阿部サダヲ主演の金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)の第6話「昔話しちゃダメですか?」が3月1日に放送された。同作は、昭和のおじさんがコンプライアンスで縛られた令和の人々に考えるきっかけを与えていく、完全オリジナルの意識低い系タイムスリップコメディー。第6話、市郎(阿部)に連れられて純子(河合優実)が初めて令和の世界へ。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】クイズ番組に出演した市郎(阿部サダヲ)がペアを組んだのは松村雄基(本人役で出演)

宮藤官九郎の脚本によるオリジナル・コメディー作品

脚本は宮藤官九郎が務め、プロデューサーは磯山晶氏が担当。「池袋ウエストゲートパーク」(2000年)、「木更津キャッツアイ」(2002年)、「タイガー&ドラゴン」(2005年、全てTBS系)でタッグを組んできた2人が、令和で新たな作品を生み出す。

同作には、突如1986年から2024年へタイムスリップし、令和では考えられない“不適切”な言動を繰り返す小川市郎役で阿部、バラエティー番組のアシスタントプロデューサーとして働くシングルマザー・犬島渚役で仲里依紗が出演。

とあるアイドルに心酔するあまり、その身なり言動すべてを完コピする男“ムッチ先輩”こと秋津睦実を磯村勇斗、市郎と逆で、2024年から1986年に息子とともにタイムスリップする社会学者の向坂サカエを吉田羊、そして、市郎の一人娘・小川純子を河合、サカエの息子・向坂キヨシを坂元愛登が演じる他、袴田吉彦、山本耕史ら個性豊かな面々がストーリーを盛り上げる。また、錦戸亮が若かりし頃のゆずる役で出演。

■市郎「大人になった渚っちに会えたことがプラスなんだ」

市郎は、阪神淡路大震災で自分と娘・純子が亡くなってしまうことを知ってしまったが、昭和に帰ろうとしなかった。純子には会いたいが、何かあったことが顔に出てしまう性格なので、戻りたくても戻れないという状況が続いていた。

純子がサカエの携帯電話を使って連絡を取ろうとしても電話にも出ない。そんな市郎の様子を見ていた秋津(磯村)は、市郎をタイムマシンの開発者・井上(三宅弘城)のところに連れて行き、昭和に帰そうとした。「純子さんのところに行ってあげてください。なんか分かんないけど、俺が親なら少しでも娘といたいだろうなって」という理由で。

純子に会っても本当のことは話せないという市郎に、秋津は「全部話せばいいじゃないですか」と反論。未来を変えて、ディスコの黒服と会わないようにすればいいと告げるが、「渚っちが産まれてこないだろ!」と市郎は強く言い返した。

純子と幼い渚と自分の3ショット写真をスマホの待ち受け画面にしている市郎にとって、渚は大事な孫。「必然なんだよ。死ぬのがマイナスなんじゃなくて、大人になった渚っちに会えたことがプラスなんだ」と、自身の運命を受け入れようとしている。

“必然だった”と言葉にしたことで気持ちが切り替えることが出来た市郎は「久しぶりに会ってくるか。お前の母ちゃんに」と渚にほほ笑み掛け、純子に会いに行った。

■市郎はゆずるが仕立てたスーツを着て昭和に帰ってきた

純子の未来の夫になるゆずる(錦戸)が仕立てたスーツを着て昭和に戻った市郎。純子に「オーダーメイド、どうだ?」と内ポケットの上の名前“小川市郎”を見せながら聞くと、「いいんじゃない」という返事が。市郎にギュッとハグされ、純子もうれしそう。

市郎は、純子、サカエ、キヨシ、それと睦実とテーブルを囲み、すき焼きを食べながら未来の話をいろいろするが、「なんか怪しい。本当は未来にいってないんでしょ」と純子から疑いのまなざしを向けられる。

「証拠は?本当ならうちらがビックリするような未来の話をしてよ」と純子に言われ、市郎は「三原順子が国会議員になってた」など、いくつか伝えるが信じてもらえず。

■市郎「まだ9年もある。余命9年だ」

純子が眠った後、市郎はサカエにつらい思いを包み隠さず話した。「俺はいいんだよ。だが、純子は。まさか26でなぁ…。女房が病弱だったから、健康にだけは気を配って育てたのに全部無駄じゃねぇか。どうなるか分かってる人生なんて意味あるのか」とヤケになりながらお酒をあおった。

サカエも親身になって考えてくれて、市郎に「その時になったら考えるってことじゃないかな。今考えてもその時考えてもたいして変わらないなら、日々を楽しく日々を生きたらどうだろう」と助言した。その言葉に市郎も「そうだよな。すぐって話じゃない。まだ9年もある。余命9年だ」と少し前向きになれたようだ。

■純子が令和で渚とゆずるに対面

目を覚ました純子に「純子は?」と未来の自分がどうなっていたかを聞かれたが、「あ、いい。聞きたくない。楽しみが減るから」と言われ、市郎はまた暗い気持ちになってしまう。

土曜日の朝、市郎は純子に「ちょっと付き合え。見せたいものがある」と伝えて、午後、バスに乗って一緒に出掛けることを約束させた。そのバスは週に1本だけの未来行きのバス。

市郎は、純子を喫茶店に連れて行き、渚とゆずる(古田新太)に会わせた。純子の娘と夫になる人だとは明かさず、「父さんがこっちの世界でいろいろお世話になってる人だ」と紹介。「犬島渚です」と渚が自己紹介すると、「いい名前。『渚のはいから人魚』の渚?」と名前に反応した。

市郎が出演するクイズ番組の収録を観覧した後、純子は喫茶店のカウンターで渚をパスタを食べながらおしゃべりを。純子がバツイチで子供を育てながら働いている渚を「格好いいね、バリバリ働いて。尊敬しちゃう」と褒めると、渚は「純子ちゃん、子ども好き?」と聞いた。「うん、大好き」という純子の返事に、渚はうれしさをかみ締めた。

令和で、大人になった娘・渚と時空を超えた会話を交わす純子。渚が娘ということは、分かってないが、これも大切な“思い出”になるに違いない。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

市郎(阿部サダヲ)が本当に未来に行っていたのか疑う純子(河合優実)/(C)TBS