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令和5年は軽トラ盗難がスカイラインよりも多い!

警察庁が2024年3月1日に発表した「車名別盗難台数の状況」によると、2023年はキャリイハイゼットがそれぞれスカイラインよりも多く盗まれていることがわかった。

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警察庁が毎年出していた車名別盗難台数のランキングは長年1~5位のみの発表でしかも大々的に発表するのではなく『自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチーム』(2022年12月末でサイトを閉鎖)のトップページ上でひっそりと更新されていた。

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軽トラの盗難が激増!

それが10位まで公表されるようになったのは2023年6月からだ。5位~10位まで公開されたことで、トヨタレクサスだけではなく軽トラスカイライン盗難の実態が明らかになったのである。

このデータは2021年分から公開されているので過去3年分のランキングをお伝えする。

警察庁生活安全課調べ

2021年

1位 ランドクルーザー 532台
2位 プリウス 463台
3位 レクサスLX 302
4位 アルファード 292
5位 ハイエース 250台
6位 レクサスRX 125
7位 ハイゼット 117台
8位 クラウン 82台
9位 キャリイ 75台
10位 スカイライン 63台

2022年

1位 ランドクルーザー 710台
2位 プリウス 477台
3位 レクサスLX 344
4位 アルファード 330
5位 レクサスRX 188台
6位 クラウン139
7位 ハイエース 134
8位 キャリイ 122
9位 スカイライン 116
10位 ハイゼット95台

2023年

1位 アルファード 700台
2位 ランドクルーザー 643台
3位 プリウス 428
4位 レクサスLX 261台
5位 ハイエース 187台
6位 キャリイ 115台
7位 ハイゼット 107台
8位 レクサスRX 88台
9位 クラウン 81台
10位 レクサスLS/スカイライン 71台

盗まれやすい軽トラ キーをつけたまま農道放置も?

こうしてみると、2021年からの3年間だけでも軽トラの盗難が激増していることがわかる。

2021年にキャリイが75台だったのが2022年には122台、同時にハイゼットの95台も10位にランクインしている。2023年にはキャリイハイゼットが6~7位にランクインしており、レクサスRXやスカイラインを抜いている。

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軽トラの盗難が激増!

全般的にみて、レクサスが減ったのに代わって、アルファード軽トラの盗難台数が増えている状況だ。旧車盗難の代表的存在はスカイラインGT-R(R32/33/34)も2023年は大幅に減っている。これだけ世間で盗難多発が騒がれていることもあって、スカイラインオーナーたちも効果的な防盗対策を講じ始めたのだろう。

軽トラ盗難が近年、急増している理由は主に以下が考えられる

1.旧車スポーツカーと同様、北米やオーストラリアを中心に海外での人気が高く需要が増えている。
2.軽トラオーナーは高齢者が多く、SNSに盗難情報を上げることはほとんどなく軽トラ盗難の実態が伝わりにくい。
3.2にも関係するが軽トラが盗難されやすいという認識がないためオーナー側の対策もほぼ皆無。
4.農道や林道、漁港などにキーを付けたまま置かれることも多く窃盗グループにとって最高に盗みやすい環境。
5.解体が簡単でバラして密輸がやりやすい。

このようなことが理由だろう。なお、オーストラリアでの需要が高まっている件だが、2017年10月にGMホールデンが工場を閉鎖したことでオーストラリアの自動車生産が終了。そこで中古車輸入のルールが劇的に緩和された。2018年以降は1万2000豪ドルの特別関税も撤廃され、輸入できる車種も豊富に選べるようになった。

それで日本の軽トラックも輸入解禁となり、オーストラリア軽トラックの需要が一気に高まったのである。

軽トラックは日本独自の規格、米国にはないカテゴリー

軽トラが盗まれやすい理由に直結しているかはわからないが、軽自動車=日本独自の規格で設計されていること、そしてこれまでに自動車メーカーが正規に新車販売をした履歴がないことも考慮すべきだろう。

軽自動車は660cc以下の極小排気量であり、ボディサイズもアメリカの「自動車」には存在しない小さなものである。それゆえ「自動車」として25年ルールのもとで輸入するほかに「ATV」/「オフロードヴィークルハイウェイ高速道路を走ることはできず、家の周辺の車道や私有地を走るためのクルマ)」など、日本でいうところの小型特殊車両や農業用作業車のような扱いで25年待たずとも輸入・登録して公道走行が可能になる場合もある。

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軽トラの盗難が激増!

例えば、ATVとして輸入登録をするならば「前進と後退しかギアが入らないようにする」/「最高速度25マイル(40km/h)に設定」/「州間道路はNG。走行する道路を限定」などの条件をクリアすれば、州によっては新車で登録ができる場合もある。

またそもそも公道を走らず私有地内の使用に限れば登録自体も不要となる。実際、アメリカの中古車販売サイトでは、2022年モデルの走行距離4~5kmのダイハツ・ハイゼット・ジャンボエクストラ4WDが427万円という価格で販売されている。ナンバープレートには「FARM USE」(農場専用)と記されているので、これは公道を走るのではなく農場など限られたエリアでのみ使用することを前提としているのだろう。

アメリカでは「自動車」以外の方法で新車であっても登録できる可能性があるが、もっとも安全で確実な方法はやはり製造から25年を待ってFMVSS(アメリカの保安基準)の縛りを受けずに登録することである。

今、アメリカでは軽トラックの扱いをめぐって州によっては突然新たな規制を掛けて登録が取り消される事態も発生している。

※25年経過を待たず、ATVやオフロードヴィークルとして年式に関係なく輸入する手段はアンダーグランドなやり方で正式に認められた手法ではない

軽トラ価格がアメリカで高騰している

日本の軽トラックがアメリカで大変な人気になっていることは以前、AUTOCAR JAPANでお伝えした。

あれから4年近く経過したが、軽トラ人気は高まるばかりである。アメリカやカナダだけではない。前述したように近年はオーストラリアでの人気も価格も高騰している。オーストラリアは左ハンドル車の通行を厳しく規制していることもあって右ハンドル車は好都合でもある。

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軽トラの盗難が激増!

軽トラは米国では「K-truck」や「MINI truck」などと呼ばれて親しまれており、専門の販売サイトも多数ある。そこには1990年代前半から2022年頃までで、走行距離5kmの完全に新車であろう軽トラまでずらっと並んでいる。

いくつか例をあげてみよう。
・1992 Daihatsu Hijet Climber 4WD(2万3385km)/174万467円
・2000 Daihatsu Hijet Dump 4WD(8万124km)/157万4451円
2010 Suzuki Carry Dump 4WD(3万8400km)/176万7036円
・1992 Honda Acty Attack 4WD(7万5902km)/128万6550円
・1995 Mitsubishi Minicab Firetruck(2万1667km)/174万467円
2003 Suzuki Jimny 4WD(5万3884km)/68万5980円

中には新車で400万円以上で販売されているモデルもあるが、1992年でも2010年でも値段がほぼ変わらないというのも興味深い。軽トラ以外にもジムニーを見つけたが、軽トラのほうが高額で取引されている。

アメリカで人気の理由は
・走行距離が全体的に少ない。
・農作物や狩りの獲物を広い荷台に積むことができる。
・一人で動くにはちょうどいいサイズで機動力が最高!
・日本製ゆえに古くても信頼性が高くパーツの入手もスムーズ。
・構造がシンプルで専門的な技術がなくても修理ができる。
・実用面ではもちろんだが最近はカスタムする人が増えている。カスタムパーツも豊富。
などなど、なかなかの人気ぶりだ。

また、25年ルールを待たずとも新車で輸入可能なモデルとして、とある米国の軽トラ専門の販売サイトでは以下が紹介されている。

『オフロードヴィークル』として輸入可能なモデル

スズキ・エブリィ 1999年から現在まで/ノンターボモデルのみ
スズキ・キャリイ 1999年から現在まで/ノンターボモデルのみ
マツダ・スクラム 1999年から現在まで/ノンターボモデルのみ
ダイハツ・ハイゼット 2008年から現在/トラック、バン、デッキバン
三菱ミニキャブ 1999年から現在まで/トラックおよびバンのモデル
日産クリッパー 1999年から現在まで/NT100トラックとNV100バン

世界中で人気が高まるにつれ、残念ながら盗難の台数も増えている。周囲に軽トラオーナーの家族や友人がいたらぜひ、盗難の危険が高まっていることも教えてあげてほしい。


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