杉咲花が主演し、志尊淳や宮沢氷魚らが共演する成島出監督最新作『52ヘルツのクジラたち』より、杉咲が「最も印象に残った」という本編シーン映像と、杉咲&志尊のインタビュー映像が解禁された。

【動画】杉咲花が「最も印象に残った」本編シーン映像

 町田そのこによる本屋大賞受賞作の同名小説を『八日目の蝉』『銀河鉄道の父』の成島出監督のメガホンで実写化する本作は、愛を欲し、誰にも届かない声で泣く孤独な魂たちの出会いが生む、切なる愛の物語。

 「52ヘルツのクジラ」とは、他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに、何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。しかし、そんな「世界で最も孤独なクジラ」たちにも、その声なき声に耳をすませてくれる相手がきっといる。その声はいつか届く─。

 主演の杉咲が演じるのは、自分の人生を家族に搾取されてきた女性・三島貴瑚。志尊淳は貴瑚の声なきSOSを聞き救い出そうとするトランスジェンダー男性・岡田安吾、宮沢氷魚は、職場の上司で貴瑚の初めての恋人となる新名主税を演じる。そのほか、小野花梨、桑名桃李、余貴美子、倍賞美津子が出演。

 このたび、杉咲が「最も印象に残った」という本編シーン映像と、2人のインタビュー映像が解禁。

 本編シーン映像は、かつて貴瑚が安吾に救われたかけがえのない時間が切り取られたもの。3年前。毎日ひたすら義理の父の介護に身を捧げ、家族に人生を搾取されていた貴瑚。絶望を抱え走ってくるトラックの前に進み出た貴瑚を助けたのが、トランスジェンダー男性の塾講師・岡田安吾だった。

 「新しい人生を生きてみようよ」と手を差し伸べてくれた安吾と親友・美晴(小野花梨)の助けにより、人間らしい生活と何年かぶりに笑顔を取り戻した貴瑚。貴瑚は安吾に付き添われて実家に帰り、まとわり付く母親に何とか別れを告げるが、帰り道、泣き崩れてしまう。そんな貴瑚を安吾は優しい瞳で包み込み、「52ヘルツのクジラの鳴き声」をプレゼント。

 映像で、「広い海でたったひとり、誰にも届かない歌を歌っているのは、一体どんな気持ちなんだろうね」「僕は寂しくて、悲しくて、死にそうなときにこれを聴くんだ」と静かに語り、「これを聴くとね、眠れるんだよ」と貴瑚にほほえみかける安吾。彼もまた孤独な心を抱えており、2つの孤独な魂が共鳴する優しく愛おしい瞬間を、杉咲花志尊淳が繊細に演じ切っている。

 夕暮れの幻想的な風景を撮影するため、ぶっつけ本番だったという本シーン。インタビュー映像では、「最も印象に残ったシーン」を聞かれた際、杉咲はこのシーンを挙げ、「互いに手を取り合って臨んだ」と撮影を振り返っている。さらに杉咲は「現場ではアンさんがどんな顔をしているか見ることが出来なかったんですが、本編を観た時に、こんなにも優しい眼差しで隣にいてくれたんだな。という事に胸がいっぱいになりました」と熱く語る。一方志尊は、「貴瑚が安吾のことを想ってくれてるシーンすべて」と挙げ、「そこに愛を感じます」とコメント。実力派若手俳優同士のかけがえのない絆が紡いだ、切なくも愛おしい世界観に期待が高まる。

 映画『52ヘルツのクジラたち』は公開中。

映画『52ヘルツのクジラたち』場面写真 (C)2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会