日本語検定委員会は、みなさんと日本語の美しさや言葉のもつ力を見つめ直したいという願いから「日本語大賞」を設け、年1回実施しています。

第15回となる今回は、「『推し』の言葉」をテーマに、児童から大人まで広く作品を募集しました。

募集期間は令和5年6月1日(木)~9月15日(金)で、ご応募いただいたエッセイ・作文は5,126点に及びました。

第1次審査、第2次審査を経て、12名の審査委員による最終審査が行われ、部門ごとに優れた作品が選ばれました。

 

日本語検定委員会第15回「日本語大賞」

 

(第15回日本語大賞 審査結果)
https://www.nihongokentei.jp/grandprize/15_result.php

 

 

【文部科学大臣賞】

小学生の部  高橋 英志郎(たかはし えいしろう) 「やくせなかった言葉」

※「高」の字は、正しくは「はしご高」です。

インドネシア ブリティッシュスクールジャカルタ小学3年生

『作品本文』

ぼくは今、海外で生活しています。

夏休みに一時帰国して、以前所ぞくしていたサッカーチームの合宿にさんかしました。

夕食の時、号れいの係に指名されました。

コーチが、せっかくだから英語でやって、と言いました。

新しいメンバーはぼくのことを知らないので、まず自こしょうかいをして、次の日のために気合を入れてから「いただきます」を言うことになりました。

ぼくは、はりきって前に出ました。

英語の勉強のせいかを見せたいと思ったからです。

はじめはうまくいきました。

こしょうかいの後に(続きはウェブを確認してください)

https://www.nihongokentei.jp/grandprize/pdf/15rd/sho_01.pdf

 

中学生の部  鎌田 薫穂(かまだ くるみ)  「いみじ」

宮城県 古川学園中学校1年生

『作品本文』

私の推しの言葉、「いみじ」との出会いは、暇を持て余し、いよいよすることがなくなり仕方なく姉が勉強で使っていた古文単語帳を借りて読み始めた、一年前の夏にさかのぼります。

この古文単語帳は、見開き一ページに四つの単語があり、それぞれの言葉の左隣に関連するイラストが描いてあるものでした。

「いみじ」以外の他の三語はイラストとの関係がなんとなくイメージでき、現代語に少し似ている所があって、なじみがありました。

しかし、「いみじ」の隣に描かれていたイラストでは、平安時代を思わせる衣装を身に付けた男性の横に大きめの蛇、そしてその男性から吹き出しで、「いみじ!」と一言。

その蛇に向かって発せられているだけで、この時「いみじ」の意味を想像する事は出来なかったのです。

不思議に思い、「いみじ」の現代語訳を見てみると、(1)「たいそう~・甚だしい」(2)「すばらしい・うれしい」(3)「ひどい・悲しい」と主に三つの意味がある事がわかりました。

(続きはウェブを確認してください)

https://www.nihongokentei.jp/grandprize/pdf/15rd/chu_01.pdf

 

高校生の部  須賀 愛佳里(すが あかり)  「かなしい音」

埼玉県 白百合学園高等学校2年生

『作品本文』

雑踏を眺めるのが好きだ。

道行く人々の日常を想像するのが楽しくて、駅や交差点ではつい立ち止まってしまう。

友人と闊歩する大学生。

肩を寄せ合い歩く恋人たち。

交差点で大きく手を振り合う少女たち。

駅前で、待ち合わせの相手の到来を待っている人々。

皆がそれぞれにストーリーを持って、その日その時の雑踏の中に身を置いている。

なんだか宇宙に似ているな、と思う。

見上げると悩み事の数々が些細なものに見えてくる宙のように、雑踏も眺めているとふと自分の日常の小ささに気づかされることがある。

あの人は、これからどこへ行くのかしら。

あの人は、どうして走っているのだろう。

行き交う人々の物語に想像をふくらませると、たちまち雑踏の奥に無数の日常が広がり始める。

そうして人の数だけ在る日常の数々に思いを馳せるたび、ぽつんと立ち尽くす自分の世界の小ささを実感させられるのだ。

(続きはウェブを確認してください)

https://www.nihongokentei.jp/grandprize/pdf/15rd/koko_01.pdf

 

一般の部  山内 千晶(やまうち ちあき)  「受け取ったメッセージ」

福岡県

『作品本文』

自分が放った何気ない言葉を、ずっと胸に刻んでくれている人がいる。

彼女と私は、同じ血液がんの仲間。

同じ時期に同じ病院で、彼女は初発、私は再発で、骨髄移植を受けるために入院していた。

「何のご病気ですか?」

隣の病室だった彼女が、週に一回のシーツ交換の時に話しかけてきたのが最初だった。

白血病の治療は、免疫が著しく低下するので、感染を防ぐために隔離された無菌棟で行われる。

私が入院していた病院は、全員が個室で治療を受けていた。

患者同士が接触することは殆どなく、週一回のシーツ交換で全員が廊下に出るタイミング以外、接触することはなかった。

たまに病棟内にあるデイルームに出ることはあったが、ただでさえ治療で体調が安定しない患者同士、顔を合わせても挨拶程度で終わるのが常だった。

さらに無菌棟は見舞客も限られている。

感染を防ぐため、限られた身内しか無菌棟に入ることができないのだ。

特に小学生以下の子供は入室を禁止されていた。

私も彼女も、幼い娘をおいて治療をする母親だったので、すぐに意気投合。

(続きはウェブを確認してください)

https://www.nihongokentei.jp/grandprize/pdf/15rd/ippan_01.pdf

 

【主催・協賛・後援】

主催 特定非営利活動法人日本語検定委員会

協賛 読売新聞社/東京書籍/時事通信社/日本教育新聞社/教育新聞社/

教育家庭新聞社/全私学新聞/語研/湘南ゼミナールブロッサム横浜/

リーブルテック/学習調査エデュフロント/東京物流企画

後援 文部科学省/日本商工会議所/経団連事業サービス/海外子女教育振興財団/

全国高等学校国語教育研究連合会/全国高等学校PTA連合会/

スコーレ家庭教育振興協会/日本キャリア教育学会/手紙文化振興協会

 

 

【表彰】

小学生の部 文部科学大臣賞1点、優秀賞3点、佳作6点

中学生の部 文部科学大臣賞1点、優秀賞3点、佳作5点

高校生の部 文部科学大臣賞1点、優秀賞3点、佳作5点

一 般の部 文部科学大臣賞1点、優秀賞4点、佳作4点

 

【審査委員】

<審査委員長

梶田 叡一(聖ウルスラ学院理事長)

 

<審査委員>

東 武雄(読売新聞東京本社教育ネットワーク事務局長)/梶原 しげる(フリーアナウンサー・東京成徳大学経営学部客員教授)/蕪木 豊(彩の国総合教育研究所評議員・元埼玉県教育局指導部長)/境 克彦(株式会社時事通信社代表取締役社長)/佐々木 文彦(明海大学大学院応用言語学研究科・明海大学外国語学部日本語学科教授)/佐藤 和彦(ハリウッド大学院大学教授・ハリウッド美容専門学校副校長)/城 重幸(豊岡短期大学教授)/平林 正男(東京都高等学校国語教育研究会会長・東京都立保谷高等学校校長)/山内 純子(元全日本空輸株式会社取締役執行役員客室本部長)/吉元 由美(作詞家・作家・淑徳大学人文学部客員教授・洗足学園音楽大学客員教授)/渡辺 能理夫(東京書籍株式会社代表取締役社長)

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