英語習得に近道はないと言われていましたが、AIの進化とChatGPTの登場により、近道が開かれました。ChatGPTをうまく活用して、楽しみながら英語力を上げていきましょう。ChatGPTとの会話を通した英語レベル向上の方法について、著書『AI英語革命 -ChatGPTで英語学習を10倍効率化-』(リチェンジ)より、谷口恵子氏が解説します。

ChtaGPTと会話をしながら英語の誤りを指摘してもらう

ChatGPTとはずっと会話を続けていくことができます。そして、ChatGPTは多少こちらの英語に間違いがあっても、推測して会話を続けてくれます。テンポよく会話を楽しみたいときにはそれでよいのですが、英会話をしながら自分の英語レベルを上げていきたい場合は、ChatGPTに英語の誤りを直してもらうのがおすすめです。

英会話スクールやオンライン英会話などの対人コミュニケーションでも、自分の話した英語のミスを毎回指摘してもらうというのは、なかなか難しいものです。それに、指摘された内容を全部覚えておくことが難しかったり、その場でメモを取るのも大変です。

ChatGPTなら、会話の履歴がテキストで残るので、いつでも振り返って確認することができて便利です。プロンプトの型をベースに、「私が英語のミスをするたびに、どんなミスをしたのか、どう直せばいいのか教えてください」「ミスの指摘の後は、また英語で会話を続けてください」の2つを追加してみましょう。

【ユーザーの依頼】

英語で会話をしましょう。

・あなたの名前はJennyです。

・私の名前はKeikoです。

・私が英語のミスをするたびに、どんなミスをしたのか、どう直せばいいのか教えてください。

・ミスの指摘の後は、また英語で会話を続けてください。

・1回の会話は50ワード以内にしてください。

・夏の予定について話しましょう。

・あなたはJennyとしての発言だけをしてください。

それでは、あなたから英語の会話を始めてください。

【以下、ChatGPTとユーザーの会話例】

ChatGPT):Hello Keiko, I'm Jenny. The summer season is just around the corner! Do you have any plans for this summer? I personally love to go to the beach, soaking up the sun, and just enjoying the beautiful ocean view. What about you?

(ユーザー):I love to go to the beach, too! I'm planning to try a surfing this summer.

ChatGPT):That's great, Keiko! However, the correct way to say it would be,  "I'm planning to try surfing this summer, "without the 'a'. So, do you have a particular beach in mind where you'd like to surf?

(ユーザー):I have no ideas. Do you know somewhere good?

ChatGPT):Just a little correction, Keiko. Instead of saying "I have no ideas," you should say "I have no idea." As for good places to surf, California and Hawaii are renowned for their surfing spots. Have you ever considered visiting there?

気になる日本語訳と会話設定のコツ

【日本語訳】

ChatGPT:こんにちは、ケイコ。私はジェニーです。もうすぐ夏がやってきますね!今年の夏の予定は何かありますか?私は特に海に行って日光浴をしたり、美しい海の景色を楽しむのが好きです。ケイコさんはどうですか?

ユーザー:私も海に行くのが好きです!この夏はサーフィンを始めてみようと思っています。

ChatGPT:それは素晴らしいですね、ケイコ!ただ、表現を直すとI'm planning to try surfing this summer のほうが正しいです。'a'は必要ありません。それで、特にサーフィンをしたいと思っているビーチはありますか?

ユーザー:わかりません。どこか良い場所を知っていますか?

ChatGPT:ちょっとした訂正ですが、ケイコ。I have no ideas ではなくI have no idea のほうが適切です。そして、サーフィンに適した場所として、カリフォルニアハワイが有名ですよ。そこに行ってみることを考えたことはありますか?

先ほどのプロンプトの結果、このような英会話が展開されました。

下線部分のように the correct way to say it would be, "I'm planning to try surfing this summer," without the 'a'. や Instead of saying "I have no ideas," you should say "I have no idea." と、こちらの発言の中に英語のミスがあるたびに、ChatGPTが正しい英語を教えてくれています。

また、英語のミスの指摘の後も、これまでの流れを断ち切ることなく、同じテーマで会話を続けてくれていますね。このように楽しく英会話をしながら、ミスをしたときには英語の先生として振る舞ってくれるのが、ChatGPTの凄いところです。

【プロンプトの型】

英語で会話をしましょう。

・あなたの名前はJennyです。

・私の名前はKeikoです。

・私が英語のミスをするたびに、どんなミスをしたのか、どう直せばいいのか教えてください。(1)

・ミスの指摘の後は、また英語で会話を続けてください。(2)

・1回の会話は50ワード以内にしてください。

・夏の予定について話しましょう。

・あなたはJennyとしての発言だけをしてください。

それでは、あなたから英語の会話を始めてください。

(1)自分の英語に間違いがあった場合には、その都度指摘するように頼みます。

(2)このプロンプトにより、あくまで会話の流れの中で、英語のミスを直してもらうことができます。ちなみに、このプロンプトを入れずに会話を始めると、英語のミスを指摘した後に元のテーマから離れた会話を展開してしまう可能性があります。

私が試したときには、英語のミスを指摘してくれた後に、ChatGPTの意識が「英語の指摘」のほうに向いてしまい、「Are you taking lessons, or are you going to learn on your own?」という英語学習に関する質問が返ってきたこともありました。ただ、いつもこのように脱線するわけではなく、元のテーマに戻ってくれるときもあります。いずれにしても、会話をどんどん続けていきたい場合には、(2)のプロンプトを入れておくのが確実でしょう。

谷口恵子

AI活用コミュニティ

代表

(※写真はイメージです/PIXTA)