玉城ティナ飯豊まりえがW主演を務める、極限のゾンビサバイバル「君と世界が終わる日に」シーズン5(Huluで独占配信中、毎週金曜エピソード更新)。2月23日に配信された第3話では、冬馬(柿澤勇人)がレジスタンスたちに追い込まれる様子が描かれた。本記事では、考察を踏まえながら第3話を振り返る。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】眼帯姿もカッコいい…レジスタンスを率いる小久保寿人“坪井”

■「君と世界が終わる日に」シーズン5とは

ゴーレムウイルスという噛まれたら噛まれたら化け物になってしまう“謎の感染症”によって、突然日常を奪われた人々の過酷なサバイバルと濃厚な人間ドラマが描かれる「君と世界が終わる日に」(※通称「きみセカ」)。シリーズ最終章となるシーズン5では、2024年1月公開の「劇場版 君と世界が終わる日に FINAL」で描かれなかった人類最後の希望の都市“ユートピア”のもう一つの塔を舞台に、明日葉や佳奈恵たちが最終決戦に挑んでいく。

本シーズンでは、財団会長の娘・明日葉役の玉城ティナと、元女子大生である佳奈恵役の飯豊まりえがW主演を務める。また続投キャストとして、元詐欺師の海斗役の前田公輝、元OL・ゆら役の佐野ひなこ、明日葉の元婚約者・冬馬役の柿澤勇人、明日葉の側近・加州役の溝端淳平らも登場。

そして新キャストとして、ユートピアの現代表で冬馬の父・漆原徳秋役の尾美としのり、塔の監視・富岡美津夫役の袴田吉彦らを迎え、過去シーズンに登場した秋吉蓮役の本郷奏多、坪井役の小久保寿人、三原結月役の横溝菜帆も、本シーズンで復活出演を果たしている。

■漆原からの提案を聞き、心が揺らぐ明日葉…

第2話ラストで“レジスタンス”の世界に落とされた加州(溝端淳平)。“アンダー”にやって来た冬馬(柿澤勇人)たちは、“アンダー”の住民の中から反逆者・レジスタンスを見つけるという“レジスタンス狩り”を始めていた。

一方、ゆら(佐野ひなこ)の死を悲しむ明日葉(玉城ティナ)は、柳から「元老院による会議に参加してほしい」と頼まれる。“タワー”の大切なことを決める会議だが、参加者のほとんど漆原(尾美としのり)サイドの人間であるため、元老院入りの資格がある明日葉にも参加してほしいとのことだった――。

いざ始まった会議では、数が膨れ上がった“アンダー”を管理するのは難しいと考える漆原が、ユートピアを存続させるために“アンダーの閉鎖”を提案する。そして会議後、漆原に呼び止められた明日葉は「柳を信用してはいけない」と吹き込まれたうえで、「アンダー閉鎖に賛成すれば、かつての仲間を(タワーへ)呼んでも構わない」と告げられる。加州との再会を願う明日葉は、この提案に揺らぎ始める…。

すると明日葉のもとに海斗(前田公輝)がやって来て、加州がルールを破り明日葉に会いに行こうとしたことで処刑されたと聞かされる。絶望する明日葉に対して、海斗は「お前にはやることがある」と言い放ち、アンダーの閉鎖に賛成して佳奈恵を助けるよう頼むのだった。

■“アンダー”でピンチを迎える冬馬のもとにやって来たのは…

冬馬たちがアンダーで“レジスタンス狩り”をしていることを知ったレジスタンスの面々は、冬馬と警備兵たちに襲い掛かる。なんとか逃げ切った冬馬は“アンダー”の住人に扮して“アンダー”の中を彷徨っていたところ、“タワー”から出たゴミを必死に漁っている子供たちと遭遇し、配給が足りていないという現実を目の当たりにする…。

その後、物乞いしてくる子供たちから逃げる途中で“遺体が積まれた穴”に落ちてしまい、パニック状態に陥る冬馬。そこに現れた佳奈恵(飯豊まりえ)は無線機で漆原と連絡を取り、「(アンダーへの)配給を今の2倍に増やしてほしい。要求を飲まなければ、あたなたの息子(冬馬)を殺す」と、取引を持ちかけるのだった。

しかし漆原は、「一度でも彼らの要求を飲めば、これから先、同じことが繰り返される」と要求には否定的な様子。そして近くにいた明日葉は、レジスタンスの襲撃の黒幕が柳であると聞かされる。その後、柳は“レジスタンスの協力者”として処刑されてしまう…。

実は明日葉は柳の生前、「漆原に盾突くような行動をする自分は、じきに何かしらの罪をでっち上げられ処される。その時は自分を信じ、新山会長の意思を継いでほしい」と頼まれていた。

その後の元老院での会議で、明日葉は助けを求めやって来た“アンダー”の人々を憎むのではなく、アンダーの現状を知ってから決断すべきだと伝え、冬馬を救うためにも「私を“アンダー”に行かせてください」と頼む。

一方、“アンダー”では坪井(小久保寿人)のこれまでの出来事が明らかに。片目を失った坪井があてもなく彷徨っていたところ、新山会長に拾われたそうだが、2年前、新山会長は漆原に殺されたという。自分の目の前で命の恩人を失った坪井は、その後漆原に対抗するため“レジスタンス”を結成。坪井は加州と佳奈恵に「力を貸してほしい」と頼み、2人とも了承するのだった――。

そんな中、佳奈恵たちのもとに漆原から、“要求には応じない”“人質も好きにしろ”という連絡が入る…。たとえ息子の命がかかっていても、漆原が優先したのは“自分が思い描くユートピア像”だったのだ。

こうしてレジスタンスたちが冬馬を追い詰め、刀を振り上げたその瞬間、明日葉が“アンダー”にやって来る。そして「彼は私の婚約者です」と告げ、冬馬の解放を求める。明日葉からの突然の要求に、佳奈恵と加州は驚きを隠せない表情を浮かべていた――。

■邪魔者を排除していく漆原…明日葉にも危険が迫る?

漆原という男は、自分にとって都合の悪い存在は、誰であろうが排除する非道な精神の持ち主であることがわかった。現に、新山会長と意見が合わないと感じた漆原は、世話になった身であるにもかかわらず、新山会長を殺害している。

また見捨てられた冬馬に関しては、明日葉からの説得や“アンダー”の事情を知り心が揺らいだことで、漆原にとっては“不要な存在”になってしまったのかもしれない。

そして、同話で射殺されてしまった柳の存在も同様だ。柳は明日葉に“漆原の真実”を伝えようとしたことで、自身の立場が危うくなった漆原は柳が邪魔になり、“レジスタンスの協力者”と罪をでっちあげて殺してしまったのだろう。

始めは新山会長の娘である明日葉を味方につけようとしたが、ここで明日葉が自ら立ち上がり新山会長の意思を継ぐとなると、明日葉も漆原の標的にされてしまう可能性が考えられる。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

「君と世界が終わる日に」シーズン5 第3話より/(C)HJホールディングス