日本女子代表(なでしこジャパン)の主将DF熊谷紗希(ローマイタリア)が29日、メディア対応を行なった。

 パリオリンピック出場権を懸けたアジア最終予選で北朝鮮女子代表と対戦し、2戦合計スコア2-1で2大会連続6度目の本大会出場を決めたなでしこジャパン。前回の東京オリンピックは開催国枠として出場したため、アジア枠としての出場は2012年のロンドンオリンピック以来となったわけだが、熊谷は「ホッとした。やっとスタートラインに立てた」とした一方で、ファーストレグの開催地を巡る問題に苦言を呈した。

 同予選で北朝鮮女子代表との対戦が決定した当初は、ファーストレグの開催地は北朝鮮・平壌で進められていたものの、外交的要素を踏まえた結果、アジアサッカー連盟AFC)が3日前にサウジアラビア・ジッダ開催に変更。この二転三転なでしこジャパンにも累を及ぼし、海外組の一部選手は日本帰国後即サウジアラビア出国を余儀なくされるなど、選手ファーストとは名ばかりのドタバタ劇に。かねてより苦言を呈していた熊谷は「やっぱり今だから言えますけど、正直4日前までに開催地が決まってなくて、選手が結構大きめな移動を余儀なくされるというのは正直、正直あっちゃいけないことだなと思います」と改めつつ、以下のように続けている。

「このようなことが今後、当たり前に起きて欲しくないというか、当たり前にあっちゃいけないなと思うので、すでにFIFPro(国際プロサッカー選手会)の方とは連絡を取っていますが、そこはしっかりとしたレギュレーションを設けるべきだとういうことを伝えるつもりです」

 また、熊谷は「とにかく、戦っている最中は何一つ言い訳にはできなかったので、本当に全部終わってからやるべきことは、やろうかなと思って、だからこそ勝ったから言えることなのかなとも。やっぱり、今後このようなことがあってはいけないので、そこはしっかり伝える義務があるのかなと思います」となでしこジャパンの主将として進言する必要性があると語った。

 具体的な方法については、「まだ確定ではないですけど、FIFPro自体がAFCの方々といろんな改善のためにミーティングを設けてくれているので、そこで上げてもらうのが現場からの声として一番効力があるのかなと考えています。どの形が一番いいかはちょっと相談しながら、レターでも全然書けますし、話す機会を設けていただければ話せるので、その辺りは相談しながらですかね」と明かしている。

 来月には、男子チームがアジア2次予選で北朝鮮代表とのアウェイゲームを控えているが、無事に開催されるのだろうか。

開催地変更問題に改めて言及した主将DF熊谷紗希