今年1月にルートン・タウンへ加入したDF橋岡大樹が、現地時間27日に行われるFAカップ5回戦のマンチェスター・シティ戦でデビューを飾るかもしれない。地元メディア『ルートン・トゥデイ』が、前日会見におけるロブ・エドワーズ監督のコメントを伝えた。

 今冬の移籍市場でベルギーのシント・トロイデンを離れ、プレミアリーグ挑戦を決断した橋岡。加入発表直後の1月30日に行われたプレミアリーグ第22節ブライトン戦(○4-0)では、本拠地『ケニルワース・ロード』のピッチに登場し、ファン・サポーターへ直接挨拶を実施した。だが、第23節ニューカッスル戦(4-4)の前日会見で、エドワーズ監督は「彼は新加入選手で、もうグループに入っているが、まだここに来て数日しか経っていない。一緒に遠征はしてもらうが、学んでもらう期間も必要だ」と発言。橋岡の公式戦デビューが少し先になることを宣言していた。

 実際、前述のニューカッスル戦から数えてルートン・タウンはプレミアリーグ4試合を消化したが、現時点で橋岡はメンバー入りすらしていない。一方で、『ルートン・トゥデイ』によると公式戦の遠征時には橋岡の姿もあり、試合出場に向けて着々と準備を続けていたという。

 このような状況の中、マンチェスター・シティ戦の前日会見で橋岡の状況について問われたエドワーズ監督は「彼は起用可能だ」と発言。「彼には本当に満足している。順調にコンディションを上げてきているし、チームメイトも彼のことを気に入っているんだ」と続け、昨季の大会王者との一戦が橋岡のデビュー戦となる可能性を示唆した。

 また、エドワーズ監督はトレーニングにおける橋岡のエピソードも紹介。「彼は先日、トレーニングですごいボレーシュートを決めたんだ。先週か先々週、ある試合に向けた準備をしていた時のことだ。クリアボールが飛んでくると、彼はボックスの端の位置からボレーシュートを叩き込んだ。もちろん、彼にとっては喜ぶべきプレーなのだが、私は笑った方がいいのか泣いた方がいいのかわからなかった。なぜなら、私は彼に見事なボレーシュートを決められた方のチームをメインで指揮していたのだからね」と明かした。

 この出来事を受けて、エドワーズ監督は「選手たちは彼を祝福し、一緒に喜んでいた。彼が素晴らしい人間性を備えていることを裏付けるようにね」と話すと、「彼はすぐにチームに溶け込んだよ」とチーム内の橋岡の立ち位置にも言及。「彼と契約した時にも口にした言葉だが、確かなクオリティのある選手だ。非常にアグレッシブで、守備でも前へ出て、ボールを奪おうとする」と橋岡を称賛すると、「我々が前に進むため、彼は必ず力になってくれるだろう」と期待を寄せた。

 現在、橋岡の主戦場となると予想される右ウイングバックのポジションではアイルランド代表MFチドジー・オグベネが活躍している。だが、プレミアリーグで残留争いに巻き込まれている現在の状況を考慮すると、週末に試合を控えていることもあり、オグベネをベンチスタートとする可能性も低くはないようだ。左ウイングバックで起用されることの多いイングランド人MFアルフィ・ダウティーは右サイドに回ることもできるが、21日に行われたプレミアリーグ第26節リヴァプール戦(●1-4)で負傷交代しており、軽傷であることが確認されているものの出場可否は不透明。ブルキナファソ代表DFイッサ・カボレはマンチェスター・シティからレンタル移籍加入中のため、契約により出場することはできない。

 果たして、橋岡は昨季3冠を成し遂げたマンチェスター・シティとの一戦で新天地デビューを飾るのだろうか。試合は日本時間で27日の29:00(28日の5:00)にキックオフを迎える。

【動画】橋岡、英語でクラブのインタビューに応じる!

ブライトン戦のハーフタイムにルートン・タウンのサポーターへ挨拶した橋岡 [写真]=Offside via Getty Images