バルセロナシャビ監督の後任として、ロベルト・デ・ゼルビ監督を招へいする方針を固めつつあるようだ。2月29日スペイン紙『アス』が報じている。

 シャビ監督の退任明言から約1カ月半が経ったが、バルセロナの次期監督探しは難航している。要因は、シャビ監督の影響力の大きさだ。“ブラウグラナ”のレジェンドとして地位を築き、選手を惹きつけるカリスマ性のある同指揮官の後任には、クラブ側もそれ相応のキャスティングを検討しているが、そのような監督との交渉を成立させるのは容易でない。実際にバルセロナは、ルイス・エンリケ監督(現パリ・サンジェルマン)、ミケル・アルテタ監督(現アーセナル)、ユルゲン・クロップ監督(現リヴァプール)の3名を“一の矢”としたものの、前者2名は現クラブとの契約が残っていることなどからも、引き抜きはほぼ不可能。クロップ監督に関しては、シーズン終了後に退任することが決まっているが、その後はサバティカル休暇に入るといい、実現性に乏しいと見られている。

 そうした経緯から、“二の矢”となったのは、ハンジ・フリック監督とロベルト・デ・ゼルビ監督(現ブライトン)だ。特に前者は、スペイン語の学習を始めたことやラポルタ会長と友好の深いピニ・ザハヴィ氏に代理人を変更したこともあり、バルセロナ行き最有力と目されていた。しかし『アス』は、クラブ内でフリック監督の手腕を疑問視する見方があると指摘。バイエルンでの6冠達成後に就任したドイツ代表で解任されたことなど、“一発屋”に終わるリスクを孕んでいることから、説得力に欠けると判断を下したと報じている。

 そして残った候補者が、デ・ゼルビ監督とのこと。『アス』によると、クラブ側がハングリーさと大胆な戦術を以て結果を出していることを評価するとともに、デ・ゼルビ監督が志向するスタイルがバルセロナともマッチすると考えているという。なにより、デ・ゼルビ監督の代理人がバルセロナのデコSD(スポーツディレクター)と会談したという事実が、『カンプ・ノウ』のベンチに近づいている証左のようだ。

 果たして、このままデ・ゼルビ監督と契約を締結するのだろうか。それとも、“三の矢”が登場するのだろか。

バルセロナの後任はフリック監督(右)からデ・ゼルビ監督(左)が最有力に [写真]=Getty Images