Netflix映画『パレード』(世界独占配信中)の配信記念試写会イベントが3月1日にユーロライブで開催され、長澤まさみ坂口健太郎森七菜、藤井道人監督が登壇した。

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『余命10年』(22)や『最後まで行く』(23)の藤井監督が手掛ける本作は、旅立ってしまった人の目線で、遺された人への想いを描く壮大な愛の物語。瓦礫が打ちあげられた海辺で目を覚ました美奈子(長澤)が、離れ離れになった息子を捜す道中でアキラ(坂口)や元ヤクザの勝利(横浜)、元映画プロデューサーのマイケル(リリー)らと出会い、息子の手がかりを探し求めながら、その過程で各々の心に触れていく様子を映しだす。

上映後の会場から拍手と歓声に迎えられ、主演の長澤は「観てくださった方々から、本当に感動した、とても心が温まる思いになったと、たくさんの感想をいただいています」と周囲の反響を明かし、「撮影中はどのように届くのだろうかとわからなかったところがあったのですが、皆さんの感想を聞いて、人の心にこんなにも届く映画なんだと、後から私が教えてもらったように思います」と充実の表情を浮かべた。

藤井監督とのタッグは「念願だった」という長澤。「覚悟はしてたんですが、大変でした」と笑顔で撮影を振り返り、「本当にこだわる監督だと思いますし、作品に対しての思い入れが誰よりも強い監督。きっとそれを感じたかったから、私は監督の作品に出たかったんだろうなと思ったし、とにかく監督の言うことを理解しようと必死になるがあまり、監督もちょっと『めんどくさいな』と思うところもあったと思う」と密にやり取りを重ねたと告白。「お互いに魂でぶつかり合っていけた感じがあった。それが本当に楽しかったし、いい思い出。この時間は、この作品でないと得ることはできなかったなと思います。また監督と仕事ができるなら、ぜひ。もうなんでもやります!」と宣言した。

一方の藤井監督は「美奈子だったら、『美奈子さん』と話すんですが、長澤さんだと緊張して…」と長澤の隣に座って大照れ。会場からも笑いが起こるなか、藤井監督は「長澤さんといつかご一緒したいというのが夢だった」と相思相愛の想いを吐露。「僕は監督が全部の責任を負うべきだと思っているし、失敗したら監督のせいだし、観客の人たちに絶対に損はさせたくないという想いでいる。長澤さんもまったく同じ気持ちだった。自分がこの作品を引っ張っていかなければいけないんだと、人一倍、この作品のことを理解して、みんなを引っ張ってくれようとしたり、僕と同じか、それ以上に考えてくれた。それを知った時に、尊敬というか、いつかまた自分がもっと成長して、ご一緒したいなと思いました。自分にとってもすごく財産になる時間でした」と長澤への感謝を口にした。

長澤と坂口は、『海街diary』(2015)で共演していた。長澤と柔らかな笑顔を交わした坂口は、2回目の共演について「楽しかった」とにっこり。「僕がなにもわかっていないぐらいの時だった。今回、僕もある程度現場のことがわかったところで、もう一度ご一緒させていただいた」と喜びつつ、「長澤さんが美奈子としても、座長としても、確かに存在してくれている感覚があって。すごく頼もしいなと思いました。作品のことを第一に考えてくれている様は、周りに『頑張ろう』と思わせてくれる瞬間はたくさんありました」と信頼感を寄せていた。また舞台挨拶の冒頭には、用意された椅子の高さの調整に少々力が必要だったため四苦八苦する森を、坂口がサポートするひと幕も。温かな笑いからイベントがスタートしたことも印象的だ。

映画の内容にちなみ、それぞれが「会いたい人」について打ち明ける場面もあった。長澤は「祖父。見守ってくれている存在だった。大人になったいま、会ったらなにをしゃべるんだろうと気になっています」と笑顔。坂口は「地方ロケなどで、ご飯屋さんのおかみさんや店長さんと仲良くなる。そういう人に会いに行こうかなと思う」といい、森は「ダイアンの津田(篤宏)さん」とまさかの回答を繰りだし、会場も大爆笑。「どこかで見守ってくれていたら。すごく好きなんです。元気をもらっています。直接ゴイゴイスーしてほしい」と津田のギャグを期待し、これには長澤も大笑いだった。藤井監督は「劇場の観客の皆様に会いたい。今日は叶いました」と監督として真摯な想いを語り、大きな拍手を浴びていた。

取材・文/成田おり枝

長澤まさみ&坂口健太郎が『海街diary』以来、久々に共演を果たした