運動不足を解消するために、スポーツジムに通っている人は多いと思います。スポーツジムは好きなときに気軽に運動できるのがメリットですが、SNS上では「スポーツジムに通った後、水虫になった」「足指の裏がかゆく、ジムで水虫をもらってきた可能性が高い」という内容の声が上がっています。

 スポーツジムに行くと、水虫になるリスクが高くなるのは本当なのでしょうか。注意点について、あんどう歯科・美容皮フ科(名古屋市昭和区)の皮膚科医、安藤かおりさんに聞きました。

足をゴシゴシ洗うと逆効果

Q.そもそも、スポーツジムの利用がきっかけで水虫になるケースは多いのでしょうか。

安藤さん「『スポーツジムに通い始めてから水虫になってしまった』と言って、皮膚科を受診する人はとても多いです。スポーツジムで水虫に感染しやすい主な理由は、次の通りです」

(1)湿度、温度が高い
スポーツジムは運動施設のため、湿度や温度が比較的高い傾向にあります。これは水虫の原因となる「白癬菌」の繁殖にとって好条件であり、感染が広がりやすいです。

(2)多くの人が設備や器具を共有
スポーツジムでは、多くの人が同じ設備や器具を使用するため、床や更衣室のほか、シャワールームといった入浴設備などが感染源となることがあります。特にはだしで歩くことが多い更衣室や入浴設備は、足拭きマットや床を通じて感染リスクが高まるため、スポーツジムの利用後に水虫にかかってしまうことは珍しくありません。

多くのスポーツジムは設備内の衛生状態を管理しているとは思いますが、全ての場所が常に清潔に保たれているとは限りません。

このような理由から、スポーツジムは水虫の感染のリスクが高い環境と言えます。利用者の足に白癬菌が付着している可能性があるため、ジムを利用する際はしっかり対策しましょう。

Q.では、スポーツジムの利用時にできるだけ水虫にかからないようにするには、どうしたらよいのでしょうか。

安藤さん「足に白癬菌が付着した場合でも、24時間以内に洗い流せば水虫に感染しないといわれています。そのため、帰宅後に足を洗うことで水虫のリスクを大幅に減少させることができます。

ただし、ナイロンタオルのような目が粗い物で足をゴシゴシ洗うと皮膚が傷つくことがあり、水虫に感染するリスクが上がります。泡立てた状態のせっけんやボディーソープで足を優しく洗うようにしましょう。

また、ジムの入浴設備を利用後、すぐに靴下を履いて帰宅すると足が蒸れてしまい、水虫の感染リスクが上がります。帰宅時は、できるだけ通気性の高いサンダルなどを履くのがお勧めです」

 水虫の感染リスクを減らすためにも、スポーツジムの利用後は自宅で足をしっかり洗いましょう。

オトナンサー編集部

スポーツジムの利用で水虫に感染するリスクが上がる?