、にわかに信憑性が高まったというわけなんです」

 その後も湖では不思議な生物の目撃談があとを絶たなかったが、2006年4月、アルゼンチンの新聞社「エル・コルディレラーノ」が、匿名の撮影者から送られてきたというナウエリートの写真3枚を掲載。それをきっかけに、地元では捜索隊が結成されるなど、謎の生物捕獲に向け、町を挙げての騒ぎになった。

 しかし、その後も目撃談はあるものの、100年以上、決定打となる写真や映像が撮られることはなかった。

 と、そんな中、今年1月、この湖でカヤックに乗っていた2人組が、ナウエリートらしきUMAに遭遇。その姿を動画に収めることに成功したから大変である。

「地元メディアの報道と2人の証言によれば、カヤックで湖に出たあと、すぐに水面下を移動する巨大な生物を発見したのだと。水面から体の一部だけが現れていて、すぐに水中に潜ってしまったというんです。当日はベタ凪で、謎の生物が現れた場所以外、水面は穏やか。そのため、大波を見間違えたはずはない、と…」

 映像は瞬く間にSNSを通じて拡散されたが、なんと最初の新聞記事から100年以上を経た中での信憑性ある目撃談に、地元は沸き立っている。

ジョン・ドゥ

アサ芸プラス