STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、新しいポイント・ツー・ポイント近接無線トランシーバIC「ST60A3H0」および「ST60A3H1」を発表しました。両製品を使用することで、デジタル・カメラやウェアラブル機器、ポータブル・ハード・ディスク、小型ゲーム機など、一般的に普及しているアクセサリやパーソナル電子機器においてケーブルやコネクタが不要になります。また、回転機構を持つ機械など、産業機器のデータ転送における課題にも対応します。

ST60A3H0およびST60A3H1は、ケーブルに代わる低コストの選択肢として、スタイリッシュで防水性を備え、便利なワイヤレス・ドッキングができる、スリムな密閉型筐体を備えた製品開発を実現します。接続すべきデバイスを瞬時に見つけて接続するため、ペアリングの手間がかかりません。また、消費電力が低いため、バッテリ駆動時間の延長に貢献します。同製品は、60GHzのVバンドで動作し、eUSB2、I2C、SPI、UART、およびGPIOのトンネリング機能を提供します。

消費電力は最小限に抑えられており、eUSB受信 / 送信モードで130mW、UART / GPIO / I2Cモードではわずか90mW、シャットダウン・モードでは23µWです。USB 2.0 High-Speed規格に相当する最大480Mbpsでデータ交換できるため、無線接続にもかかわらず、有線接続と同等のスピードと低レイテンシを実現します。

ST60A3H1は、最終システムの設計を簡略化する内蔵アンテナを備え、小型のVFBGAパッケージ(3 x 4mm)で供給されます。ST60A3H0は、外部アンテナを接続するように設計されており、各種アプリケーションに柔軟に対応できます。パッケージ・サイズは、さらに小さい2.2 x 2.6mmです。

ST60A3H0およびST60A3H1は、安全なガルバニック絶縁が可能であり、粉塵や湿気など劣悪な環境にも耐えることができるため、産業機器において大きなメリットを提供します。また、ロボット・アームのような可動装置や、回転機構を持つレーダーやLiDARなどの機械・計器にも最適です。機械的摩耗が発生しないため、回転数によって寿命が制限されません。そのため、スリップリングよりも信頼性が高く、特に高速信号の場合、光ファイバ用のロータリ・ジョイント(FORJ)よりも低コストです。

両製品ともに、ソフトウェア・ドライバプロトコルスタックインストールが不要で、簡単に使用可能です。ユーザ体験の向上に貢献するとともに、FOTA(Firmware Over-The-Air)アップデートなどにより製造中や販売後に製品のテストやデバッグコンタクトレスで高速かつ効率的に行えます。

ST60A3H0およびST60A3H1は現在量産中で、STの10年間の長期製品供給保証プログラムの対象製品です。サンプルも提供中で、単価は約5.00ドルです。詳細な技術データ、評価キット、量産価格は、機密保持契約締結後に提供されます。

詳細については、ウェブサイト( https://www.st.com/ja/wireless-connectivity/60-ghz-contactless-products.html )をご覧ください。

STマイクロエレクトロニクスについて

STは、50,000名以上の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、クラウド接続型自律デバイスの普及を可能にします。STは、2027年までのカーボン・ニュートラル(スコープ1、2、および3の一部)の実現を目標にしています。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st.com)をご覧ください。

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STマイクロエレクトロニクス(株)

マイクロコントローラ & デジタル製品グループ

108-6017 東京都港区港南2-15-1

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TEL : 03-5783-8240

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