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インストゥルメンタルバンド・LiberaMe(リベラメ)が、2月24日神奈川・yokohama 7th AVENUEで初ライブ「初陣」を行った。

【ライブ写真】躍動感たっぷりのパフォーマンスが特徴のLiberaMe

LiberaMeは“ポップインストユニット”style-3!のメンバーでもあるバイオリニスト高嶋英輔が、ソロプロジェクトとして始動させた高嶋英輔バンドを前身としたバンド。高嶋、Glowlampの石井裕(G)、さまざまなアーティストのサポートを務めるBeBe(Key)、リールーやフラウタ.でも活躍する村井学(B)、Violent is Savannaのメンバーとしても活動していた工藤竜之介(Dr)の5人からなる新鋭だ。そのタイトル通り彼らにとって“初陣”となった公演に立ち会うべく多くのファンが来場し、開演30分前にフロアは満員となった。

工藤が「よろしくお願いします!」と先陣を切って現れたのに続き、メンバーが続々とステージへ。和装をベースにした雅びやかな衣装に身を包んだ石井、BeBe、村井、工藤が定位置にスタンバイする中で、“大将”である高嶋が登場すると割れんばかりの拍手が沸き起こる。恭しくお辞儀をした高嶋はバイオリンを構えると、「Cape of Good Hope」の優美な旋律で「初陣」の狼煙を上げた。新人バンドとはいえ、これまで同じメンバーで共演を重ね、さまざまなアーティストたちの音を彩り、支えてきた5人。彼らはたちまち壮大で高揚感たっぷりのアンサンブルで会場を満たしていく。

曲の余韻を残しつつ、高嶋は「『初陣』にようこそ!」と観客を歓迎する。「いざ出帆ということで、嵐を越えて、新しい港を見つけたという曲です」とオープニングナンバーについて紹介し、「どんどん行きましょう。熱い曲を」と激しさを打ち出した「生粋」、「画竜点睛」をモチーフにしたオリエンタルなアプローチが光る「TENSEI」を続けて披露。バンドの持つスケール感あふれる音楽性をアピールしたかと思えば、ニシツノメドリをモチーフにしたというチャーミングな「Puffin」で観客の心を躍らせ、一転して「雷音」「ATTENTION」では息をもつかせないスリリングなセッションでフロアを圧倒する。百花繚乱とばかりに、ジャズやポップス、ロック、クラシックなどさまざまなジャンルの音楽を取り込んだサウンドでライブハウスで彩った。

ライブのクライマックスを飾ったのは「光明遍照」を意味する“パワーソング”「毘盧遮那」。高嶋はレコーディングしたばかりというこの曲では、由緒ある寺院に所属する僧侶の協力を得、読経を取り入れたことを説明する。「気持ちは世界平和!」と晴れやかな笑みを浮かべる彼の言葉に続き、メンバーが紡ぐ芳醇な音と読経が溶け合い、荘厳で神秘的な空気を紡ぐ。LiberaMeのポテンシャルの高さをうかがわせる1曲をもって「初陣」本編は締めくくられるも、フロアからは熱烈なアンコールが発生。ステージに戻ってきた5人は和やかなトークを繰り広げつつ、次なるライブやLiberaMeとしてのリリースについて告知。最後に「きらきら星」の旋律やケルト音楽のアプローチを取り入れた「星は掴めない」を届けて、バンドとしての初陣を成功裏に終えた。

なお、LiberaMeはライブでも披露した新曲「毘盧遮那」を各配信サイトにて配信中。5月6日には東京・LIVE STAGE GUILTY6月30日には東京・六本木Clapsで単独ライブを行う。

ライブ情報

LiberaMeワンマンライブ

2024年5月6日(月・振休)東京都 LIVE STAGE GUILTY
2024年6月30日(日)東京都 六本木クラップ

LiberaMe(撮影:佐野美夕)