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 誰しも自分の家が一番住み慣れているだろう。自宅以外の場所に滞在したとき違和感を感じることがあるのは、普段慣れ親しんだ電気器具や置き場所、使い勝手が異なるからで、それは国の習慣によっても違い、ときにカルチャーショックを受けることがある。

 TikTokにDIYやインテリア、リノベーションを投稿しているブリタニーさんは、イギリスバーミンガム在住のアメリカ人だが、まさにそれをテーマにした2本の動画が注目を集めた。

 それは、アメリカ人がイギリスの家でまったく奇妙だと感じるところと、イギリス家庭の機能についてアメリカ人は真似るべきだと思えるところだ。

【画像】 イギリスの住宅に関する6つの奇妙なこと

 「The Brick House Chronicles」プロジェクトの創始者ブリタニーさんは、あくまでも母国アメリカからの視点で「イギリスの家の変なところ」をいくつかTikTokでシェアした。

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1つ目は、蛇口から出るのが1つは熱湯でもう1つは氷のように冷たいってこと。

バカみたいに手を振り回して、まともな温度になるように熱湯と水が適度な温度に混ぜられることを祈るしかないの。ありがたいことに、最近はこのようなことは少なくなったけど。
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 イギリスの公認配管・暖房技術協会では、この点について次のように述べている。

これは相互接続による汚染を防ぐため、温水と冷水が別々に保管されていた時代にさかのぼります。

冷水は本管から供給され、飲料に適していましたが、温水はしばしばロフト(屋根裏部屋)に設置される貯水槽によって供給されていました。

これは圧力の不均衡を引き起こし、間違った蛇口やバルブが設置されると一方の水流が他方の水流に押し流されてしまうことを意味していたのです。

 ただし、築年数が新しかったりリフォームをしたりした家では、日本のように蛇口が1つになっているところもある。

2つ目はキッチンに洗濯機が置かれてあるってことよ。

なんで台所に置くのかがわからない。アメリカでは洗濯部屋っていうのがあったり、バスルームやクローゼットの中にあったりするわ。でもキッチン?いやいや、違うでしょ。
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 ときに、イギリスでは洗濯機や乾燥機は地下室に配置されてある。イギリスでは1軒家は中古物件なので地下室はあまり手入れされていないことが多い。

 そのためむき出しになったコンクリートの暗い階段を上り下りして、洗濯機に辿り着く人もいるのだ。

 余談だが、洗濯ペースは週1度が一般的というイギリスでは、洗濯機や乾燥機は「毎日使用するものではない」という考えから地下室に収められているようだ。

3つ目は部屋にクローゼットがないことで、4つ目はバスルームにコンセントがないこと。

イギリスのホテルではシェーバーにしか使えないコンセントがあるのが一般的だけど、でも私はバスルームで髪をセットしたいの。

「安全衛生のため」らしいけど、バスルームで感電死した人の統計を調べてみたのよ。そしたらほとんどの人が浴室にコンセントを望んでいたわ。
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5つ目は、シャワーパネルが水を防ぐのが目的なんだったら、お願い、イギリスよ、このガラスパネルをもっと長くしてちょーだい!

 シャワールームとバスタブが別になっている家もあるが、一緒の場合はバスタブの中にシャワーが設置されてあるイギリス

 水がバスタブの外に飛び散らないようにシャワーカーテンを着ける場合もあるが、写真のように中途半端なガラスパネルが設置される場合もある。

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 イギリスでは、静かにそっとシャワーを浴びる人が多いのかもしれない。

6つ目に、この国は夏は灼熱地獄になりうること、そして暑さをしのぐために建てられた建物にエアコンが必要であることを受け入れる必要があるわ。

昔は今みたいに暑くはなかったけれど、夏の短い期間は必要よ。私は引っ越ししてきて最初にエアコンを設置したけど、絶対に必要だったわ!
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 イギリスでは、日本のようにエアコンが普及していないため、夏の暑い時期に建物内に入ればエアコンが効いて涼しいということはほとんどない。

 ブリタニーさんが言うように、近年の暑さ続きで店によってはエアコンを設置するところも出てきたが、各家庭では扇風機が一般的でエアコンは普及していない。

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アメリカ人が真似すべきイギリス住宅のいいところ

 ブリタニーさんは、イギリス暮らしに文句ばかり言っているのではない。別の映像では、アメリカ人が真似すべきイギリスの住宅の長所を紹介している。

イギリスの家庭に必ずあるもので、アメリカでも必要だと思うもの。まずは電気ケトルよ。

紅茶にこだわるアメリカ人の中には、やかんを持っている人もいると思うけどやかんは決して一般的じゃないわ。

アメリカではお湯を沸かすなら鍋をコンロの火にかけるか電子レンジよ。やかんを何年も持っている今となっては、正直言って正気の沙汰とは思えない。
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2つ目は、コンサバトリーね。コンサバトリーは裏庭に面した屋根や窓がガラス張りになった部屋のこと。

コンサバトリーを手に入れた人たちがどれほど喜んでいるか。だって温かな魔法の箱のようなものなんだもの。

私はフィアンセの実家のコンサバトリーで昼寝をするのが大好き。私の出身地であるフロリダにこんなものがあったら、中に入ったら暑くて卒倒しそうだけどね。

 イギリスの1軒家では一般的なこのコンサバトリーでは、テーブルや椅子を置いてダイニング代わりにする人もいればソファを置く人もいる。また物置のように使用する人もいて、いわゆる多目的スペースとして使用されている。

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 最初からどの1軒家にもあるとは限らず、物件を購入後にコンサバトリーを建てる人もいる。

3つ目は、自分がハマるとは思ってもみなかったものなんだけど、イギリスの家はアメリカで人気のオープン・プラン・スタイルではなく、各部屋にドアがついているようなのよ。
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4つ目は、玄関ドアに郵便受けがあるのもいいと思ったわ。

アメリカにも郵便ボックスはあるけれど、集合ポストになっているのよ。近所の郵便がそこに一緒に入ってるの。

それってすごく嫌だわ。子供のころ、郵便物を取りに行くのがとても嫌だったの。玄関ドアの郵便受け。これはアメリカでもぜひ真似てほしい!
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5つ目は、トイレの水を流すボタンが大きいのと小さいのがあるってところ。これは天才的よ。

小をしたら小さいほうを押すの。大なら大きいほう。アメリカではすべてが大きいから、水がたくさん流れてしまう。これって浪費よ。小なら少しだけ流すだけでいいのよ。
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どんな家も完璧ではなくそれぞれ長所・短所がある

 マイホームを持つことは、多くの人にとって夢のようなことだ。しかし、住む場所によっては、それは決して安くはない買い物だ。

 イギリスの不動産はうなぎ上りだ。決して広いとは言えない1軒家の平均住宅価格は、2023年6月の時点で28万8000ポンド(約5400万円)となっている。

 不動産が一番安いのは北アイルランドだ。続いてスコットランドウェールズイングランドとなっている。

 一方、アメリカの2023年9月の住宅価格の中央値は41万2000ドル(約6100万円))である。

 しかし、自分のDIY技術に頼ってリフォームをする覚悟があれば、いつでももう少し安い物件を手に入れることが可能だろう。

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pixabay

 ブリタニーさんは、婚約者がイギリス人だったことからイギリスに移住して最初のころは、レンガ造りの建物にもカルチャーショックを感じたという。

レンガ造りの家はとても美しいと思ったわ。初めて来たときは、まるでおとぎ話に出てくるようだった。フロリダでは、レンガ造りの家はあまりないもの。

 ブリタニーさんは、アメリカ人から見たイギリス住宅の奇妙さだが、結局はどこの国でも「完璧」な家は存在しないだろう。

 だが、「風変わりな家」を受け入れ、欠点も個性や味わいとして見ることができれば、逆にDIYも楽しくなるかもしれないし、くつろぐことだって可能だ。

 ブリタニーさんのSNSアカウントは人気のようで、DIY、インテリア、リノベーション動画の更新に加え、アメリカとイギリスの文化の違いについての興味深い動画もシェアしている。

TikTokで動画を見る

References:6 Things About British Houses That Make No Sense, And 5 That Americans Should Steal ASAP / written by Scarlet / edited by parumo

 
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イギリス在住のアメリカ人がイギリスの家の奇妙な点、真似すべき点を紹介