つくばエクスプレスで、2005年の開業以来初めて、快速列車の停車駅が変更されます。快速は停車駅は増えても、所要時間が変わらないともされていますが、どのような背景があるのでしょうか。

快速が新たに八潮駅に停車

つくばエクスプレスを運営する首都圏新都市鉄道は、2024年3月16日(土)に実施するダイヤ改正で、快速列車八潮駅埼玉県八潮市)に停車させます。快速の停車駅が変更されるのは、2005年の開業以来初となります。どのような背景があるのでしょうか。

現在、快速の停車駅は秋葉原~北千住までの各駅と、南流山、流山おおたかの森、守谷、つくばとなっています。日中時間帯は毎時2本が運転されています。

八潮駅へ新たに停車する快速の本数は、平日は上り22本、下り21本(土休日は上り31本、下り32本)。これまで同駅には普通、区間快速通勤快速が停車するものの、快速のみが通過する状況が続いていました。

今回、快速の停車駅を増やした理由について、首都圏新都市鉄道は「八潮駅は全20駅中、乗車人員が5番目に多く、現行の快速停車駅に匹敵します」としたうえで、「ホームが2つある2面4線という構造を活かし、快速列車普通列車の対面乗り換えを可能にして周辺駅の利便性向上を図ります」(広報課)と話します。乗車人員と駅の構造が決め手になった形です。

八潮駅の乗車人員は、秋葉原、北千住、流山おおたかの森、南流山に次ぐ5位。コロナ禍で直近の駅利用者は減少したものの、それ以前は増加傾向にありました。また、2面4線の構造を活かし、区間快速通勤快速については今でも、普通列車との対面での乗り換えが実施されています。

停車駅が増えても全区間の所要時間が変わらない理由とは

つくばエクスプレスにおいて、2面4線で優等列車と普通列車の対面乗り換えが可能な駅は、八潮と流山おおたかの森、守谷の3駅。このうち、八潮だけ快速が停車しない状態が続いていました。快速の停車後は、区間快速通勤快速の対面乗り換えについても継続します。

快速は、八潮へ新たに停車した場合でも、秋葉原~つくばの最速所要時間が従来と同じく45分となります。この理由については「八潮駅に停車することで所要時間は1分増加しますが、各駅の停車時間を調整することで、所要時間を維持します」(同)。

今後、八潮以外にも快速の停車駅を追加する予定については「現在のところ、快速の停車駅を追加する考えはない」としています。

3月16日ダイヤ改正ではこのほか、八潮発秋葉原行き普通列車2本が増発されます。快速列車が停車することに加え、始発列車も増えることで、八潮駅の利便性が大幅に向上しそうです。

つくばエクスプレス(画像:写真)。