スターバックスに続き、「好きなコーヒーショップ2位()」に君臨するのがコメダ珈琲店。えっ、ドトールじゃないの? と疑う人も少なくないでしょう。もちろん店舗数や業績的にはドトールの方が上ですが、満足度としてはコメダの勝利で、コロナ禍でも大きなダメージなく乗り切った好事例としても称賛されています。事業戦略面で見ていくと、9割以上がフランチャイズ経営であることによる高い営業利益率確保などが強みになっていますが、実はお店に行けば、もっとわかりやすく“勝ちの方程式”なるものを発見することができます。

そこで今回は、「1杯のコーヒーが460円以上するコメダはなぜ強いのか?」という疑問をメニューやサービス面から考察し、3つの強みをご紹介していきたいと思います。

◆①アイスコーヒー、アイスドリンクに強い

コーヒーショップの来店動機に直結するのが、ドリンク。店側にとっても利益率の高いメニューで、看板ドリンクを作ることは、その店のぶれない強みになるということ。スタバならフラペチーノがそれにあたります。コメダは圧倒的にアイスドリンクが優秀。中でもアイスコーヒーにかける情熱は目を見張るものがあります。

例えば、「プレミアムコーヒー Sophia560~800円)。ストレートで飲むことが推奨されているシングルオリジンアイスコーヒーで、オリジナルの銅製マグカップで提供される特別な一杯です。一度飲んでみるとすぐにわかりますが、他店とは別次元の味わい。椅子やテーブルの仕様も味方して、くつろぎの時間を過ごすことができます。

他のアイスドリンクを見渡しても、昭和レトロ感が漂うクリームソーダやコーヒーシェークなど、熱狂的なファンを作る工夫を発見することができます。

◆②ボリューミーな名物パン料理が豊富

続いては、フードについて。コメダの名物として長く愛されている「山食パン」や「カツパン」を活用したメニューが秀逸であることです。コメダはパンをコーヒーに並ぶ命の源泉としており、高品質な小麦粉を使用して自社工場で製造。食感にこだわったコメダらしさが宿るド定番商品として、持ち帰り用パンとしても販売しています。

たとえば山食パンを使った「たっぷりたまごのピザトースト(750~830円)は大人気商品の一つ。自家製たまごペーストを挟んだダブルの山食パンの上に、チーズがたっぷり乗ったピザはボリューム満点。チェーン店で食べるレベルとは到底思えない、手作り感を満喫できる一皿です。

他にも、カツパンシリーズやあみ焼きチキンホットサンドなど男性からも愛されるがっつりメニューが大充実。喫茶店でお腹いっぱい食べたい」とニーズを満たしてくれるカフェチェーンで右に出る者はいないでしょう。

◆③モーニングだけに依存しない“時間帯別メニュー”が強い

コメダと言えばモーニングの印象が強いものの、それだけに依存することなく、昼帯や夜帯のメニュー提案にも力が入っています。例えば、11時半~14時の平日限定「昼コメプレートは970円から味わえる良心的な設計に。お好みのドリンクにサンドイッチサラダ、ホットスナックなどが組み合わさった豪華なプレートを組み合わせることができます。

これは一見高そうに感じますが、疲れている現代人のランチ時くらいはゆっくり休みたい」という欲求にしっかりこたえてくれていると解釈することができます。睡眠改善や疲労軽減をかかげた機能性表示食品がヒットする時代ですから、昼コメプレートに癒される人は決して少なくないはずです。

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さあいかがでしたか? 老若男女に広く愛される喫茶店として成長を続ける、今や全国区のコメダ珈琲店。時間制限を設ける店舗も出るほど居心地の良い空間を、一度自分の目と心で確かめてみても損はないでしょう。

※LINEリサーチの調査結果より

<TEXT/スギアカツキ>

【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。世界中の健やかな食文化を追求。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。Twitterは@sugiakatsuki12

「プレミアムコーヒー Sophia(560~800円)」は、オリジナルの銅製マグカップで提供される