ラ・リーガ第27節が3月2日に行われ、レアル・ソシエダは敵地でセビージャと対戦した。

 レアル・ソシエダ2月27日に行われたコパ・デル・レイ準決勝セカンドレグで、PK戦までもつれ込む死闘の末にマジョルカに敗れた。23日に行われたラ・リーガ第26節ビジャレアル戦も1-3で落としており、現在は公式戦2連敗を喫している。今節はセビージャの本拠地『ラモンサンチェス・ピスファン』に乗り込む。今季に入って2度の監督交代を敢行するなどセビージャは低迷を続けていたが、3人目の指揮官であるキケ・サンチェス・フローレス監督の下で徐々に調子を上向かせつつある。前節は最終的には0-1で敗れたとはいえ、首位を走るレアル・マドリードを終盤まで無失点に抑えていた。

 ミッドウィークチャンピオンズリーグ(CL)の戦いを控えるレアル・ソシエダは、久保建英を筆頭にロビン・ル・ノルマン、ミケル・メリーノ、ミケル・オヤルサバルらの主力をベンチスタートとした。一方、セビージャセルヒオ・ラモス、ヘスス・ナバス、ユセフ・エン・ネシリらが先発に名を連ねている。

 試合は序盤の11分に動く。セビージャは左コーナーキックをショートで繋ぐと、アドリア・ペドロサが利き足ではない右足でクロスボールを供給。ここはボックス内で跳ね返されたものの、こぼれ球を拾ったハンニバル・メイブリがダイレクトで狙う。当たり損ねたボールがボックス右のイサーク・ロメロへ渡ると、左足で放ったシュートはGKアレックス・レミロに阻まれたもの。こぼれ球をエン・ネシリが押し込んだ。ホームチームが幸先良く先手を取っている。

 勢いに乗るセビージャは続く13分、大きく蹴ったゴールキックを敵陣でヘッドで繋いでいくと、左サイドへ流れたイサークがボックス左のスペースへスルーパスを送る。抜け出したエン・ネシリが左足で豪快な一撃を叩き込み、セビージャがわずか3分間でリードを2点とした。

 主力が不在のレアル・ソシエダはシュートまで持ち込む場面こそ作れてはいるが、なかなかゴールネットを揺らすまでには至らない。するとこのまま前半終了かと思われたアディショナルタイムキーラン・ティアニーが浮き球のボールをボックス内へ放り込むと、うまくコントロールしたアンドレ・シルヴァのファーストタッチがS・ラモスの手に当たる。ハンドと判定され、レアル・ソシエダにPKが与えられた。このPKをA・シルヴァ自身がGKの逆を突くゴール右下に沈め、レアル・ソシエダがリードを縮めてハーフタイムに突入した。

 後半に入るとこう着したまま時計の針が進んだが、セビージャは65分、スソの蹴った左コーナーキックが右サイドへ流れると、セカンドボールを拾ったオリベル・トーレスが右足でクロスボールを送る。ボックス内へ走り込んだS・ラモスは肩のような位置に当てると、ボールはゴール左隅に吸い込まれ、セビージャが再びリードを2点に広げた。

 レアル・ソシエダは後半アディショナルタイム、途中出場のブライス・メンデスが放ったミドルシュートがハンドを誘ってフリーキックを獲得すると、B・メンデス自らキッカーを担当。無回転の一撃を叩き込み、1点を返したが、反撃はここまで。試合はこのままタイムアップを迎えた。

 ホームで3得点を挙げたセビージャが、ラ・リーガ3試合ぶりの白星を飾った。ホームゲームに限定すると連勝を記録している。一方、レアル・ソシエダは最後まで波に乗り切れなかった。公式記録においてPK戦での敗北はドロー扱いとなるものの、コパ・デル・レイ敗退を1つの敗北とみなすと、これで公式戦3連敗に。久保は出番がなかった。

 次節、セビージャは11日に敵地でアルメリアと対戦する。一方、レアル・ソシエダは5日にCL・決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)セカンドレグでパリ・サンジェルマンをホームに迎え、9日には次節のラ・リーガでグラナダの本拠地に乗り込む。

【スコア】
セビージャ 3-2 レアル・ソシエダ

【得点者】
1-0 11分 ユセフ・エン・ネシリ(セビージャ
2-0 13分 ユセフ・エン・ネシリ(セビージャ
2-1 45+5分 アンドレ・シルヴァ(PK/レアル・ソシエダ
3-1 65分 セルヒオ・ラモスセビージャ
3-2 90+2分 ブライス・メンデス(レアル・ソシエダ

【ゴール動画】前半早い時間帯にエン・ネシリが決めた2ゴール

エン・ネシリの2点目 [写真]=Getty Images