冨安は昨年末のフラム戦以降、アーセナルの試合に出場できていない(C)Getty Images

 アーセナル冨安健洋は日本代表として出場していたアジアカップを終え、今月上旬にクラブに復帰するも、まだ公式戦のピッチには立っていない。現在までクラブからは「ふくらはぎに問題がある」と伝えられており、ミケル・アルテタ監督は現地時間2月24日ニューカッスル戦に向けた会見で冨安について「復帰までもう少し時間が必要」と説明していた。

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 冨安は昨年12月にもふくらはぎを負傷し、戦列を離れている。年末のフラム戦で復帰を果たし、その後日本代表に合流。アジアカップでは4試合に出場し、グループステージ3戦目のインドネシア戦からベスト8のイラン戦までフル出場を続けた。

 負傷者が続出するアーセナルにおいて、ディフェンスラインの要として期待の大きい冨安の欠場が長引くことはチームにとって痛手であることは間違いない。明確な復帰時期も見通せていないことからも、現地メディアではクラブに対して、故障が続く日本人DFへの適切な対応を求める声が上がっている。

 アーセナルの情報を専門に扱う『Daily Cannon』は現地時間2月27日の特集記事の中で、冨安の現状について、「ミケル・アルテタの最近のコメントから、トミヤスのふくらはぎの問題は単なる“痛み“ではないことが確認された」と伝えている。

 また、「アーセナルのチームに復帰する準備ができていない」と記しながら、「今回の負傷は、2021年にボローニャから1700万ポンド弱でガナーズに移籍して以来、トミヤスにとって3度目のふくらはぎの故障となる」と指摘。

 その上で、ボローニャ所属時からの故障歴を振り返り、また、ふくらはぎの怪我の性質などにも触れながら、「クラブはトミヤスの復帰を急ぐよりも、長期的な回復を優先し慎重な姿勢で臨むだろう。今シーズンの残りを欠場することはないだろうが、彼の故障歴からすれば、復帰がさらに遅れる可能性はゼロではない」と論じている。

 同メディアは「アーセナルが今シーズン、そしてそれ以降の成功を目指す上で、彼の貢献は極めて重要である」と強調しており、「単に症状を治療するのではなく、トミヤスの怪我の根本的な原因に対処することが、持続可能な完全復帰にとって重要だ。そのためには、リハビリ期間を長めにとり、再発のリスクを最小限に抑えるために徐々にチームに復帰していくことが必要かもしれない」と見通している。

 アーセナルは現在も上位争いを続けており、来月にはチャンピオンズリーグのゲームも控える。今後も、これまで以上に強度の高いプレーが求められる戦いとなる中、冨安の戦列復帰は果たしてどのタイミングとなるのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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