田中美久飯島寛騎がW主演を務めるドラマ特区「シンデレラ・コンプレックス」(毎週木曜深夜0:59-1:29ほか、MBSほか)が2月29日(木)よりスタートする。本作は、「Webtoon」にて4億ビューを突破した同名作を原作に、教師と教え子の禁断の不倫から始まる過激でセンセーショナルな人間模様を描く“ラブサイコスリラー”。

【写真】田中美久、挑発的な表情がセクシーな接近ショット

何度も整形を重ね、狂気的な秘密を抱える地雷系女子高生・前園由良を田中、愛妻家で知られるも、由良に誘惑され欲望にあらがえない教師・相沢陽介を飯島が演じる。その他、由良と同じ高校に通う生徒で、周りにうまくなじめずどこか陰のある高校生・工藤要役に森愁斗、陽介の妻で、同じ高校で働く生徒思いの教師・相沢舞役に宇垣美里が配役されている。

WEBザテレビジョンでは、W主演の田中と飯島にインタビューを実施。オファーを受けた際の気持ちや、それぞれのキャラクター、互いの印象、撮影現場の様子などについて話を聞いた。

田中美久HKT48卒業後初のドラマ出演に「緊張や不安もありました」

――オファーを受けた際のお気持ちをお聞かせください。

田中:原作が4億ビューを超えていて、周りのメークさんたちも読んでいましたし、私も知っていた作品だったので本当にびっくりしました。うれしいという気持ちとともに、HKT48卒業後初のドラマ出演になるので、緊張や不安もありました。

飯島:「なんだこの狂った作品は」という第一印象でした。僕は教師役を今までやったことがなくて、それだけでも面白そうだと思ったら、まさかの女子高生と不倫をするというとんでもない役で、これはどんどん視聴者の方を巻き込んでいけるキャラクターだなと。登場人物全員がすごく印象的で、台本を読んで一気に世界に入り込み、「これはぜひともやりたい」と思いました。

――田中さんはドラマ初主演となりますが、座長としての意気込みを教えてください。

田中:元々人気の原作なので、実写化にあたり、面白いと思ってもらえる作品を届けられたらなと思いながら臨みました。最初は不安もあったのですが、たくさんの方に支えていただいて、次第に不安も解消されて演じることができたので、この作品がより多くの方の目に留まったらいいなと思います。

――さまざまな作品に出演経験のある飯島さんは、“ラブサイコスリラー”というジャンルについてどういう印象を持ちましたか?また、どういった演技プランで臨みましたか?

飯島:今回お話をいただいてから知った作品だったのですが、読んでみたら面白くて、どの年代の方でも楽しめる作品だと思ったんです。なので、どんどんアイデアを出して、表情のバリエーションなどで、まずはキャストやスタッフをとりこにしていかなくてはいけないなと思いました。

サイコスリラー”の要素については、皆さんが想像できないようなシーンをまず僕らが作って、あとは視聴者の皆さんに見てもらってこの作品を完成させてもらうというのが、僕が今回意識したことです。由良や舞との“ラブ”のところも、人間らしい愛情だったり、浮ついた気持ちだったりを、いやらしさとピュアさのバランスを意識して演じました。

■「現実にいたら怖いなと思う登場人物ばかり」

――それぞれが演じるキャラクターのアピールポイントを教えてください。

田中:それぞれのキャラクターがコンプレックスを抱えていますが、由良ちゃんもそうで、いろいろな過去があって今があり、それが本当に衝撃的な内容なんです。人間版の「チャッキー」みたいな感じで、何をしでかすか分からないキャラクターだなと思いました。陽介さんも本当に駄目な人で、舞さんだけがまともだと思っているのですが、現実にいたら怖いなと思う登場人物ばかりです。

飯島:まさしくその通りです。女性を怒らせてはいけないのだなと感じました。由良もそうだし、舞も目が怖かったですね。その視線が怖くて、お芝居をやっていくにつれてどんどん陽介のことを嫌いになってしまうくらいでした。

陽介自身は、自分の育った家庭環境を普通だと思っているんです。それぞれの“普通”が違うからこそ、いろいろな衝突が起きて、話が進むにつれてどんどんヒートアップしていきます。陽介自身も正解が分からなくなっていろいろと過ちを犯していくという、すごく人間らしいキャラクターです。

陽介は欲望が詰まったキャラクターなのでそこは絶対に生かしたいと思い、監督とプロデューサーと相談しながら作らせてもらいました。“普通”からしたらおかしいと思うのですが、それが陽介の生き方だから、僕はそこを尊重しながら演じさせてもらいました。

■ビジュアルは「今の若い世代に合わせたスタイル」を意識

――外見や立ち振る舞いなどの役作りで意識したことはありますか?

田中:私は、由良ちゃんに寄せるために黒髪にしてほぼツインテールにしていたのですが、エクステが意外と重くて大変でした。メークもピンク系を意識したり、ネイルも原作の由良ちゃんと同じネイルにしたりしました。

飯島:学校でもひときわ目立つキャラクターだったよね。座っているだけでも存在感がすごかった。

田中:ありがとうございます。衣装合わせの時にいろいろな地雷系のお洋服があったのですが、今の若い世代の子たちに合わせたスタイルにしようとなって、なるべくナチュラルなお洋服にしました。でも、撮影中に私と同じような格好をした一般の方が現れて、「ほんとにおるんや」と思ってびっくりしましたね。

自分の地雷系メークの姿を見て最初は結構違和感があったのですが、不思議なことに、由良ちゃんをどんどん知っていくにつれて、逆にこの格好じゃないと生きていけないというくらいしっくりきていた感じはします。

飯島:自然に着こなしていて、現場でも「さすが田中美久!」と評判でした。誰も似合わなそうなカチューシャも着こなしていてすごいなって(笑)。僕は英語教師の役なので、教師の振る舞いとして、発音よく、分かりやすくということを意識しました。あと、由良に対する動揺とかはなるべく出さないように、普通に授業をするようにして、学校生活以外のシーンでも大人の佇まいを意識しましたね。

――由良はかなり強烈なキャラクターですが、共感できた点はありますか?

田中:演技が終わった後に「私は何をやっているんだろう…」と思うこともあるのですが、由良は感情に正直なので、自分が欲しいものに真っすぐなところは私も少し似ているのかなと感じています。私も正直に生きていて、うそが嫌いだし、真っすぐ生きたいし、自由が大好きなので、そういう部分は似ているなと思いました。

また、私はアイドルになりましたが、元々たくさんのコンプレックスを抱えて生きていたので、由良ちゃんがコンプレックスがあって今もそれを抱えて生きているというところには共感できました。

――お互いの印象を教えてください。

飯島:クリスマスの時期にスチールを撮ったのですが、その時に初めてお話しさせてもらって、「ふわっとした方だな」という印象がありました。クリスマスプレゼントを全員に用意してくれていて、みんなで歓喜しましたね。それぐらい本当に優しい方ですが、そこから撮影を重ねるごとに、日に日に目が怖くなっていきました(笑)。

田中:飯島さんは、いろいろなお芝居をされている方なので、本当に支えになっていました。スチール撮影の時から、「もっとこうした方がいいんじゃないか」といろいろなことにこだわっていて、その姿を見て私も頑張ろうと思えました。

■裏ではとても仲良し「初めてお酒で記憶をなくして…(笑)」

――工藤役の森愁斗さん、舞役の宇垣美里さんとのエピソードがあれば教えてください。

田中:宇垣さんとはこのドラマですごく仲良くなって、クランクアップした次の日に2人で鍋を食べに行きました。それで、初めてお酒で記憶をなくして…(笑)。本当に申し訳なくて、翌朝謝罪の連絡をしたら、2月にお昼に和食を食べに行くことになりました(笑)。本編ではバチバチなのですが、裏ではとても仲良しです。

飯島:僕は逆に、現場の“女子会感”が半端ないから、あまり邪魔しないようにしていました。余計なことを言わないでおこうと(笑)。でも、たまに皆さんがおいしいご飯屋さんの話とかをしていたら、どこのお店か聞いて、盗めるところだけ盗んで…という感じでした。

田中:森さんとは、口にガムテープを貼るシーンなどいろいろ衝撃的なシーンがあったのですが、森さんのファンに怒られないかなと思いながら演じていました(笑)。でも、森さんも意外とノリノリでやってくれるのでやりやすかったですね。見ていて愛されるキャラクターだなと思いました。

飯島:工藤も結構狂っているよね。僕と直接2人でやり取りするシーンはないのですが、現場が一緒だったりした時、本当に程よい気持ち悪さが出ていて、これは森さんじゃないとできないなと遠くから見て感じていましたね。愛くるしかったです。

――撮影中、印象的だった出来事はありますか?

田中:私が、舞先生に「泥棒猫」というせりふがあったのですが、間違えて「いたずら猫」と言ってしまってNGを出したことがありました(笑)。

飯島:そんなことがあったんだ(笑)。現場は本当に和気あいあいとしていて、カメラが回っていない時は作品とは違って明るい話が多かったですね。僕は、宇垣さんとふざけてずっとカバディをしていました。

僕が行く手を止められるシーンが多くて、最初宇垣さんが止めてくる時、絶妙にダサいポージングだったんですよ。それで、僕が避けていったらなぜかカバディが始まって、そこからそういうシーンの度に2人でふざけて、監督にちょっと怒られるという(笑)。

リラックスできるところはなるべくリラックスしながらも、重たい感情を持つシーンが結構あるので、その時は皆さん静かに現場を作っていましたね。

――最後に、見どころと視聴者に向けたメッセージをお願いします。

田中:すごくいい作品になったなと自分でも思っていて、放送が楽しみな気持ちでいっぱいです。たくさんの方の心を動かせる作品になったらいいなと思います。

飯島:カップルとかでは見ないでください(笑)。というのは冗談ですが、それくらい刺激的で、誰もが夢中になれる作品ですので、多くの方にこの作品の魅力が伝わったらいいなと思います。ぜひ楽しんでいただけたらうれしいです。

ドラマ特区「シンデレラ・コンプレックス」でW主演を務める田中美久と飯島寛騎にインタビューを実施した/撮影=宮川朋久