艦尾の舵は海自のそうりゅう型と同じ「X」舵。

水密性や安定性などは問題なし

台湾の造船会社CSBC(台湾国際造船)は2024年2月27日、建造中の潜水艦「ハイクン(海鯤)」を海へ浮かべることに成功したと発表しました。

「ハイクン」は台湾が初めて独自に建造した潜水艦で、ディーゼルエレクトリック方式の、いわゆる通常動力型です。船体サイズは排水量約2500トン、全長約70m、幅約8m。兵装は魚雷発射管6門で、ここから魚雷のほかに対艦ミサイルハープーン」や機雷を射出することも可能だといいます。

作業は台湾南部の高雄港で行われたそうで、乾ドックに載せられた状態で「ハイクン」を沖へと出し、注水によってドックが沈められると、無事海上に浮かんだとのこと。そこで、試験の第1段階として各タンクの水密性や重量制御、安定性やバラストのチェックが行われ、構造に問題ないことが確認されたといいます。

今後、CSBCでは、バッテリーディーゼルエンジンなどといった動力システムの確認と接岸試験を行ったのち、次の海上試験へと移行するとしています。

なお、今回の試験では、昨年の進水式の際に船体を覆っていた幕などがないクリーンな状態だったため、各種探知などに使われる艦首上方の高周波ソナーやアレイソナー、魚雷発射管、排水口など、船体各部の形状がよくわかる状況でした。

台湾国防部は、今後一連の試験で設計や性能に問題ないことが確認されれば、同型艦を8隻から10隻、建造する計画です。

高雄港で海面に浮かんだ台湾初の独自建造潜水艦「ハイクン」(画像:CSBC)。