頓知気さきな

『週刊プレイボーイ』に登場する美女たちに記念すべき「初グラビア」の思い出を語ってもらう『初グラビア物語~My First Gravure Story~』前回に続いて音楽ユニット・femme fataleのメンバーであり、ソロとしても活動する頓知気さきな(とんちき・さきな)さんの後編。

頓知気さんは、バラエティ番組『青春高校3年C組』のメンバーとして、初水着グラビアを『週刊プレイボーイ』2019年46号で披露。表紙巻頭を飾った。以降、グラビア活動を開始し、2021年にはファースト写真集『ときめきヒロイン』をリリースしている。

現在、若手グラビアアイドルから、最も憧れの眼差しを浴びる頓知気さん。今回は2022年にグラビア活動を休止し、再開した理由をはじめ、彼女のグラビアへの想いを聞きました!

【写真】頓知気さきなの水着グラビア

ファースト写真集『ときめきヒロイン』(撮影/細居幸次郎)より
ファースト写真集『ときめきヒロイン』(撮影/細居幸次郎)より

ーー初グラビアが掲載された週プレですが、買いに行かれました?

頓知気 はい。事務所から一冊もらったんですけど、自分で買いたくて。見つけた時は「本当に週プレの表紙になってる!」ってアガりました。ただ一方で自分ひとりで出たいって気持ちもあって。そもそもこれは私でなく、「青春高校3年C組」に来た話でしたから。

ーー当時のインタビュー記事を読むと「今後もグラビアに関連する仕事をしたい」「写真集を作りたい」と言っていましたね。

頓知気 グラビアをますます好きになったというか。また撮影したいし、それこそレビュワーでもなんでもいいのでやりたいと思うようになりました。「グラビア」の近くにいたいと思ったんです。

ーーその思いが伝わったのか、その後『ヤングジャンプ』で単独グラビアが掲載されましたね(2020年9号/1月30日発売)。

頓知気 そう。私にお話が来たんです! 嬉しかったな。しかも当日現場に行ったら、カメラマン細居幸次郎さんだったんですよ!

ーー頓知気さんは、細居さんが一番好きなカメラマンさんだと常々言っていましたね。

頓知気 そうなんです。いろんな写真集を見ていて、いいなと思うとそのどれも撮影が細居さんで。写真の色味も好きなんですけど、優しさを感じるんです。女のコにグイグイ迫るのではなく、少し遠目に見守る感じというか。水着姿でも自然体で撮るから、服を着ているのと変わらなくて、イヤらしさがないんです。撮影中、「あの細居さんの写真の中に私がいるんだ」って思うと、すごく幸せな気持ちになりました。

ーー週プレから出たファースト写真集『ときめきヒロイン』(2021年4月21日発売)も細居さんが撮影されていましたね。

ファースト写真集『ときめきヒロイン』(撮影/細居幸次郎)より
ファースト写真集『ときめきヒロイン』(撮影/細居幸次郎)より

頓知気 私から編集さんにお願いしました。初めての写真集は細居さんに撮ってほしいと思ったので。

ーー写真集は週プレの担当編集から声がかかったんですか?

頓知気 そうです。写真集は夢だったけど、まさかそんなすぐに実現するとは思ってなかったのでビックリしちゃって。グラビアだって、週プレさんのグループ撮影とヤンジャンさんの合計2回しか撮ってなかったし。お話を聞いた時は「本当にいいんですか?」と確認しちゃいました(笑)。

ーー写真は奄美大島、加計呂麻島、あと群馬へ出かけじっくりと撮影。さらに全体には頓知気さんが好きな「80年代」へのオマージュが散りばめられています。

頓知気 担当編集さんのところへ河合奈保子さん、高橋由美子さん、本田美奈子さんなどの写真集を大量に持っていって(笑)、何度も打ち合わせを重ねました。河合さんが写真集で着ていたオレンジと白のストライプ水着を用意してもらったり、タイトルロゴを人気漫画『きまぐれオレンジロード』のイメージでデザインしてもらったり......。80年代ってSNSもケータイもない時代。当時のアイドルも今より距離が離れていて、安易に近づけない存在じゃないですか。だからこそ"愛おしさ"が募る。その感じがすごく好きなんです。

ーーすっかり編集にも参加しているというか......。

頓知気 そうですね(笑)。撮影後も写真をすべて見て、好きなカットを挙げたりしたし。後々、自分の表情や動きなどにこうすればよかったって反省点はありますけど、全体を通して満足いく内容になりました。それに今になって、女のコが『ときめきヒロイン』を手に「こういうのを撮りたいです」とか言ってくれているって話を聞くと、すごく嬉しくなりますね。

ーーその後、週プレをはじめいくつかの雑誌でグラビアを披露しますが、2022年夏頃からグラビア撮影をお休みします。何か理由があったんですか?

頓知気 グラビアが好きなだけに、"いいグラビアって何だろう"って考えすぎちゃったんです。で、突き詰めていくうち、グラビアに不可欠の「脱ぐ」ことの意味にもぶつかって。自分がこれまで見た写真集って、服を着ていてもいいものっていっぱいあるんです。だったらわざわざ肌を露出して、水着にならなくてもいいんじゃないかとも思ったり。そんなことを考えているうち、曖昧なままの気持ちで水着になるのが違うなと思えて一旦お休みにしたんです。

ーーもともと肌を出すことに抵抗があるとおっしゃってましたしね。週プレ2023年47&48合併号(11月6日発売)で1年半ぶりに復帰しますけど、結論は出たんですか?

『週刊プレイボーイ2023年47&48合併号』(撮影/細居幸次郎)より 約1年半ぶりにグラビアに復帰
『週刊プレイボーイ2023年47&48合併号』(撮影/細居幸次郎)より 約1年半ぶりにグラビアに復帰

頓知気 それが......まだです(笑)。「水着になる」=「親密な人にしか見せない表情や姿を見せる」など、仮の結論に辿り着きましたけど、写真集と雑誌ではまた表現が違うし。でも普通にグラビアをやりたくなっちゃったんですよ。同時期に事務所を移籍したんですけど、そこでグラビアが大好きな女のコたちと出会って、グラビアの話をしていたら、いいな、やっぱり自分もやりたいなって。

ーー話って「あのグラビア、よかったよね?」みたいな?

頓知気 とか、あとスタッフさんの話とか。このカメラマンさんとの撮影よかったよ、このスタイリストさん、ヘアメイクさん素敵だよねとか、スタッフさんに関する話もしたり。で、この人に会いたい、一緒に撮影したいと思ったら、我慢できなくなっちゃって。

ーーすっかり編集者目線です。でもそこまで分かっているとスタッフさんに「手強(ごわ)そう」「やりづらそう」とか言われません(笑)?

頓知気 某カメラマンさんと初めてお会いしたとき「これが噂の頓知気か」と言われました(笑)。とはいえ、まぁただのオタクで結局、素人ですから。みんな聞き流していただければ。

頓知気さきな

ーー撮影中も編集者目線で?

頓知気 やはりそういう部分はありますね。カメラマンさんが何を求めているのか考えて、表情や動きを意識するし。それこそ衣装の端がめくれてないか気にしたり。ただ自分が可愛く写っているかなどよりも、写真としての完成度を強く意識します。あと一緒になってモノを運んだりもしますよ(笑)。

ーーそこまで! 頓知気さん自身、グラビアの何が楽しいですか?

頓知気 やはり現場です。和気あいあいとしていて、美味しいご飯やお菓子があって、その上、国内外のいろいろなところに行けるじゃないですか(笑)。そしてプロのスタッフさん達が集まって、素敵な写真を撮ってもらえる。もう言うことないですよ。

ーーストレートなご意見(笑)。グラビアでイヤな思いをしたことは?

頓知気 一度もないです。イヤだと思われたら、いい表情が撮れなくなるから気遣ってくれているのもあるだろうけど、衣装やポーズで無理なことは求められなくて。グラビアは女のコファーストな世界なんです。本人にとってコンプレックスはあるだろうけど、それを受け入れた上で肯定して撮ってくれるところがいいですよね。だから女のコの内面も自然と現れる。それを見てまた胸を打たれるんですよ。

ーーグラビアやると自己肯定感があがると言いますけど、頓知気さんはいかがです? 昔は内気だったと最初に言っていましたけど。

頓知気 明るくなりました。グラビアのおかげなのかはわからないけど、みんなからすごく言われます。それこそ2024年は「いい加減」がテーマですから(笑)。これまで以上に力を抜いて明るく楽しくやっていけたらと思っています!

ーー頓知気さんは昔のグラビアを見返しますか?

頓知気 します。特に「ときヒロ」(『ときめきヒロイン』)の自分は理想体型でもあるので、見て食事などに気をつかったりもします。

ーー最後に頓知気さんにとってグラビアとは?

頓知気 芸能活動をする上でのモチベーションになるものです。肩書き的にはアイドルで、歌うことが私の仕事なんですけど、撮影したい、写真集を作りたい、写真を見たいとか、やりたいことはグラビア関連ばかり。いろいろな仕事を頑張れるのも、みんながグラビアを撮りたいと思ってもらえる自分でいたいからなんです。

頓知気さきな『「週プレ プラス!」アザーカット集 曖昧な境界線~prologue~』 頓知気さきな 撮影/細居幸次郎 価格/550円(税込)
『「週プレ プラス!」アザーカット集 曖昧な境界線~prologue~』 頓知気さきな 撮影/細居幸次郎 価格/550円(税込)

前編→【グラドルたちから憧れの的! 頓知気さきなが語る初グラビアの記憶「何より撮影現場に行ってみたかったんですよね」】

頓知気さきなとんちき・さきな)
2000年3月6日生まれ 大阪府出身 身長160㎝
◯昨年配信リリースされたデビューシングル『U.M.A/Himitsu』が好評。実姉・戦慄かなのとの音楽ユニット「femme fatale」としても活動中。
公式X【@tonchiki_doll】
公式Instagram【@arigato_v】

頓知気さきな

取材・文/大野智己 撮影/荻原大志