「トポロジカル物質」の社会実装を目指すTopoLogic株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:佐藤太紀)は、SBIインベストメント株式会社、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)、大和企業投資株式会社、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)、株式会社アイティーファーム(IT-Farm)、JMTCキャピタル合同会社、Plug and Play Japan株式会社を引受先とした第三者割当増資により、7億円の資金を調達したことをお知らせします。これにより、累計調達金額は8.3億円となりました。


トポロジカル物質とは

トポロジカル物質は、これまでの物質とはまったく異なる電子バンド構造を持ち、従来の代表的な物質である絶縁体・導体(金属)・半導体には見られない現象を起こす物質です。2016 年には、「トポロジカル相転移および物質のトポロジカル相の理論的発見」の業績で、3名の研究者がノーベル物理学賞を受賞しました。

トポロジカル物質を用いれば、従来の物質では成し得なかったレベルの高度な「エネルギーの可視化」「省エネルギー化」を推進でき、エネルギー問題への貢献を加速させることも可能となります。

資金調達の用途

1.MRAMプロトタイプチップの開発

現在、トポロジカル物質を用いた新たなメモリ「TL-RAM(TM)」の開発に着手しております。このたびの資金調達の主な用途は、次フェーズとなる2025年末を目処としたプロトタイプチップの設計・開発・実証です。

トポロジカル物質を用いた素子の有用性、プロセス適合性の実証とともに、本素子を用いた「TL-RAM(TM)」のメモリデバイスのPoCを行い、従来のメモリデバイスを凌駕した性能を示すことにチャレンジいたします。


「TL-RAM(TM)」

従来の製品と比較して、次の3つの強みを持つMRAM(磁気メモリ)です。

1.10分の1以下の低消費電力

2.2桁速い超高速書き込み

3.低消費電力化による高集積化

近年、ChatGPTをはじめとするAIの急速な普及により、大規模なデータセンターの新設と、それに伴う消費電力が世界的に急増しています。国際エネルギー機関(IEA)の試算では、2026年に予測される消費電力量は最大で2022年の2.3倍と、さらなる急騰が見込まれています。

こうした現状において、Topo Logicは、「TL-RAM(TM)」の実用化・普及を通じ、メモリに基づく総エネルギー消費量をドラスティックに低下させ、世界中の誰もがサステナブルな暮らしを送れる省エネルギー社会の実現を目指しています。

2.熱流束センサの応用開発

現在、幅広い企業様と協働で、熱流束センサ「TL-SENSING(TM)」のPoC(技術検証)を実施しております。今後は熱流束センサの実用化に向け、パートナー企業様とのキラーアプリケーションについての実証を完了させ、熱流束センサを用いた具体的なプロダクト・システムの開発と上市を目指してまいります。


「TL-SENSING(TM)」

従来の製品と比較して、次の3つの強みを持つ熱流束センサです。

1.100倍以上の高速応答

2.1000分の1以下の薄膜構造による低熱遮蔽性

3.100分の1以下の低コスト製造

微細な「熱」を0.01秒未満で可視化し、異常現象を高速検知します。活用例は、バッテリーやパワー半導体の異常検出・故障予知、体温や車内・室内の熱快適性コントロールデバイス、反応触媒・光吸収膜を組み合わせた化学センサ、ガスセンサなど、多くの用途への可能性があります。

「TL-SENSING(TM)」の実用化・普及により、これまで産業現場で見過ごされてきた「熱」の課題を解決し、より安全かつ便利に電子デバイス・半導体デバイスを活用できる社会の実現を目指しています。

資金調達の概要

調達金額:7億円

調達方法:第三者割当増資

引受先:SBIインベストメント株式会社、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)、大和企業投資株式会社、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)、株式会社アイティーファーム(IT-Farm)、JMTCキャピタル合同会社、Plug and Play Japan株式会社

投資家の皆様からのコメント

SBIインベストメント株式会社 投資部 マネージャー 鈴木 洲平 氏


2016年にノーベル物理学賞を受賞したトポロジカル物質はいよいよ研究の垣根を越えて、社会実装をされようとしています。

理学的見地と工学的見地が融合し、設立されたTopoLogic社はこのトポロジカル物質を社会実装するという、非常に夢にあふれたミッションに取り組もうとしており、今回リードインベスターとして携わることができて非常に光栄に思っています。

今までの常識を覆す量子マテリアル領域の未来はTopoLogic社と彼らを支援する方々で作られていきます。是非注目をしていただければと存じます。

最後に、今回TopoLogic社への出資を検討するにあたり数多くの方からご助言賜りまして、誠にありがとうございました。この場を借りて深くお礼申し上げます。

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)

協創1号CIO パートナー 河原 三紀郎 氏


本分野の基礎研究で世界をリードする中辻・酒井研究室の研究成果の社会実装を目指すTopoLogic社には初期から支援させていただいており、今回本格的な研究開発に向けた資金調達まで進展したことを嬉しく思っております。

社会実装に長い時間と投資が必要とされる素材分野ではありますが、トポロジカル物質を応用した同社独自のMRAMの開発、超高速応答熱センサーの開発が、各業界のパートナーと共に着実に進捗している状況です。

MRAMは、30年以上前から究極の半導体メモリ技術と期待されながら、技術的な課題から限定的な発展にとどまってきました。Topologic社の技術は、この状況をブレイクスルー出来る十分な可能性を秘めております。また、これらの展開においては、国内外の多くの事業会社との連携が不可欠です。東大IPCのイノベーション・エコシステムのネットワークを最大限活用し、その実現をともに目指してまいります。

大和企業投資株式会社 取締役 国内投資運用第一部長 後藤 聴武 氏


TopoLogic社は、量子科学に基づく新規材料であるトポロジカル物質の社会実装を目指し、熱流センサやメモリ素子開発を進める東京大学発のディープテックスタートアップです。同社の製品が活用されるようになれば、従来の材料では成し得なかった省エネルギー化も実現できるでしょう。

日本は、材料技術や新素材の開発に競争力を有しており、佐藤代表を中心とした素晴らしい経営チームが率いる同社も、いずれ世界に誇る企業になると確信しております。

TopoLogic社の成長に貢献できるよう、弊社のみならずグループネットワークも活用し、全力で支援して参ります。

TopoLogic株式会社代表のコメント


代表取締役CEO(Chief Executive Officer) 佐藤 太紀

TopoLogicには、国内屈指の開発経験を持つ半導体エンジニアや、弁理士である取締役COO澤井をはじめ、特許に強いメンバーが在籍しています。

この度の資金調達は、弊社の事業やトポロジカル物質の可能性に共感いただくとともに、こうした力のあるチームメンバーの技術と熱意に対し、投資家の皆様から信頼と期待の念をお寄せいただいたことで実現いたしました。

投資家の皆様には、この度の投資について検討から決断まで、ご尽力いただきましたことを厚く御礼申し上げます。

今後はご参画いただいたパートナー企業の皆様と協調し、弊社だけでは実現できないネットワーク構築などもサポートいただきながら、世界でいち早くトポロジカル物質を社会実装し、世の中のコンピューティングや熱に関する課題の解決を行っていき、グローバル社会をリードする企業を目指してまいります。

TopoLogic株式会社について

TopoLogic株式会社は、トポロジカル物質の社会実装を通じ、世界の産業課題の解決を目指す東大発・研究開発型スタートアップです。

ミッション

私たちのミッションは、トポロジカル物質で世界中の産業現場が抱える困難な課題を解決することです。この革新的な物質の社会実装によって、豊かな社会の永続的な実現を目指すべく、東京大学大学院・中辻研究室の協力のもと、デバイスの開発や協業企業様との技術提携に取り組んでいます。


採用について

TopoLogicのミッションに共感し、積極的な姿勢でともに事業と組織を大きくしていける方を募集しています。

※採用強化中のポジション:半導体(半導体設計エンジニア・プロセスエンジニア)、熱流束センサ(事業推進責任者・エンジニア)、オープンポジション

【TopoLogic採用ページ】https://open.talentio.com/r/1/c/topologic/homes/3912

【資料請求フォーム】https://www.form-answer.com/applications/BE9H2

【お問い合わせ専用メールアドレスinfo@topologic.jp

配信元企業:TopoLogic株式会社

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