北キブ州のサケから逃れ、ゴマの国内避難民キャンプにたどり着いた10歳のキクルさん。「僕の家に爆弾が当たって戦闘も激しくなったから逃げてきた」と話す。(コンゴ民主共和国、2024年2月15日撮影) (C) UNICEF_UNI521607_Benekire

【2024年2月23日 キンシャサ(コンゴ民主共和国)発】

コンゴ民主共和国東部で激化する暴力行為に巻き込まれている子どもや家族たちを保護するため、ユニセフ(国連児童基金)は世界食糧計画(WFP)と共に、即座に行動を起こすよう呼びかけています。同国東部で起きている紛争により、仮設の避難民キャンプの周辺では、子どもを含む多くの人々が死傷しています。両機関はすべての紛争当事者に対し、民間人の保護を優先し、人道支援機関が活動できるようにすることを求めます。

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今回の武力衝突は、地域住民に壊滅的な状況をもたらしています。激しい戦闘は、この2週間で、ゴマから西に25キロメートル離れたサケの町にまで拡大し、子どもやその家族たちが銃撃戦に巻き込まれています。

ゴマ近くの国内避難民キャンプにあるユニセフなどが設置した移動式保健クリニックで、診察を受ける2歳のクイーンちゃん。(コンゴ民主共和国、2024年2月20日撮影) (C) UNICEF_UNI524190_Benekire

ユニセフコンゴ民主共和国事務所代表のグラント・レイティは、こう述べています。「コンゴ民主共和国の子どもには、今、平和が必要です。私たちは、この戦いにおいて子どもたちが守られること、そして、外交的解決策を見出すための新たな努力を通じてこの暴力に終止符を打つことを求めています。私たちは、ゴマのキャンプとその周辺にいる子どもとその家族の安全を非常に懸念しています」

戦闘拡大が引き金となり、すでに過密状態にある避難民キャンプに膨大な数の人々が殺到しています。すでにゴマ周辺地域に避難していた50万人に加え、さらに21万4,950人が新たに避難をしてきました。その他にも、数万人が南キブ州のミノバに逃げています。

食料品やその他の物資を運ぶための重要な陸路が寸断され、ゴマの地元市場では品不足と価格高騰が起きています。この状況は、食卓に食べ物を並べるのに苦労している家族にさらなる負担をかけています。

暴力の拡大と避難民の増加により、食料、清潔な水、適切な衛生設備、安全なシェルター、基本的な保健医療、女性と子どものための保護サービスなど、包括的な対応を行うための両機関のリソースが逼迫しています。

ゴマの小学校で、算数の授業を受ける小学1年生の子どもたち。(コンゴ民主共和国、2024年2月10日撮影) (C) UNICEF_UNI519199_Mulala

ユニセフは、コンゴ民主共和国東部における緊急対応のため、今後6カ月間に4億米ドルの支援資金を求めています。多くの人々が避難を求めて急激に押し寄せていることを受け、人道支援における喫緊の優先事項としては、避難民キャンプ内やその周辺における緊急医療と栄養支援を提供するための移動式クリニックの配備、コレラ発生の封じ込めと予防の強化、食料品以外の物資の配布、給水車の増便、おとなの同伴者のいない子どもたちのケアと家族との再会、そして、ジェンダーに基づく暴力の予防・対応のためのサービスの提供などが挙げられます。

コンゴ民主共和国では、東部における紛争を主因として、690万人が住処を追われるという、アフリカ大陸で最も深刻な国内避難民危機の一つが生じています。国際移住機関(IOM)の推計では、昨年だけでも160万人が避難を余儀なくされました。

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ユニセフについて

ユニセフUNICEF国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/

ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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