ウィリアム皇太子が、英ロンドンにあるシナゴーグユダヤ教の会堂)を公式訪問した。皇太子が公の場に姿を見せたのは、ウィンザーでの追悼礼拝への出席を直前に取りやめて以来のことだ。現地で皇太子は、療養中のキャサリン皇太子妃への花束を贈られたほか、ホロコースト生存者の女性からお見舞いの言葉を伝えられる場面もあった。

ウィリアム皇太子が現地時間2月29日午前、英ロンドンの中心部にあるユダヤ教の会堂「ウェスタン・マーブルアーチシナゴーグ(Western Marble Arch Synagogue)」を公式訪問した。

皇太子が公の場に姿を現すのは、2月27日に英ウィンザー城の聖ジョージ礼拝堂で執り行われたギリシャの元国王コンスタンティノス2世の追悼礼拝への出席を急遽辞退して以来のことだ。

今回の訪問は1月の「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」に予定されていたが、キャサリン皇太子妃が腹部手術を受けて入院したため延期となった。皇太子妃は同月29日に退院し、現在はウィンザーの自宅で療養生活を送っている。

「ウェスタン・マーブルアーチシナゴーグ」に到着した皇太子は、ホロコーストの生存者やユダヤ人学生を代表する若者達、次世代の反ユダヤ主義撲滅を支援する人々と対面。昨年10月7日ハマスの攻撃とイスラエルによるガザでの報復軍事作戦以来、反ユダヤ主義が増加していることを聞かされた。

また、同シナゴーグを率いるダニエル・エプスタイン師と対面した際には、キャサリン皇太子妃のために花束を贈られる場面もあった。

さらにホロコーストの生存者レネー・ソルトさん(94)が、皇太子と対面し「奥様がお元気だったら、きっとこの場所に来てくれたでしょう。彼女の姿が見られなくて、とても寂しいです。どうか私からのお見舞いの気持ちを伝えてください」と皇太子妃への思いを伝えた。

レネーさんはナチスの強制収容所での体験を回想すると、皇太子から「どのように乗り越えたのですか」と尋ねられて、「簡単ではなかったわ。でも、どうにか生き延びたのよ」と答えた。

続けてレネーさんは、ここ数か月間の反ユダヤ主義の高まりについて、第二次世界大戦中のナチス以来、最悪のものだと語った。そして、これにより家族がどのような影響を受けたかについても話した。

すると皇太子はレネーさんの手を握り、「こんなことになってしまい、本当に残念です。きっと状況は良くなります」と伝えた。

皇太子ユダヤ人の学生達の議論に参加した際、「反ユダヤ主義は社会に存在しません。前にも言いましたが、もう一度言います」と彼らのコミュニティに対するヘイトの高まりを非難した。そして、「キャサリンも私も、今朝みなさんが雄弁に語ってくれた、反ユダヤ主義の台頭を非常に懸念しています」と付け加えた。

訪問後、ユダヤ人学生連合会長のエドワードアイザックスさんは、ウィリアム皇太子のことを「盟友」だと称賛した。

画像は『The Prince and Princess of Wales Instagram「At the Western Marble Arch Synagogue this morning to see and hear about the invaluable work of the Holocaust Educational Trust @holocaustuk」』より
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

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