管理職の名の下、残業代も支払われず限界まで働かされ、使い捨てにされる……。’08年に「名ばかり管理職」という言葉が生まれてから16年、空前の人手不足の今、多くの中年が職場で苛酷な労働に喘いでいる。その悲惨な現状を追い、日本特有の病理を探った!

◆分が悪くなると警察に逃げる若手ヤクザも…

暴力団・幹部(41歳)/年収1200万円

中年のツラさは裏稼業の世界も同じらしく、15歳からこの道一筋26年、暴力団幹部の相田大樹さん(仮名・41歳)は、組のシマである新宿・歌舞伎町を歩きながら本音を漏らした。

「とにかくシノギが少なくなった……。昔は詐欺なら200万円でも少なかったのに、今はたったの50万円程度。クスリも売れないから、稼ぎはもっぱら揉め事解決。まぁ、恐喝ッスね。ヤクザの世界では、堅気の営業マンのようにカネは自分でつくるもんなんで、できないヤツは普通に働いたほうがいいやって抜けていく。でも、稼ぐためにヤクザをやってるわけじゃない。ヤクザのために稼ぐんだってことを下はわかってない」

◆義理人情を理解しない若手のせいで指詰めも!?

暴対法の施行以降、シノギのパイ全体は小さくなる一方で、10年前と比べ暴力団員数は3分の1に激減。それでも中堅は新しい組員を確保しなくてはならないが、肝心の若手はヤクザが大事にするメンツや義理人情を理解できない。

「普通の会社と違って、ヤクザは質より量。人が多いと見栄えがいいし、若手がいないとほかの組に『ロートルばっか』って馬鹿にされるんで。ところが、今の若いヤツって性根がない。歌舞伎町で『俺はヤクザだ』って肩で風切って歩いてたくせに、分が悪くなると警察に逃げたりする。ありえなくないッスか? でも、下が何かやらかしたときは、上まで責任がいかないよう全部中堅が被るんです。指詰めたヤツも結構いますよ」

◆それでも極道の道を進む理由とは?

エンコ(指)を失うことさえあるのに、なぜ中年ヤクザは極道の道を進むのか。

「辞めたくなったことは何度もある。でも、ムショに入ったとき毎回差し入れしてくれたり、いいシノギを回してくれたり、義理があるんで」

シノギという“市場”の縮小、ヤクザの美学を理解しない若手……アウトローの世界でも中年は割を食っているが、義理人情で乗り越える。

取材・文/週刊SPA!編集部

―[救われない中年社畜 地獄の実態]―


「自分を殺して、我慢してこその世界なんです」