カラパイアの元の記事はこちらからご覧ください

 「さあ、サバイバルゲームのはじまりだ」強制的にゲームに参加させられたのは、オーストラリアを旅行中だった2人のドイツ人観光客だ。

 彼らは、グーグルマップのナビに従いドライブしていたところ、人里離れた僻地へと迷い込んでしまったのだ。

 車は沼地にはまり込んで動かない。電話がつながらず助けを呼ぶこともできない。彼らは生き残りをかけ、ワニが潜む川を渡り、野宿しながら人の住む場所まで歩くこととなる。

【画像】 グーグルマップのナビに従った結果、遭難したドイツ人観光客

 オーストラリアを訪れていた、ドイツ人観光客のフィリップ・マイヤーさんと彼の友人、マルセルシェーネさんは、グーグルマップのナビに従って、クイーンズランド州のケアンズからバマガを目指していた。

 ところが、その途中にある田舎町、コーエンを過ぎたあたりでナビに誤作動が生じる。横にそれた舗装されていない道を指示したのだ。

 それに頼るしかない彼らは、60km進んだところで、車が沼にはまり込んで動かなくなってしまった。

4

 この辺りは国立公園内で自然がそのままに残された場所である。住んでいる人もいない。彼らは車で行くことも帰ることもできなくなってしまった。

[もっと知りたい!→]グーグルマップが招いた悲劇。グランド・キャニオンの中心でヘルプを叫ぶ(アメリカ)

1

サバイバルゲームが始まった。1週間以上歩くことを余儀なくされる

 携帯電話で助けを呼ぶこともできない状況だったそうで、彼らに残された手段は、車を一旦放棄し、人のいる場所まで歩くことだった。

 車に積んであった限られた物資を携えて出発した彼らだが、オーストラリアの自然の驚異を目の当たりにすることとなる。

 雨が降り続き、雨宿りができる場所を作ろうとしたがうまくいかなかった。野生動物の危険にさらされながら外で野宿することを余儀なくされた。

 オーストラリアの厳しい夏の暑さにも耐えなければならなかった。(南半球なので季節は今夏である)

 そして最後にクライマックスがまっていた。川を渡らないことには町にでることはできないのだが、その川にはワニが潜んでいたのだ。

2

1週間後に無事町にたどり着く

 急いで川を駆け抜けた2人は、1週間後、ようやくコーエンの町にたどり着き、助けを呼ぶことができた。

 彼らの車も無事レンジャーによって回収された。

5

 2人はこのサバイバルゲームを無事乗り切ったようだ。

 「まるで映画の中の世界にいるようだった。一時はどうなるかと思ったけど、幸いなことにハッピーエンドだった」後にマイヤーさんは取材に答えている。

 「なぜこのようなことが起きたのか?全くわからない」とクイーンズランド公園野生動物局のレンジャーロジャー・ジェームズ氏は語った。

 グーグルの広報担当者は、2人の男性が無事であることに安堵し、原因を調査していると述べた。

「この辺の地理には全く詳しくないので、グーグルマップに従うことにした。グーグルマップは私たちが知らないことを多分知っているのだろうと思った」とマイヤーさんは述べた。

German tourists get lost in crocodile-infested bush | 9 News Australia

 GPSを使った位置情報サービスは、時に不具合を起こすことがある。過去にはナビに頼った人々がこぞって砂漠に案内されるというケースも報告されている。

 ナビを過信せずに、自分の目でも周りをよく確認し、おかしいと思ったらすぐに引き返すのが賢明なのかもしれない。

References:German tourists lost for more than a week after Google Maps mishap / written by parumo

 
画像・動画、SNSが見られない場合はこちら

グーグルマップのナビでワニのいる荒野に迷い込んだ観光客、1週間のサバイバルゲームが始まる