「プロゲーマー」と聞いて、まず思い浮かべるのは「梅原大吾」という人は多いだろう。国内では「ウメハラ」、海外では「Beast」などの愛称で知られる、日本初のプロゲーマーにして、eスポーツ業界を牽引する存在だ。

【写真】人がやらないことを見つけ、積極的にチャレンジしていくことが梅原さんのモットーだ

■「スト6」がアップデートされ最弱の評価もあった「隆(タカシ)」が「リュウ」に強化!

2024年2月27日カプコン対戦型格闘ゲームストリートファイター6」(以下、スト6)のアップデートを実装。新規キャラクターのエドをはじめ、いくつかのバトル調整が実施され、自キャラの強化・弱体化に一喜一憂するスト6プレイヤーの姿が数多く見られた。

最強クラスと位置づけられていたJP、ルーク、ケンがそれぞれ弱体化を余儀なくされるなか、カプコンから「個性を十分に発揮できていなかった」と名指しされたリュウの複数の技が強化され話題となった。

そんななか、“強化されたリュウ”を使用するか否かで注目を浴びていたのが格ゲー界のリビングレジェンド・梅原さんだ。古参の格ゲー勢にとって「梅原大吾=リュウ」というイメージを持っている人は多く、梅原さんがリュウを扱うことを待ち望むファンは多かった。そして3月1日、アップデート版のリュウをプレイしはじめた梅原さんのネット配信に多くの人が集まった。

初日、ダイヤ帯からマスターランクまで一気に駆け上がると、2日目の3月2日21時50分にレジェンドに昇格、同22時48分にはMR2000に到達した。その圧倒的な“格ゲー力”で「スト6」のマスターリーグを盛り上げている。

■軽快な立ち回り「熟練の砲台手」「削りのリュウ」と賛辞を集めた

3月2日の配信ではTwitchの視聴者数は1万1000人、YouTubeを合わせると実に1万8000人に見守られるなかでプレイ。5時間以上にわたって続けられた配信の後半は「楽しい」と満面の笑顔でプレイしていた姿が印象的だった。

しかし、アップデート版のプレイ初日は新キャラのエドをプレイすることが目的だった梅原さん。リュウを触りはじめた序盤は「家族を人質に取られて『リュウでトップを目指せ』って脅されたらがんばってみるかという感じ」と、リュウを自キャラにすることへは消極的だった。

だが、リュウをプレイしながら「ケンの方が強い、でもせっかくだしリュウをやりたい」と愛着のあるリュウへの想いを吐露。そして、視聴者にコンボのレシピ情報を聞きながらプレイするうちにリュウの変化と強みを実感していったのだった。

そして、長時間にわたった配信の後半には、満面の笑顔でリュウを扱う姿が見られ、「(リュウ)亡国のキャラ!おもしろすぎて国が亡びる」「シンプルにおもしろい」と評価が激変。これまで扱ってきたケンは使わないのか?と視聴者に問われ、「ケンはやらない。リュウを満足いくまでやってみて」と回答。「正直、リュウはいい感じだと思う…けど万能さはない」と、その実力を分析。今後の改善箇所をいくつか提案しながらも、現状のリュウに「変化」と「おもしろさ」を感じた様子だった。

2023年6月2日に発売され9カ月が経った「スト6」だが、マスターリーグへの到達、ランクマッチに勝てない、などの理由で離れてしまった人もいるかもしれない。ストリートファーターの“象徴”ともいうべきリュウが“個性”を取り戻した本アップデート。梅原さんが「おもしろい」と語ったリュウを久しぶりに触ってみるのもいいのではないだろうか。

格ゲー界のリビングレジェンド・梅原大吾さん/Suguru Saito / Red Bull Content Pool